幕間 その三
武悪の図鑑 LIVE クリーチャー その二
◆
☆読者の皆々様、初登場早々におっ
まあ、好き放題やって生きて来たんで今世に未練はねえけどよ。
このコーナーじゃ、これまでに登場したクリーチャーを解説する。
俺も改造し甲斐があったぜ。
じゃ、爺さんのお仲間と俺の自信作をとくとご覧あれ。
※本項は作中設定の紹介です。
若干のネタバレを含む場合がありますのでご了承下さい。
本項で説明しているのは主に本作独自の設定です。
一般に
本項の情報は、作中の一九一九年七月時点のものです。
◆ 幻魔 ◆
◇ 〈ブホール〉 ◇
幻夢界(二次元)に生息するとされる。
かつて物質界(三次元)で生息していた〈ドール〉と呼ばれる存在に非常に良く似ているとされるが、同種なのかどうかは不明。
外吮山内部に出現した個体は分離合体能力を有しており、尾部を接合させたり分離させたりしていた。
粘り気の強い粘液を分泌して体表を防御したり、それを攻撃に応用した
また、人間一人ぐらいなら楽に丸呑み出来るほど体組織が柔軟。
光、特に人工光を苦手とする。
☆
幻夢界じゃ穴掘って暮らしてるみてえでよ。
もしかしたら、外吮山内部の洞窟はこいつらに掘らせたのかも知れねえな。
◇ 〈アルスカリ〉 ◇
かつて物質界に生息していた単眼巨人。
現在その姿は確認されておらず、魔術結社では絶滅したものとしている。
なぜ〈白髪の
筋骨隆々の体躯で雌雄の別は在る。
外吮山内部に居た個体は、体組織の再生もかねて肉体を膨張させていた。
その際は高熱が発生してしまい、高温になり過ぎると体細胞が破壊されてしまうため肉体を常に冷却している。
肉体冷却以外にも、
☆爺さんが付けた愛称は
しつこい性格だからそう名付けたんだと。
こいつの正体は、
この国で呼ばれる所の
伝承じゃ武器は使わねえって話だったが、外吮山に居た個体はデカい棍棒もってたな。
ちゃんと
実は、『現生人類が創造される以前の人類ではないか?』なんて説も在る。
それに、以前はもっとデカい個体がいたみてえでよ。
〖
九〇〇尺ってえと、二七二・七二七メートルぐれえになるぜ。
『そんな人間存在できる訳ないだろ!』って思うかも知れねえが、今の地上と太古の地上じゃ酸素濃度や気圧が大きく違ってたっていうし、生物の基本構成も炭素じゃなく珪素だったらしいじゃねえか。
そんで世界各地で巨人の骨が見付かるたんびに、酢味噌煮餡博物館なんかがやって来ては証拠の品々を洗いざらい持ってくんだと。
ま、ソレやってるのは俺ら邪神崇拝結社なんだけどな。
そっちの世界線ではどうなんだい?
だからよ。
『巨人はいなかった』、なんて闇雲に否定するのは
◇ 〈
古代遺跡などから種子が発掘されていたが、現在ではほぼ掘り尽くされてしまい大手魔術結社でも近年の発見事例はない。
非常に貴重な為、大手魔術結社においてもおいそれと使用許可は下りない。
〈
宿主の養分を利用し成長する。
その種子には霊力に感応する成分が含まれているらしく、古代の魔術師は霊力を封入してそれを使役していた。
発芽後は、様々な形態に成長を遂げる。
種子の遺伝情報で形態が決定されるのか、霊力を封入した術者によって決定されるのかは定かでない。
なぜ〈白髪の
外吮山にいた個体は、
また、周囲の現生植物や現生動物の死骸から栄養分を奪い取るばかりか、同じ幻魔からもそれが可能。
〈トロル〉と
☆爺さんが付けた愛称は
植物だしな、太陽光が好きなんだろうよ。
俺が生きてりゃ播衛門 爺さんから〈
それにしても、予め対象に種を埋め込んでおいて好きなタイミングで発芽させる機能はとんでもなく使えるぜ。
将来はこの機能を利用する生体兵器なんかも現れるんじゃねえか?
