深海に沈んで行けるなら

麗蘭楽

第壱話

「死にたい。」

そう思い出したのは4年前くらいだった。


親から何もかも過度な期待をされ、それを達成しなければ叱られ、周りの人からは雰囲気からか何故か避けられ、友達もできず、中学生活を送っていた。


私は中学校に入るのと同時期に、海の近くの街に親の都合で引っ越してきた。最初は綺麗な海が見えるからこの場所がとてもいいものに感じた。結構田舎の方だから前に住んでいたアパートより広い一軒家に住むことができ、自分の部屋も手に入れることが出来たことも大きかった。


当時の自分はまたあの場所に戻れると、そう思っていた。でも今となっては一軒家に住み出した時点でもう戻ることは無いというのが確定していたんだと思う。


田舎の学校は都会よりも全然違う。人数も比較的に少なく、クラスも2~3クラスしか無かった。しかも自分以外は小学校からの持ち上がり。それを知って、さすがにと思い、自己紹介の準備をした。


しかし、その自己紹介が上手くいくことは無かった。なれない新しい家に住み出したことでのストレスのせいか入学初日、体調が優れなくなってしまった。


そのまま3日がたち、他の生徒が投稿四日目を迎えた木曜日。今日も体調が優れなく、ベッドで横になっていると、

「いい加減に学校に行きなさい!」

自分の部屋のドアを開け、母親が言ってきた。

「ごめん…今日も頭痛いから…。」

「それが仮病なのはもう分かってるのよ!」

「いや…仮病じゃ…ないん…だけど…。」

会話をすることすら辛い。母の大声が頭に響く。

「もう嘘はやめて学校に行きなさい!」

そう言うと母は自分の布団を下に落として、代わりに制服を投げ渡してきた。

「………。」

私は頭が痛いのを我慢しながら、準備を始めた。


頭痛を抱えながら行った学校初日は、何も無かった。そう、何も。もう通常授業が始まっていて、ただ、明るい人は手を挙げて発言をし、明るくはない人はひたすらに板書を書き写したり、ポイントをまとめたりしている。休み時間も、いつの間にかクラスにいる誰かもわからない人に話しかけようとする人はおらず、ただ元からあっただろう仲良しグループで固まり、話している。私は苦労して学校に行ったにもかかわらず、ただ何も考えずに板書をとり、給食を食べ、家に帰った。


しかし、このただでさえ良くはない状況から、さらに悪い方向に向かうある出来事が起きてしまう。

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深海に沈んで行けるなら 麗蘭楽 @Kanau626

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