金欠卓資料集

四野之乃

第1話

ルーデンベルク 初期雇用メイド 設定集


貴族制が廃止されルーデンベルク家も公爵ではなくなった後、使用人の入れ替えや財産処分などが落ち着き、屋敷の管理と家人の守護のための存在として雇われた初期のメイド達

この3人が優秀すぎたため、その後のルーデンベルク家使用人順位の上位3名はそれぞれアン、ドゥ、トロワの名が与えられルーデンベルク精鋭中の精鋭を示す名となった


「なんだそのメイド服!てめぇ、名を名乗れ!」

「これは失礼致しました、当方、ルーデンベルク家使用人、ドゥの名を冠します、テレサ=マーシャと申します。以後、お見知り置きを」

「ま、まさか!あのルーデンベルクのネームドか!人間兵器一族の近衛兵がなんでここに!」


アン

本名 アン=リーマン

天才

戦闘、政治、家事、取引なんでもござれ

幼少期、何も知らないままその才を存分に発揮していたところ、父親に嫌悪され殺されそうになったのを母親に逃がされ、傷だらけ、死にかけの状態のところをアーデライトとカリーナの祖父、トゥータに拾われた。カリーナと歳は余り変わらない。アーデライト、カリーナとの関係は使用人と言うよりも兄妹に近く、アーデライトが当主になった時、養子縁組を提案したところを断り、専属メイドとして働いている。明るい性格でなんでも興味を示す性格だが、一度どん底を経験していることから自分達に手を出そうとする人間には容赦ない対応をする。なお、母親は死亡、父親は社会的に抹殺した上、臓器まで売り飛ばした。リーマンは母親の姓。何も無い時は屋敷の管理かアーデライトの秘書をしている。衝動的な買い物をするため会計担当のトロワによく絞られている


「アン姉さん、なんですかこの用途不明金は」

「ト、トロワちゃん、ね、ねぇ、そんな危ないものは捨てて、お茶しよ?ね?」

「いいから早く何にこんなに使ったのかさっさと白状してください、納得できる回答を得られなければ鉄球で1マルクにつき10回殴ります」

「ちょっ、さすがにミリオン殴打はお姉ちゃん死んじゃう!死んじゃうから!」


なお、カリーナの暴走に居合わせた回数は3人の中でいちばん少ないがほぼ全ての後始末はアンがやっている。色々なことをやっていて色々な明暗を渡り歩いているので聞くとなんでも答えてくれる。基本的にルーデンベルクの人間は好き。



ドゥ

本名 ドゥ=シュナイダー

秀才

1番の苦労人

カリーナに1番振り回されている超苦労人。ただ家事が得意だからと軽い気持ちでルーデンベルクの門を叩いたらカリーナとアンに気に入られ、戦闘を仕込まれた。


「何度夜逃げしようかと思いました」


一度実行しようとしたが、アンに計画を完全に把握された上、捕まったため逃走を諦めた。今では開き直ってカリーナの側付をしている。暴走特急のようにトラブルを引っ張ってきてはアッパーカットを叩き込むカリーナと危ない橋を渡り続けたせいで変な技能が得意になってしまった。家事をやらせるとアン及びトロワよりも完璧にこなすので屋敷管理の総責任者も兼任している。余談だがアン、ドゥ、トロワに血縁関係はないがアンが


「私が長女!ドゥが次女、トロワが三女ね!」


と言い出して聞かなかったためドゥはアンのことを姉さんと呼んでいる。一人っ子であるため満更でもないのかもしれない。両親はそこそこ成功した商人だったがある程度資産を築いたあと今は田舎でスローライフを送っている。たまに暇を貰って会いに行っている。得意な獲物はナイフ。カリーナと一緒に戦うことが多いためか危機察知能力が抜群に高くなってしまった。アーデライトの妻、アリミアが苦手。本人談曰く


「奥様、いつもは屋敷で平和に過ごしているのに面白い事がおこって一度スイッチが入るとお嬢様より手がつけられません。あれに対応できるのはアン姉さんくらいです」


とのこと。アンもたまにげんなりしている辺り彼女らの共通見解である。夜逃げ未遂とは言ったが別にカリーナやアンのことが嫌いな訳では無いアーデライトやトロワも含め忠誠の心はしっかりとある。トロワにしっかりとしたメイド作法を教えたのはドゥ。最近はメイド作法を理論化して指南書を作成中。後のルーデンベルク使用人の必読本となる。



