第2話 昨日会った友人


昨日、高校からの友人に会った。


自分とタイプは違えど、彼女は頻繁に集まる、仲の良い友人の一人だ。


彼女を含めて、私の周りには今まで彼氏がいなかったり、長く交際が続いたことがなかったり、恋愛経験の少ない友人が多かった。


だから、彼氏欲しいなぁとか、気になっている人がいるんだよねとか、その程度の会話をするくらいだった。


しかし、ここ最近は彼氏ができたという友人が一気に増えていた。


一気にと言っても、私の仲の良い友人6人のうちの2人だけど、私の狭いコミュニティーの中では一気にという表現は正しいと思う。


彼女たちの共通点は、最近流行りのマッチングアプリを通して彼氏と出会ったということだ。


そんな彼女たちの成功談を聞いて、私もマッチングアプリをいれたというわけだけど。



昨日会った友人(彼にA子としよう)も、マッチングアプリを通して彼氏を作った内の1人である。


1か月前に知り合って数週間前に付き合いだした、かなりのスピード交際といえる。


人をすぐに信頼できない私からしたら、衝撃のコミュニケーション能力の高さである。



何が私の気分を暗くしたかというと、それは彼女の話の話題にある。


今までくだらないことばかり話していた私たちであるが、昨日の彼女から発せられる会話のほとんどは彼氏とのことだった。


彼氏が近くでバイトしているだとか、今朝まで家にいただとか、昨日もイチャイチャしていただとか。彼氏は料理が上手いとか、運転もできてかっこいいだとか!


彼女の新居の節々で、彼氏の存在が伺えたことも私を悩ませる種の1つとなった。


付き合いたてだから、そんなことはしょうがない。


だけど、何となく彼女の中の私の優先順位が下がったという現実を感じてしまった。


これから彼氏と会う予定が増えて、私と会う時間は減ってしまうんだろうなとか、私と話していても彼氏のことを考えているんだろうなとか思うと、寂しく感じた。



さらには、このことがきっかけで、「付き合うこと」「恋愛」について彼女の家からの帰り道、深く考えることとなった。


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