転生できたので妻たちに会いに行こうと思います

@icarus460

第1話 あれ?赤ちゃんになってんじゃん!

俺の名前はパティ・ベレット、この世界の魔王をやっている




おそらく、俺と同等はおろかそれ以上に強いやつはこの世にいないだろう天界の長である神ですら俺には到底かなわない




そんな、世界最強の俺だが今まさに




死にかけている




その理由はいたってシンプル




寿命である




俺は人間族なのだ、魔法を使って寿命を延ばして300年間くらいは生きることができたが流石にもう限界らしい、寿命のない天使族や悪魔族に生まれたかったと強く願う




「あなた、まだなにか生きる方法があるはずよ!」




そう言って涙を流しながらパティに声をかけるのはパティの妻であるコレット・ベレットである


肩まですらっと伸びた桃色の髪に碧い瞳、背中には純白の翼が生えている顔立ちはとても可愛らしく


年の割に幼く見える、もっとも天使族である彼女の年齢はあぶしゅっ!!




「元気になってよパパ!」




と泣きながらパティとコレットの娘であるデステが言う


彼女も母親譲りの桃色の髪と碧い目を持っているが背中には何もないおそらく天使と人間のハーフであるから羽は生えてこなかったのだろう、ちなみに重度のファザコンである、大きくなったらパパと結婚すると言ったまま成長し、大人になってもなおもその意志を変えない系美少女である




「ご主人さま!どうか私めも連れて行ってください!ご主人さまの側ならどこへでもついていきます、たとえあの世だろうと」




こちらはクーテ・クレアテ、艶やかな長い黒髪に紫色の瞳をもっており背中には黒い悪魔の翼が生えていて前者の二人と比べたら大人びた顔立ちをしている。メイドの格好をしておりパティの従者かつ愛人?でもある。


パティ自身は妻同然に思っているのだがクーテはなんの享受か従者であることにこだわりがあるようだ。


曰く、妻ポジションだとコレットとかぶってしまうかららしい


年齢については・・言わないでおこう(殴られるのが嫌だからとかじゃないby地の文の人)




「悪いけど連れて行くのは嫌だ、クーテが死ぬのは自分が死ぬのより辛いことだからね」




「あなた、私は?」




「パパ、デステは?」




「もちろん二人が死んでも、自分の死よりも辛いよ」




パティからの愛を確かめてホッとする二人




今日のパティの顔色はいい方であるからそんなことを確かめる余裕が生まれる




もっとも、パティは自分が今日にでも死ぬだろうとは分かっていた、だからこそ三人に心配させまいと最後の力を振り絞って笑顔を見せるパティであった




「コレット、デステ、クーテ俺の手を握ってくれ」


パティが布団から腕を出す




「分かったわ」




「パパは甘えん坊さんだね、いいよ」




「わかりましたご主人さま」




三人がパティの手を握る




すると、パティの体中にあふれる膨大な魔力が三人に行き渡った




「三人に俺の力すべてを託した」




三人の体が硬直した、なぜ今そんなことをするのか、そんなのまるで・・・彼がもう限界であることを理解する三人




「いやだよぉぉ!!」




デステがパティの胸に泣き崩れる




「あなた!」




「ご主人さま!」




二人もパティに泣き崩れる




「お前らと居れて本当に幸せだった俺はあの世で見守ってるからどうか元気な姿を俺に見せ続けてくれ、元気で  い  てく  れ」




美少女三人に看取られて死ぬのなら本望だと今際の際で思うパティ




そうしてまもなくパティは死んだ




魔王城には三人の女の鳴き声が三日三晩響いていた




















「やっと見つけましたご主人さま」




そんなすごく聞き覚えのある声が聞こえる


ていうか、なんで聞こえるんだ?俺は死んだはずなんだけど・・実はまだ死んでなくて寝ただけだったとか?




え?超恥ずかしいじゃん




いや、ここは、森か?


というかクーテじゃないか、俺が寝ている間に何が起こったか知ってるかな?




「ばぶ」




あれ、喋れないなんでだ?


ふしぎと体のだるさも消えたが体が動かないぞ俺の体に何かあったのかな?




「あら、お腹が空いたのですねご主人さま、どうぞおっぱいです」




え、おっぱい?そりゃ嬉しいけどお腹すいたらおっぱい?そんなのまるで赤ちゃんじゃないか


赤ちゃん?


え!?俺、赤ちゃんになってるーーー!!??




「どうしたんですか、おっぱいの時間ですよ」




そんな事言われてもおっぱいなんて・・いや、むしろ大好物じゃないか、せっかくだし頂いておこう




「ちゅぱちゅぱ」




「んぁ...そこ...いい...です///」




あれ、なんかプレイみたいになってないか? まあいい、このままもう少し続けよう




「うっ...あんっ...//」














よし、おっぱいも堪能じゃなくて腹も膨れたしどういう状況か聞くとしよう




「ばぶ」




そっか俺、話せないんだった




「まだ話せないのですね、ご主人さま、お話は宿屋でしましょう」




そう言ってクーテはパティ(赤ちゃん)を布にくるんで抱え上げた




あ、やばい尿意が、あれ、我慢できない




じょーーー




「あら、お漏らししてしまったのですね、すぐに拭いてあげますからね」




「ばぶ//」




この年になっておもらしとは・・トホホあれ、赤ちゃんだからセーフ?きっとセーフだよね、お願い誰かセーフと言ってよ




「さて、ご主人さまの赤ちゃんボディさわさわを堪能じゃなくて拭き終わりましたので、早速宿屋へ向かいましょう」






       ー宿屋ー




クーテは俺を膝に乗せて言う


「ご主人さまは転生したみたいです」




転生?それで赤ちゃんになったのかでも、なんで?




「ばぶ?」




「理由についてはまだ分かっていません」




なんで「ばぶ」だけでつたわるんだ?さすがに長い時間一緒にいればわかるものかな


あれ?俺はクーテの考えが読めないんだけど、愛が足りないってこと?はぁ、精一杯愛してると思っていたけどまだまだクーテたちの愛には敵わないみたいだ精進、精進っと




俺はなんで森にいたんだ?転生したんだったらこの体の親はどこに?




「私がご主人さまを見つけたのはさっきが初めてです、ご主人さまがなくなって5年、現実逃避の旅に出ていた私が偶然この森を通っていたとき、ご主人さまの気配を感じたのです」




俺が死んでから5年も立っているのか、ていうか現実逃避の旅ってなんだ?他の二人は大丈夫かな?




俺は多分捨て子か何かなのだろう、森に捨てられたところをクーテが見つけ出してくれたということか




この体は、、人族か?どうせなら天使族や悪魔族に転生したかった




なにはともあれクーテに出会えたなら安心だ、他の二人にも会いたいし、とりあえず魔王城へ戻ろう




「ばぶ」




「魔王城には戻りませんよ、せっかくご主人さまをこの体で育てられるんですもの、コレットやデステに取られるのは嫌です、ご主人さまは私が育てますから安心してください」




えっ?いや帰らして下さいよぉ~


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