サヨエルの街にて

人物紹介②

 「警察病院にて」までに登場した人物の紹介です。その関係上、「警察病院にて」までのネタバレが含まれるのでご注意ください。


◎警察関係者


〇タナリオ・ルゥ


 ラバン警視庁刑事部対REDSレッズ犯罪課第1班に所属する、警察官の夢追人ドリーマー夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は、左手のひらに存在する3つの眼球。「人を殺した人間」に対する強い憎悪があり、「人を殺した人間が幸せになれると思うな」と発言している。ヨールとはシグビッドの街で出会い、以降行動を共にする。警察病院での一件の後、ヨールや第1班の面々と共に「闇医者」の下へと向かう。


 手のひらで触れた「大切なもの」をしまい、それをどこかに出す能力を有する。なお、しまえるのは物体だけでなく人間も含まれ、またしまったものを現実だけでなく夢の中に出すことも可能である。ただし、大きいものほどしまうのに時間がかかる。


〇アゲンバ・ラオ


 ラバン警視庁刑事部対REDS犯罪課第1班の班長である、包帯を頭に巻いた夢追人ドリーマー夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は、顔面に複数刻まれた3つの円が連なったような奇妙な紋様。母親を人種差別主義者に目の前で殺害された過去があり、それによって「あの男のような人間を止めたい」「これ以上自分の大切な人を傷つけられたくない」というような夢を抱いて夢追人ドリーマーとなる。クモ屋を拘束した後に警察病院でヨールから証言を得るも、ゲビドアによる襲撃を受ける。


 自身や自身と親しい者に対して3回同じ攻撃をした人物の意識を奪う能力を有する(曰く「仏の顔も3度まで」)。この能力は、アゲンバが対象の姿を見ていなくても発動する。


〇ナネロ・アラヴァイカン


 ラバン警視庁刑事部対REDS犯罪課第1班に所属する、警察官の夢追人ドリーマー。筋骨隆々の身体つき、ピチピチのスーツ、そしてピンク色のビッグテールという異色な取り合わせの男で、何かと「マジカル☆」をつけて話す癖がある。夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は不明だが、人間離れした筋力を誇る。牧師の家に生まれ抑圧的な教育を受けた反動で魔法少女にハマり、それを責められたことで家出した過去を持つ。


 魔法少女の服装に「変身」する能力を持つ。


〇エスマナフ・カフ


 ラバン警視庁刑事部対REDS犯罪課第1班に所属する、警察官の夢追人ドリーマー夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は左目のあるべき場所に存在する口で、普段は長い前髪を垂らして隠している。学生時代に男教師にを植え付けられた過去を持ち、今でもそれを恐怖の対象として認識している。


 左目の部分にある口を認識した対象の記憶を奪う能力を有する。本人曰く、記憶を「食らい取っている」とのこと。


◎展望ラボ関係者


〇ヨール


 展望ラボの元被験者である、銀髪の少年。「評価」は不明。夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は、眼球の白黒の反転と頬にあるTのような黒い紋様。不器用ながらも他者に優しくする気質を持っており、年齢に似合わない覚悟も有している。アバガッロという男によって展望ラボに連れていかれた過去がある。また、過去に展望ラボにおいて発生した爆発事故で大勢の被験者を助けるも、命を選択してしまったことに対する後悔や爆発事故そのものへの恐怖を背負っている。本人曰く「消えてしまいたい」という夢を抱えている。タナリオとはシグビッドの街で出会い、以降行動を共にする。


 有効範囲内に、好きな大きさのシャボン玉を出現させる能力を有している。このシャボン玉は少なくとも人が入れるだけの大きさにすることができ、また物理的な刺激にも非常に強いようである。ただし、シャボン玉は透明のため光を通してしまう。


