応援コメント

(参加作品その7)鐵道写真部始めました‼ (齋藤 龍彦様)」への応援コメント

  • 烏川 ハル様

    >一度も二次通過していないのが不思議なくらいの作品でした。

    とまで言って頂き感涙にたえません。それくらいこの『参加作品その7』は、本作『鐵道写真部始めました‼』にとってこれ以上にないレビューになっています。

    一次を通してくれた所はマシな方、本作〝第1話〟冒頭にスニーカー大賞応募時の〝あらすじ〟が残っているところからお察しですが、一次も通らない所の方が多いです。
    あと2カ所に応募すれば主要レーベル完全制覇(まったく誉められない)です。

    ところで本作は、烏川 ハル様が企画した【途中敗退者たちの集い・再び】参加作です。
    この企画意図は『「コンテスト的に長所だけでなく短所もある作品を読んで、勉強したい」という気持ちもあり、』とのことなので、ここまで読み込んでくれた烏川 ハル様にお返しできる〝返礼〟は作者本人による〝短所の分析〟以外ないでしょう。

    『短所とおぼしき部分を自覚しているのになぜそれを潰さないのか?』というと、それをやると今度は〝物語〟として成立しなくなるからです。
    どこかこのままで認めてくれるところはないか、と思い応募を繰り返していますが結果は芳しくないです。

    それはたぶんヒロインのキャラクター造形です。
    本作のヒロインは主人公のことを「好き!好き!」と言って追いかけて来てくれませんし(むしろ主人公の方がしがみついている)、よって性的でもありません。男子と女子が会っているのに恋愛要素は希薄。(恋愛に発展する可能性を秘めた〝好意〟程度は描いたけど)おそらくはこんなところかと。
    一次を通ってもいわゆる〝評価シート〟をもらったわけではないので完全にカンですが。

    「これだからライトノベルは、」といった感情を抑え、上記の要素を含んだ別作でどうなるか、を試すほかないのでしょう。
    根を詰めず、ぼちぼちとやっていこうと思います。
    改めて、ご精読ありがとうございました。

    作者からの返信

     齋藤 龍彦様、コメントありがとうございます。

     この作品が二次通過できない理由について、紹介文を書きながら私が考えたのは「コンテスト主催レーベルが求めていた作風やテーマと違うからではないか」ということ。でも「求められていたものと違う」を「たまたま」としか思えなかったので、紹介文の中で書くのは控えておきました。「たまたま」では「運が悪かった」になり、あまりにも漠然としていますからね。
     そんなことを考えていたので、齋藤 龍彦様の自己分析を拝見して「なるほど」と感じました。私が漠然と考えた「コンテスト主催レーベルが求めていたもの」が「男子と女子が会っている以上は恋愛要素が必要」ということなのですね!

     同時にもう一つ納得できたのが「だからこそ私はこの作品を『面白い』と感じたのだ」ということ。この作品はラブコメではありませんし、無駄な恋愛要素なんてなかったからこそ、テーマがブレず、面白く思えたのだと思います。
     齋藤 龍彦様ご自身が分析しておられるように『恋愛に発展する可能性を秘めた〝好意〟程度』は含まれており、その程度の味付けがちょうど良い、と感じました。齋藤 龍彦様も『それをやると今度は〝物語〟として成立しなくなる』と言っておられるように、ラブコメにしてしまうと物語が崩壊する、と私も思います。

     主人公の相手役という意味のヒロインではなく、物語のヒロインという意味では、メインヒロイン以外にサブヒロインも二人出てくる。しっかりとキャラ立ちした三者三様のヒロインが登場するだけで、物語に華が彩られています。別に主人公を好きにならずとも、それだけで十分ではないか、と私は思いました。
     私は常々「ヒロインたちは主人公の嫁ではなく読者の嫁」と考えており、だから主人公とは恋愛的に結びつかなくても、複数ヒロインを登場させるようにしているのですが……。重要なのは私個人の感性ではなく、一般のラノベ読者がどのような読み方をしているかですね。
     なろう系の流行や「小説家になろう」前身サイトで流行った作風から想像して、今は「読者が主人公に共感する」が行きすぎて「読者が自分を主人公と同一視する」という読み方が多くなったのではないか、と心配しています。その場合「読者の嫁」=「主人公の嫁」となりますからね。私の「ヒロインたちは主人公の嫁ではなく読者の嫁」という信条は成り立たなくなります。
     この作品に話を戻すと、もしも『本作のヒロインは主人公のことを「好き!好き!」と言って追いかけて』を入れるのであれば、まず主人公がヒロインに惚れられるような説得力が必要になるでしょう。そうなるとヒロイン以前に主人公のキャラクター造形が変わってくることになりますが、この主人公だからこそ新しい部活にこだわった、とも考えられますし、主人公のキャラクター造形を変えた時点で、確かに『〝物語〟として成立しなくなる』。そこまでして作品を崩壊させるくらいならば、「男子と女子が会っている以上は恋愛要素が必要」という読者や編集レーベルは、もう最初から相手にしない方が良いと思います。

