作中でも語られているとおり、某学園ジュブナイルRPGを基にしたと思しき世界に転生してしまった主人公が、能力者絡みの事件を解決するべく東奔西走するのが本作です。
まだ頭痛の種となっているHEROが登場していないため、下敷きとなっている作品よりも闇に蠢く能力者を裏で裁く現代伝奇要素が強く、学園での青春要素は今後に期待でしょうか。
また下敷き作品よりも女性の登場人物が主導となっているためか、純粋に味わいが違っているのも魅力の一つです……と言いつつ、個人的な推しキャラは男性の伊茂下(木茂下ゆれあり)先生ですが。
この手のゲーム転生作品は、ルートをどう回避するのかが肝になりがちですが、本作は正史となるゲーム開始はまだ先ということもあり、舞台は共通しつつも自由に動き回っている特徴があります。異能力名『開拓能力《フロンティアアクター》』の名のとおり、無明の荒野を開拓するがごとく。第二章まで読了しましたが、これから原作キャラクターとどうかかわっていくのか、そしてHEROはどんな形で現れるのかも楽しみな作品です。