第10話 恋愛体質ってパワフルよね♡
実は私、恋愛体質の人が苦手である。いや、恋愛体質の家族や友達に振り回されてしまい、疲れたというのが正直な所だ。
彼女たちは四六時中「愛」について語り、暇さえあればSEXばかりしていた。
ホテル勤務だった二十代、色々巻き込まれて痛い目をみた。社員旅行。同室の二つ上の先輩は深夜こっそり部屋を抜け出した。
「どこに行ってたんですか?」「海岸だよ。コンクリートの階段があってね」
それ以上生々しい話を聞きたくなくて欠伸を一つし、一瞥。案の定、SEXするために抜け出していた。相手は四十近い妻子持ちの上司だ。彼女は不倫常習犯。
早朝勤務のため、
深夜だ。非常識だ。しかし先輩は招き入れる。何のため? SEXするためだ。
隣のベッドではいきなり始まっている。これについても常習犯だったとあとで知った。え? 私、見学ですか? 見たくないんですけど。笑
呆気にとられていると、もう一人の
話が違うと白けながら出て行く
浮気常習犯の父親を持つ私は、不倫だけはしなかった。ドヤっ。
さて、今回ご紹介するのは、神原 遊様 「告白」です。
主人公の優理香は、元夫の浮気と精神的な暴力で男性嫌悪していました。その中で仕事を見つけ、新しい生活を築こうと前向きになっていた矢先、須藤と出会います。
須藤とは職場の営業部長。年齢は四十代後半で二十以上離れています。既婚者である須藤は、言葉巧みに優理香に近づき……。キスをし……。
全部話したい。全部言ってしまいたい。ネタバレになります。我慢します。
優理香は何を告白したのでしょう。こんな一文があります。
『これまで、どんな人に愛されようと私の心は冷えていました。でも、あなたに本当の私を知って欲しいと切望している自分もいるのです。
私の醜く、汚い、異常な部分もすべてさらけ出します。
私は自分の闇と向き合うためにこれを書くのです」
須藤と出会い、傷つき泣き、葛藤し、愛し……。
優理香の感情の変化が丁寧に書かれていて、引き込まれていきます。気がつけば一緒に涙したり、怒ったり。優理香をユリちゃんと呼んで応援したくなりました。
作者様はユリちゃんを「愛人体質」としています。愛人体質とは、物欲、出世欲、性欲を満たすために自分を犠牲にしても構わない女性の事だと思っていました。
この作品を読み進めていくと、ユリちゃんは本当はどうなのだろうかと疑問を持ちます。男性からみたらまた違うかもしれません。ぜひご自分の目でお確かめください。
ユリちゃんの告白は、「告白2」「告白3」へと続きます。私はこれから「告白3」に進みます。何を告白するのか、楽しみです。いやドキドキします。
ここで、おすすめレビューです。
★★★ Excellent!!! 柊圭介様
じわじわと追いつめる、追いつめられる、男と女。
きっかけは主人公にとって大きなトラウマになる出来事。
恨んでも恨み切れず、憎んでも憎み切れないはずなのに、次第に相手の調略にじわじわとはまっていく。軽蔑しているはずなのに、だんだん抗えなくなってゆき、そのうち気持ちまで色が変わっていく。そんな感情が変化していく段階を、まるでその場に居るかのようにとても詳細に丁寧に書いてあります。
一人称の淡々とした口調で語られる物語は「告白」というタイトルにぴったりで、あたかもこの主人公のそばでじっと聞いているような感覚になります。とにかく文章が読みやすい。ほんの小さな感情の機敏も取り落とさずに描いてある。
このラストを読み終えたらきっと二作目に進みたくなるでしょう。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886015716
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886886448 https://kakuyomu.jp/works/1177354054896478319
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