50歳を過ぎたケアマネージャーである私は突如死去した。そして、得体の知れない人物との対話の後、異世界へと転生する。転生特典として得られたのは、身分の保証、強靭で優れた肉体、それに「何となく雰囲気で考えを伝える」という、どうにもフワッとした能力だった。
北方のアイエレム王国で第一王子として生まれたジョアンは極寒の地での生活に辟易とし、まだ5歳であるにも関わらず、さまざまな発明をする。さらに魔法の応用についても常識外れな発想で、新たな魔法の使用方法を生み出していった。
そして、僅かな従者とともに僻地での生活を始めたことで、人間種族だけに留まらない、時代を揺るがすとんでもない事件を引き起こすことに……。
ささやかな転生特典を持ち、自身の機転やその真摯さで周囲を巻き込み、人々を導いていく王子の活躍と葛藤を描いた異世界ファンタジー。
異世界――異なる世界へ旅立つとき、一体どんな理(ことわり)を元に、それが行われるのか。
そして、その理で異世界へ渡ったのちに、何を成すのか――。
この作品ではまず、異世界へ渡る過程、そこをまず押さえています。詳細は割愛しますが、三話も割いて、説明してくれています。
何故、異世界へ渡るのか――そこを理解した上で、先へ進む。
これがこの作品の白眉たらしめていると思います。
そして、異世界で何を成すか――それは今、まさに描かれているところです。
今はまだ始まったばかりですが、そこを楽しみに、ご覧いただいてはどうでしょうか。
……タグを見ると何やら不穏なワードがありますが(笑)