(参加作品その7)鐵道写真部始めました‼ (齋藤 龍彦様)


『鐵道写真部始めました‼』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888059942


【コンテスト】第1回ファミ通文庫大賞

【一次選考通過数/応募総数】158作品/2388作品


【コンテスト】第19回角川ビーンズ小説大賞

【一次選考通過数/応募総数】53作品/620作品



(私からの一言)

 まずは序盤の印象です。最初のエピソードだけで、悪役らしき人物が出てきて、ヒロインが出てきて、ヒロインが主人公に興味を持つきっかけとなるイベントまで描かれている。それらを全て第一話でまとめたのは、とても完成度の高い導入部だと感じました。

 その後もテンポよく進んでいきます。最初に「新しい部活を作る」という目的が明確に提示されるのも、読みやすさの理由の一つでしょうか。


 カメラに関して器具の名前や専門用語なども出てきますが、全くわからない私でも置いてけぼり感はなく、楽しく読めました。

 一般的な写真関連ではなく、鉄道写真に関して序盤から詳しく描かれている点も、とても専門的な作品だと感じました。しかも鉄道写真の方は、主人公たちも元々詳しくないという設定のため、初心者目線で解説されることになり、いっそうわかりやすかったです。


 部活設立に関しては、あえて王道を外したっぽい部分もあり、意外な展開が上手く面白さに繋がっていると感じました。

 それからしばらくは明るい雰囲気を楽しめて、悪役が再登場したあたりから、物語は一気に転がっていきます。


 実は冒頭の「完成度の高い第一話」という感想と関連して「最初の完成度が高過ぎて、その後は失速するのでは?」と心配もしながら読んでいたのですが、全くの杞憂でした。

 特に終盤の展開と構成は凄い。写真と鉄道、私にはマニアックと思える題材なのに、それを見事に物語に昇華しており、感銘を受けました。



 なんだか褒めてばかりですが、この自主企画に参加していただけた以上、これでも一次通過止まりの作品なのですよね。

 少なくとも複数のコンテストで一次通過しているのは伊達じゃない、と納得できる出来栄えであると同時に、私個人の意見としては、一度も二次通過していないのが不思議なくらいの作品でした。

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