人は死んだら何になる?

人は死んだらどうなるか。永遠の謎。
この小説では人は死んだら一冊の本になるという。とても素敵ではないか。
本となる魂を回収する役目の猫さんが主人公だが、この主人公は貧乏くじを引いてしまうタイプ。今回も厄介な二人の魂を本にするために人間界に訪れる。
そこで繰り広げられる物語はなんとも因果で感動的だ。悲しい物語なのに読後感はなんとも温かい気持ちになるのは、登場人物たちに向けられる作者の優しさが溢れているおかげかもしれない。
人は死んでしまう。失敗もする。後悔もする。でも、人はそれを活かすこともできるし、乗り越えていく強さもある。人の想いは美しい。
たくさんの人たちに読んでもらいたい物語だ。