第十五話
第十五話 最強の投手陣を
我が阪神の守備と走塁は折り紙つきであり打線は連打とその走塁と巧打を使って戦っていくことにした。だからこそ控え陣の起用まで考えた。
だがまだあった、次は投手陣だ。
投手陣が悪いチームはそれだけで大きく戦力面で問題が出る、一九九八年から二〇〇〇の近鉄バファローズは打線は非常によかった、だがその投手陣はあまりにも打たれその為散々な成績となっていた。もっとも当時の近鉄は投手陣だけでなくキャッチャーのリードにも多分の問題があったのではないかと拙者は思うが。
それに対し阪神は伝統的に投手陣のチームだ、暗黒時代と呼ばれている時代でも先発中継ぎ抑えはいつも揃っていてチーム防御率自体はよかった。
打線がどれだけ打たなくても阪神投手陣が大きく崩れることは少なかった、それは今も同じで織田前右大臣殿に優勝を許した昨シーズンも防御率はリーグはおろか十二球団でも屈指のものであった。
それに加えて今は拙者それに後藤殿達大坂の陣で拙者と苦楽を共にしてくれたお歴々が入団した。その陣容はまさに盤石と言っていい。
だがその盤石の投手陣も起用方法で大きく異なる、まずは九回即ち最後にイニングを完璧に抑えてくれるストッパーであった。
それはもう決まっていた、拙者は昨年エースとしてチームを引っ張ってくれた坂本殿に直接声をかけた。
「以前からお話していたでござるがストッパーは」
「わしじゃのう」
「はい」
坂本殿にお話した。
「坂本殿の一五五キロを超える速球とでござる」
抜群の伸びそれにジャイロ回転まであるそれに加えてだ。
「石井智久殿もかくやという高速スライダーそれに対する隠し球の様なシュートにでござる」
「緩急とフォークじゃのう」
「坂本殿はコントロールも抜群でござる」
まさに針の穴を通すかの様だ、恐ろしいまでのコントロールの持ち主でもあられる。
「そしてマウンド度胸、肝っ玉も買ってでござる」
「わしが最後じゃな」
「お願いするでござる」
こう坂本殿に直接お話した。
現代世界に転生したら阪神タイガースに入団した件 坂田火魯志 @18641015
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