第3生
視界が回る。
私は、いつも理由なく気づけば此処に居る。
酔っ払って何度も何度も、同じ話を繰り返す私を少し馬鹿にしたように見つめる律。
ため息をつく私に律が優しく言葉をかける。
「ねえ、喋らなくてもいいんだよ。」
頷く私に、優しく唇を重ねる。腰に手を回す律が、今この瞬間だけはとても愛おしい。
他人から見れば到底理解できないだろう。好きでもない男と体を重ね、愛おしくさえ思うのだから。それでも、私たちは寂しさを埋めながら、欲を満たす。
律に背を向けてみても、離してはくれない。
離れることを諦めた私は、疲れて眠りについた。どれくらい時間が経ったろうか。太ももに這う手がくすぐったくて体が跳ねる
「もう一回?」と尋ねると、うなじに唇が触れた。優しく、優しく、律は私を抱く。
そんなに、優しくしなくても良いのに、いっそ壊してくれたならいいのにと思う。
欲 @mmm7000
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