〇エリル・サクラム


 展望ラボの元カウンセラーにして、現在の展望ラボ残党の指導者である夢追人ドリーマー。ヨールの過去の記憶の中では優しくヨールに語りかけているが、少なくとも現在では殺戮さつりく行為を繰り返している連続殺人犯である。「ゆるし」についての言及が多く、「まったき赦し」計画なるものを進めている。


 能力の詳細は不明だが、対象を内側から破裂させたり、上空を滑空するかのように飛んでいくことができる。また瞬間移動も可能であり、この時周囲には暴風が吹く。


〇タマヅ


 ヨールと同年代に見える、異常な眼力の少年。白いコートを羽織っており、また腰には刀を携えている。エリルの側近であり、エリルのことを「先生」と呼んでいる。


〇キエラ


 リュビカ特殊刑務所に収監されていたREDSレッズ犯罪者。夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は、額に存在する第3の目。常にびくびくと怯えている。展望ラボの元被験者とみられ、襲撃してきたアユゴによって刑務所から連れ去られる。「評価」は不明。カバドゥラの捜索の鍵として使われる。


〇アユゴ


 展望ラボの元被験者である夢追人ドリーマー。「評価」は1位。夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は両目にあり、白目が緑で、その中に等間隔に3つの白い黒目が存在する。緑の長髪に緑のマスクというグリーンなファッションをしている男で、発言の節々に「んん」という声を入れるくせがある。これまでに2つの軍基地とリュビカ特殊刑務所を襲撃しており、いずれも壊滅させている。


 特殊なワードサラダを発することができ、このワードサラダを聞いた人物の思考に干渉し、最終的に頭を破裂させる能力を有すると思われる。このワードサラダは自身が発したものだけでなく、自身のワードサラダを聞いた人物が発したものも含まれる。また、アユゴの意思によって「ワードサラダがしない人物」を作ることができるようである。


〇ゲビドア


 展望ラボの元被験者である夢追人ドリーマー。「評価」は不明。夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は、右目に走るテレビのノイズのような模様。展望ラボより警察病院に派遣され、自身の能力で大勢の人間を殺害した。幼少期の霧の深い日に父親を失った過去がある。ヨールとタナリオのカウンセリングによってそのトラウマが解消され、自身の所業を激しく後悔すると共にヨールに強く感謝する。しかし、カウンセリングの後も夢追人ドリーマーとしての後天性奇形は健在だった。最終的に、アゲンバたちによって逮捕される。


 広大な範囲に特殊な白い霧を発生させ、霧の向こうを想像した人間の恐怖を具現化させることができる能力を有する。具現化された恐怖は自律的に行動することが可能であり、また基本的には不死である。ただし、攻撃を受ければ一時的ながらダメージも負うし、場合によっては気絶もする。


〇ノーマン


 帽子を被っている、絶えず奇言や奇行を連発する男。夢追人ドリーマーであると思われるが、後天性奇形および能力の詳細は不明。展望ラボの元被験者であり、その能力によってゲビドアを警察病院に連れてきた。「評価」は不明。ヨールに恩義を感じている1人。


〇シカキナ


 読書が趣味で、腕が4本ある女。夢追人ドリーマーであると見られ、その能力を使ってノーマンを展望ラボに転送した。展望ラボの関係者であり、部下がヨールたちへと派遣されているが未だ成果は出ていない。


〇サヴィール


 長身の男。展望ラボの元被験者であり、夢追人ドリーマーであると思われる。「評価」は4位。自身のことをまるで他人事であるかのように話す喋り方が特徴。展望ラボの爆発事故にてヨールに助けてもらったことから強い恩義を感じており、ヨールの殺害ではなく捕縛が決まった時にはエリルの話も聞かずに向かって行った。