    >どこかこのままで認めてくれるところはないか、と思い応募を繰り返していますが結果は芳しくないです。

     ラノベ読者のうちどの程度の割合が「男子と女子が会っている以上は恋愛要素が必要」と考えているか、私にはわかりません。また、これまで本作品がどのコンテストに応募されてきたかわかりませんが、もしも今までラノベのコンテストしか応募していないのであれば、応募先を変えてみてはいかがでしょうか?
     内容的に荒唐無稽でもないので、この作品は「ラノベ」というより「ライト文芸」寄りではないか、とも感じました(私自身「ラノベ」「ライト文芸」をはっきり定義できないのですが)。
     私は小説投稿サイトのコンテスト中心で、長編の一般公募は全く出していないので、一般公募は全くわかりません。でも小説投稿サイトのコンテストならば、この作品をもっと評価してくださるところもあると思います。
     例えば「小説家になろう」や「ステキブンゲイ」で齋藤 龍彦様のお名前を検索しても出てきませんから、それらは利用しておられないですよね?
    「小説家になろう」ならば、ネット小説大賞。複数の出版社が関わるおかげで、低ポイントでも文芸路線でも受賞枠があるコンテストなので、今時のラノベ読者には受けない作風でもチャンスがあるはず。「受賞できますよ!」とは保証できませんが、それなりに評価されるのではないかと思います(たまたま一次選考の下読み審査員が評価してくれない可能性もありますが、何回か応募すれば別の下読みにも当たるので、この作品を3回応募すれば確実に1回か2回は一次通過する、と断言できます。この作品ならば二次選考も通過できるのではないか、と期待しています)。
    「ステキブンゲイ」はラノベお断りのサイトですから『「これだからライトノベルは、」といった感情』があるのでしたら、まさにうってつけ。ただし、基本的に日頃は「読まれない」サイトなので、趣味で小説を投稿するサイトとしては全くオススメできませんが……。あそこのステキブンゲイ大賞というコンテストは(少なくとも「第一回」は)、通過割合的には三次選考が他のコンテストの一次選考に相当する感じだったので、この作品を出せば確実に二次は通過して三次か四次くらいまで通過するでしょう。そんな甘い形で二次通過以上になっても嬉しくないかもしれませんけどね。
    「ノベリズム」のノベリズム大賞も面白いと思います。第一回の開催が一年以上前なので第二回があるかどうかわかりませんし、私自身は第一回も応募していないので、かなり無責任な話になりますが……。おそらくラノベメインのサイトでありながら、文芸系のプロ作家が大賞を受賞。日頃ネットで運営に不満を書き込んでいるような口さがない連中でも絶賛するような、ガチの選考結果でした。サイト内のポイント評価は当然のように一切無視で、さらに大賞以外の金賞・銀賞には「大賞が文芸系だから」ということで作風的にバランス良いものが選ばれていた点も、褒められていました。受賞しても紙媒体での出版ではなくサイト内の商業連載というのは応募者にとって欠点かもしれませんが(なお大賞だけはよその出版社でコミカライズされますが、あえてコミカライズしにくい文芸作品が大賞に選ばれたこともガチ選考と噂されている一因です)、逆にだからこそ商業化しやすく、落選作品の中からもいくつか商業連載に切り替わったものがありました。いわゆる拾い上げですね。

     私自身、広く情報を集めているわけではなく、自分が利用している小説投稿サイトに限った話です。偏った情報の中でいくつか具体的なコンテストをお勧めするのは、かなり無責任でお節介な話なのでしょうが……。
     せっかく面白い作品に出会ったのに、これがカクヨムの中だけで埋もれてしまうのは勿体ない。そう思って、つい書いてしまいました。

     齋藤 龍彦様が、どのようなスタンスで執筆なさっているのか、私にはわかりません。色々と公募に応募しておられる以上、小説家デビューの気持ちがあるのは確実でしょうが、それがどれほど強いのか。日頃の執筆の中で、どれほど「書きたいもの」があるのか、それと「読者受けしそうなもの」が合わなかった場合、どちらをどれくらい優先させるのか、という点ですね。
     プロ作家になるためには「読者受けしそうなもの」は重要だと思います。でもそれとは別に、趣味の執筆としては「書きたいもの」こそ大事。少なくともこの作品は私にとっては面白い方向性だったので、是非この方向性を続けて欲しい(別の方向性で書くとしても、この方向性も残して欲しい)と思いました。