トロワ

本名 トロワ=エバンズ

怒らせるとやべーやつ

転職暗殺者

ルーデンベルクの会計の責任者。資産運用もして資金力を高めている。元はイギリスの大家の出身であるが、能力を見込まれたためドイツの暗殺業の1家が誘拐、教育して暗殺者に仕立てあげようとした。しかし、教育途中で発覚し一家は取り潰し、その時主犯格の確保と後処理を行ったのがアーデライトであり、路頭に迷うのを放っておけず引き取り、メイドとして雇用した。頭の回転がはやく、他の書類仕事も難なくこなせる。しかし、性格は大人しく、自信が無い。オドオドしていることが多いものの仕事はきっちりするためアーデライトやカリーナからも信を置かれている。戦闘技能としては3人の中で飛び抜けていてタイマンだとアンでも敵わない。怒らせるとやばい。トロワが静かにキレているのを見るとカリーナすら大人しくなる。最近の悩みはアンの衝動買いによって積み上がる用途不明金。カリーナの出納は全てドゥが管理しており、アーデライトとアリミアは全てしっかりと領収書を出すのでもっぱらアンに対してキレることが多い。怒る時はナイフ、鎖付き鉄球、モーニングスター、ハンマーなどなど様々な武器を手にして笑顔で地の果てまで追いかけるので普通に怖い。使用人達の戦闘訓練も行っている。結構なスパルタと評判。ちなみにトロワの中で忠誠心は順位つけされており、アーデライト>>カリーナ>>アリミアとなっている。


「あ、あのっアーデライト様!お飲み物をお持ちいたしました!」

「ああ、ありがとう。そこに置いておいてくれ」

「は、はいっ!それと今年度の予算報告なのですが!」

「ああ、少し待ってくれ、アンに使いを出しているんだ、それも今年度の方に入れてもらっていいか?」

「はい、かしこまりました」

「たっだいまー!」

その時ズドンとドアが開き、アンが入ってくる。

「街に行ったら〜いいものあったんですよ〜いい感じの骨董品なんですけど〜」

「いや、アンまて、ちょっと待て。私の買い物は大丈夫か?」

「もっちろんでごさいます!郵送の手配もしておきましたので明日には届くかと!それでですね、余ったお金でこんなものを」

その時部屋にズンッという何かとても重いものが落ちた音がする。

「アン、姉、さん」

「え?あれ?ト、トロワちゃん?どしてここへ…」

「アーデライト様にお茶をお出ししながら、今年度の決算方向を、と。アン姉さん、なんですか、それ、速やかに、領収書を提出してください」

「え、えっとね、それがぁちょっと露天商でね、見つけたから、その…なくて…えへへ」

ピキっと空気が凍った音が聞こえた気がした。

「ト、トロワ、アンも仕事はちゃんと済ませているし、少しは買い物をしてきても良いと多めに渡したのは私だ、だ、だから」

「アーデライト様」

「な、なんだ?」

「決算報告は明日、まとめて致しますね?」

「あ、ハイ…」

その日屋敷にはアンの悲鳴が響き渡っていたという。



アン、ドゥ、トロワそれぞれ有能で忠誠心も高い、まさにルーデンベルクの精鋭である、しかしルーデンベルク直系の化け物加減を忘れてはいけないのだ。





おまけ

トゥータ=ルーデンベルク

アーデライトとカリーナの祖父、長子だったものの弟に継承権を譲り、放浪していた。そのおかげで世界各地に人脈があり、現在のルーデンベルク勢力の基盤となっている。なお、兄の身を案じた弟の策略によって幼なじみの伯爵令嬢に力ずくで連れ戻され、公爵として辺境の地を治めることとなった。武器の扱いは上手いが戦闘力はそこまで高くなく、幼なじみの伯爵令嬢にはワンパンKOされた。口癖は

「嫁には敵わん」

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金欠卓資料集 四野之乃 @ituwanokamisama

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