◇ 〈トロル〉 ◇
〈ヴーアミ族〉と
現在も北欧や北極圏にはその伝承が色濃く残っている。
伝承での〖トロル・トロール〗とは違い、日光が弱点ではないようだ。
外吮山にいた個体は〈ヴーアミ族〉の倍近い体躯をしており、
人間を遥かに超える
知能も有り、〈
思考と感覚の
☆爺さんの付けた愛称は
その名の通り、俺らが闘った個体も舐め腐った態度とってやがったな。
ま、俺と
こんなでも俺ら人類とは親戚らしい。
上手くやって行こうじゃねえか。
やっていけねえか。
◆
〖リビングデッド・ゾンビ〗などがこれに当たる。
〖ホムンクルス・ゴーレム〗と呼ばれるものは動植物の死骸そのものを利用するのではなく、人工的に
※憑依は定着とは違い、極一時的な事象を指す。
疑似生命体には
ゆえに、疑似生命体の操作は術者が担当しなければならず、疑似生命体自体は魔術を扱う事が出来ない。
術を解かれると、疑似生命体はただの肉塊へと戻る。
現生生物では有り得ない姿に造形する事も出来るが、大抵の場合自然な形状の方が有用。
☆因みに、
場所は、
【https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054934977293/episodes/16816927861191246297】だ。
色んな伝説や神話に出てくる、いわゆる人造生命体のこった。
リビングデッド・ゾンビタイプは、既存の死骸を使って製造する。
培養の手間は要らねえが、短期間の使用でも防腐剤が必要になっちまう。
それに媒体になった死骸の状態によっちゃあ、食事もさせらんねえ(食物を消化吸収できない)場合も多い。
ホムンクルス・ゴーレムタイプは、防腐剤は要らねえし食事も出来るから耐用期間が
その代わり、製造には日数が掛かる。
人間大サイズの個体を造る場合は、この俺でも一体当たり半年ぐれえは掛かっちまうな。
それらの欠点を解消したのが、後述の〈ミ゠ゴ幻魔〉って奴よ!
◆ 〈ミ゠ゴ幻魔〉 ◆
外法衆の武悪が中心となり開発した疑似生命体の一種で、従来の雑仏の進化形。
〈ミ゠ゴ〉を結合剤として使う事により、栄養分や水さえあれば爆発的な速度で疑似生命体を製造できる。
いちいち邪霊を憑依させなくとも〈ミ゠ゴ〉を介して操作が出来、術者の練度によってはある程度の自立行動も可能。
〈ミ゠ゴ〉の特性を利用した、胞子拡散、対象の精神支配などの能力も
作成の際は、材料となる死骸や土壌、
〈ミ゠ゴ〉を使用する際の欠点としては、製造した術者などが〈ミ゠ゴ〉に精神支配されぬよう、大昇帝 派が独自に開発した
又ある種の粘菌(作中のムナカタヒザメホコリなど)に非常に弱く、条件が揃うと簡単に〈ミ゠ゴ〉の菌糸が
☆要は、
これまでの雑仏と比べて造るのも簡単だし、こっちが細かく命令しなくてもある程度状況判断して動いてくれるのは便利だな。
〈ミ゠ゴ〉は雑仏の結合剤であると同時に、コンピューターのオペレーティングシステムでもある訳よ。
◇ 〈
素体となった幻魔それぞれの特徴を受け継いでいる。
能力に関しては、元の幻魔よりも若干低下するようだ。
特に敏捷性に関しては低下度合いが大きいが、個体に行動プログラムを施す事によってある程度は補える。
雑仏と同じく肉体を〈ミ゠ゴ〉制御によって無理矢理動かしているだけなので、痛みや恐怖心は全く感じない。
それにより、思念の送受信装置である渦巻き状円盤が破壊されない限りは、小間切れになっても活動可能。
※ただし、〈ミ゠ゴ〉が本能的に恐れる存在がいた場合などはその限りではない。
☆腕や脚をフッ飛ばされても眉一つ動かさねえ……って、眉なんてねえんだが。
幾ら元の幻魔より能力が下がるっつっても、恐怖を感じない不死身の軍団ってのは厄介だろうぜ。
◇ 〈ヘルプラントロル
〈
〈トロル〉の怪力と鉤爪に加え、蔓触手や〈ミ゠ゴ〉の胞子拡散で攻撃する。
☆言わずと知れた俺の最高傑作よ。
〈ミ゠ゴ〉が生成する柔組織は、完全に別種の生物ですら繋げてくれるからな。
便利な事この上ないぜ。
これは詰まり、〈ミ゠ゴ〉に死骸を継ぎ足して行きゃあ、ほぼ無尽蔵に量産できるってこった。
ま、術者による制御は必要だけどよ。
やっぱ合体はロマンがあるぜ。
◆
☆読者の皆々様。
幻魔と〈ミ゠ゴ幻魔〉の動植物園、どうだった?
死に
〈ミ゠ゴ〉は量産性拡張性将来性ともに最高の素材だが、俺はもう死んじまってるからこれ以上研究できねえのが心残りだ。
しかし、たとえ死んじまっても〈ミ゠ゴ〉を埋め込んどきゃあ生き返れるかも知れねえなあ。
瑠璃家宮 派は〈ショゴス〉研究も進んでるし、もしそうなら宮森は……。
◆
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