〇オンライン通話の男


 展望ラボでの会議にオンラインで参加していた男。会議自体を面倒臭がっていた。


〇カバドゥラ


 ヨールと同じく、展望ラボから逃走中の元被験者。「評価」は2位であり、アユゴに次ぐ実力者とされる。現在、キエラを手に入れた展望ラボによって追われている。


〇アバガッロ


 展望ラボの関係者とみられる人物。かつてのヨールの知り合いであり、ヨールを展望ラボに連れてきた張本人。ザニアとの銃撃戦の末、殺害された。


◎「クモ屋」関係者


〇ヘドル


 ヨールを誘拐した3人組「クモ屋」のうちの1人である、アシンメトリーヘアで四白眼の夢追人ドリーマー夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は異常なまでに裂けた口角であり、口角は縫われている。警察病院に入院していたが、ゲビドアによる襲撃を受ける。その後、負傷したマローの治療のために「闇医者」の下へと向かう。


 指先からレーザー(自称「太陽光線ソーラ・レイ」)を発射し、対象を融かしたり焼け焦げさせたりする能力を有する。このレーザーはヨールのシャボン玉を透過し、また人体に簡単に穴を開けることができる。しかし、事前に太陽光をチャージする必要がある。


〇ガイリ


 ヨールを誘拐した3人組「クモ屋」のうちの1人である、車椅子に乗って黒い髪を顔の前に垂らしている夢追人ドリーマー夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は不明。警察病院に入院していたが、ゲビドアによる襲撃を受ける。その後、負傷したマローの治療のために「闇医者」の下へと向かう。


 車椅子を変形させ、自身ごと赤い車に変身する能力を有する。車へのダメージは、ある程度ガイリにも反映される。


〇マロー


 ヨールを誘拐した3人組のうちの1人である、薄紫色のマッシュボブヘアの夢追人ドリーマー夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は不明。軽薄な口調や態度ながらかなりの手練れであり、ダメージを負いつつもガイリと共にタナリオを戦闘不能状態まで追い込んだ。警察病院から逃走しようとする際、恐怖の具現化とみられるオーガに怯え、そのまま攻撃を受けて大ダメージを負う。現在、「闇医者」の下で手術を受けている。


 視界内のものにことで、対象を見かけの大きさを保ったまま近づける能力を有する。これにより、対象は小さくなった状態でマローの側に転移することになる。


◎その他


〇野良の夢追人ドリーマー


 タナリオを襲撃した夢追人ドリーマー夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は、右目の下にある小さな目。自身の能力を使ってシグビッドの街において殺戮行為を行った後、タナリオには自身の能力を利用されて腕を切断され、また現れたヨールには拘束されてしまう。


 自身が生じさせた衝撃によって空間に亀裂を生じさせ、空間ごと物体を切断する能力を有する。なお、どの衝撃によって亀裂を生じさせるかは決められない模様。


〇ザニア・ラウマン


 タナリオたちを襲撃した夢追人ドリーマー夢追人ドリーマー特有の後天性奇形は、首元にある手のようなこぶとそこに刻まれた月のような紋様。能力によって成人男性の姿に変わることができるが、本来はヨールよりも幼い少女である。近所に住んでいた「お兄ちゃん」の失踪を受け、それに関係すると思われる展望ラボを調査していた。なお、この時にラボの関係者とされるアバガッロを殺害している。タナリオとヨールの協力によって「お兄ちゃんを助けられなかった」という後悔の念が解決され夢追人ドリーマーでなくなるも、最終的にエリルによって殺害される。


 「警察官になりたい」という「お兄ちゃん」の夢を元に、警察官になる能力を有していた。これには、所有する物品を警察官関連のものに変形させることや、自身を成人した警察官に偽装することも含まれる。


〇「闇医者」


 ヘドルが言及していた医者であり、現在ヘドルたちが連れてきたマローの治療を行っている男。病院にいるにもかかわらず煙草を吸っており、手術室の煙検知器のスイッチを切っている。自身の病院に警察がやってきていることを不明な手段で感知したが、それでもマローの治療を優先した。アゲンバたちには非合法な医師であると推測されている。

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ドリーマー達は歩きだす 漸近喪神 @zenkin-mogami

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