第2話 家を買いましょう
「魔王城には戻りませんよ、せっかくご主人さまをこの体で育てられるんですもの、コレットやデステに取られるのは嫌です、ご主人さまは私が育てますから安心してください」
えっ?いや帰らして下さいよぉ~
「ばぶ」
「ダメです。少なくともご主人さまが、5歳になるまでは絶対に戻らせません」
こうなったときのクーテは誰よりも頑固だ、俺が何を言っても聞いてはくれないだろう
せめて、コレットとデステはどうしているか教えてくれ
「ばぶ」
「私はご主人さまが亡くなってから、日ならずして魔王城を出たので、今の状況はわかりかねますが、私が旅に出る前は、ご主人さまの死体に永久保存の魔法をかけて添い寝していました」
なっなにそれ!?めちゃくちゃ怖いことしてるじゃん、むしろ気になってきたんだけど・・やっぱり行かせては・・
「ダメです」
ですよねー
まあ天使族は長寿だし、もう5年くらいあってないようなものだろうけど、大丈夫かな~
「それではご主人さま、参りましょう」
参るってどこへ?
「ばぶ?」
「ご主人さまと私の新居を購入しに行くのです、いつまでも宿屋暮らしではご不快でしょう?」
まあそうだな自分の家でゆったり成長したいもんな、よしなら早速見に行こう
「ばぶ」
俺たちは今、不動産屋までの道を歩いている。この世界には4つの大陸に分かれており、南のアメリ大陸、東のジパン大陸、北のロッシ大陸、西のユロプ大陸に分かれている。クーテによると俺たちは今、ジパン大陸のトロスという国にいるらしい。ジパン大陸には人間族が多く住んでおり、獣人族や、エルフ族がちらほらといった感じだ。
ちなみに魔王城はユロプ大陸にあり、かなり距離がある、転移魔法を使えば一瞬で移動することができるが、クーテが使ってくれるかと言うと・・無理そうだな
俺との旅を一瞬で終わらせることを許すはずがない、嬉しいのやら寂しいのやら
「よう、かわいい姉ちゃん
なにやら、いかにも『ごろつきA』みたいなやつが絡んできた
「子供連れか?ハハッ俺とそのガキの兄弟を作らねぇか?俺が新しい父親になってやるよ」
こいつ、無礼だな、殺すか?
俺だって魔王だ、それなりのプライドがある。加えてこいつは、人の女に手を出そうとしている。俺が不快感をあらわにしているとそれに気づいたクーテがすぐに謝罪してきた。
「申し訳ございません、ご主人さま、赤んちゃんとはいえ魔王である貴方様が住もうとしている国、こういう人間はあらかじめ間引いておくべきでした。」
まあ、クーテが悪いわけじゃないよ、これからは気をつけてね
「ばぶ」
「なんて慈愛に満ち溢れたお方なのでしょう」
そう言いながらクーテは俺に頬ずりしてくる、この頬ずりのおかげで俺の機嫌もだいぶ良くなってきた
「ご主人さま?なんだそりゃ?ガキ相手に何言ってんだ?まあいい、それよりどうなのよ姉ちゃん」
だがこいつはもう許さない、殺れ
「ばぶ」
「はっ」
突如、目の前の男が突然倒れた。クーテが魔法で内蔵を破壊したのだろう、切り刻んだりしてしまっては目立つし、万が一俺に血が飛び散ったりすることがないようにという配慮からだろう。
俺たちはその男をそのままにして不動産屋に向かった。
「こちらの物件などはいかがでしょうか?この国の中ではかなり大きいものになります」
クーテのいかにも高級そうなメイド服を見て、クーテが金持ちの使用人と見越した不動産屋の店主は豪邸ばかり勧めてくる、それでも魔王城には到底及ばないが住むには申し分ないと思う
「そんなに広くてはいけません、とびきり狭い家を紹介してください」
なんで狭い家なんだ?もしかしてお金がないのか?
「ばぶ?」
「いえ、お金なら私だけ魔王城に帰って持ってくればすむので困ることはありません、安心してください」
なら、そのついでにちょこっと連れて行ってくれればいいのに・・お金の問題じゃないならなんでなんだ?
「狭いほうがご主人さまの近くに居れるではないですか」
おお、その発想はなかった//
「では、こちらの物件はどうでしょう?部屋は寝室とダイニングのみです。ここら辺だと一番小さい物件になります、ですが二人暮らしだと、かなり窮屈に感じると思うのですが。やっぱり広い家の方が」
「そこです!そこにします」
店主がやっぱり広い家のほうがいいと提案するのを遮ってクーテが少し興奮したようすで、食い入るようにその物件の資料を見る、口元はパティとの二人暮らしを想像してか、ニヤけてよだれが垂れている
「わっ分かりました、でしたら内見できるご予定をお教えください」
急にテンションが上ったクーテに少し引きつつ聞く
「今すぐに!」
こうして、俺たちの午後の予定が決まった。
そのころ、魔王城では
「あんっ、あなた、デステの前ですよ//」
コレットがベッドの上でパティ(死体)の右手を自分の股に挟んでいる
「んあっ、パパはエッチなんだね//」
一方、デステはパティ(死体)左手を自分の胸に持っていき、自分の胸を揉ませている、もっとも揉ませると言うより当てているといったほうが正しいのが
そんな女二人の喘いでいる声はここ数年鳴り止んだことがない。
転生できたので妻たちに会いに行こうと思います @icarus460
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