第七章 注釈集



☆ここでは【第七章】の注釈を一覧できるようにしました。

 用語を調べたい時などにご利用下さい。


※本項は作中の注釈を紹介しています。

 若干のネタバレを含む場合がありますのでご了承下さい。


 本項の情報の中で『(作中での設定)』とされている注釈は、作中での一九一九年七月時点のものとなります。

 それ以外の注釈はその限りではありません。



◆ 第七章 ◆



◇[註*蔵主ぞうす 地所じしょ=蔵主 財閥傘下の不動産会社。

 狙った土地は非合法な手段を使ってでも絶対に手に入れる、早い話が地上じあげ屋(作中での設定)]


◇[註*裳付衣もつけごろも=主に僧が着用するすそが長い衣。

 大概の場合黒色である]


◇[註*人別帳にんべつちょう=簡単に説明すると、江戸時代中期以降の戸籍の事]


◇[註*スプリングフィールドM1903=アメリカ合衆国陸軍のスプリングフィールド国営造兵廠ぞうへいしょうが開発したボルトアクションライフルの傑作。

 一九〇五年に配備が始まり、一九四九年まで長期間使用された]


◇[註*ムナカタヒザメホコリ=宗像が発見した新種の変形菌(粘菌)。

 魔術結社に籍を置いている関係で、宗像は未だに発表できていない。

 この功績が世間に知れ渡るのは、宗像の死後になるだろう。

 ムナカタヒザメホコリの初めての活躍は、【カルマメイカー ~焦海の異魚(ひがたのにんぎょ)~ 序幕 & 第一幕 第四章 雷獣の咄(はなし) 第七節 岩かじり撃滅作戦】を参照されたし(作中での設定)]


◇[註*土饅頭どまんじゅう=土を掘らずに小高く丸く盛り上げ、内部に遺体を葬る形式の墓や塚]


◇[註*反響定位はんきょうていい=エコーロケーション。

 コウモリ、一部のクジラ、イルカなどは自身の器官を用いて音波を発し、その反響から周囲の環境把握を行なっている。

 鳥類であるアナツバメやアブラヨタカも、鳴管めいかんという発声器官を用いて音波を出している]


◇[註*偽茎ぎけい=葉の基部がくきを抱き包むように発達しているものを葉鞘ようしょうといい、地下茎から伸びる葉鞘が幾重にも伸び重なって茎の様相をていしている物を偽茎という。

 偽茎を持つ代表的な植物は、ネギ、ショウガ、ハナカンナ、バナナなど]


◇[註*燭台大蒟蒻しょくだいおおこんにゃく=世界最大の花序かじょ(花の集まり)を持つ植物として有名。

 お化け蒟蒻とも呼ばれる。

 仏炎苞ぶつえんほうとは花弁のように大型化した葉で、仏像の光背こうはいに似ている事から名付けられた。

 その特徴的な花序からは、Amorphophallusアモルフォファルス titanumティタヌム(変な形をした巨大な男性器)と云う意味の学名を付けられている。

 虫を誘引して受粉を成功させる為に発生させる匂いも強烈で、英語名はcorpseコープス flowerフラワー(屍体の花)]


◇[註*武悪面ぶあくめん=鬼や男性の幽霊を表現した面。

 腫れぼったい瞼、大きな鼻、歯を剥き出しにして笑う口が印象的で、怖さだけでなくユーモラスさも漂う。

 能だけでなく狂言にも使用される]


◇[註*遊環ゆかん=錫杖上部の金属製の大環だいかんに掛けられ、振った時に音が鳴るようにする小環しょうかんの事。

 小環の数は、四個、六個、十二個など種類がある]


◇[註*十六中将面じゅうろくちゅうじょうめん=中将面は少年から壮年までの男性を表す面で、ひげの有無や表情にかなりの種類がある。

 今エピソードで使用されている十六中将じゅうろくちゅうじょう面は髭なしの美男子面で、在原 業平ありわらのなりひらがモデルだとされる]


◇[註*金剛杵こんごうしょ=覚者密教の仏具で、握り柄の上下に刃が付いている。

 元々はインド神話の神、雷神インドラの武器であるヴァジュラを模した物。

 先端の形状が異なる様々な種類が存在し、刃の少ない順から、独鈷杵どっこしょ三鈷杵さんこしょ五鈷杵ごこしょ七鈷杵ななこしょ九鈷杵きゅうこしょとなる。

 又、三鈷杵の中央の刃だけが他の二本に比べて長いものを三鈷剣さんこけん、五鈷杵の爪が真っ直ぐなものを都五鈷杵すべごこしょと呼ぶ。

 先端が刃ではない種類も存在する(作中での設定)]


◇[註*葡萄色えびいろ=濃い赤みを帯びた暗めの紫色。

 山葡萄やまぶどうの一種、葡萄葛えびかずらの熟した果実の色から名付けられた]


◇[註*靭性じんせい=材質の粘り強さ、壊れにくさの事]


◇[註*劈開性へきかいせい=鉱物の特定方向に対する割れやすさの事]


◇[註*多結晶金剛石ダイヤモンド=ブラックダイヤモンド、カーボナード、カーボネード、ボルツとも呼ばれる。

 黒色になるのは、鉄鉱石やグラファイトなどが包含ほうがんされているため。

 希少性は高いが色が黒いので、宝石としての人気は低い。

 現在では、主に鑿岩機さくがんきなどの工業用として用いられる]


◇[註*紋花蝦蛄もんはなしゃこ=ド派手なルックスに特大グローブ。

 いわずと知れた甲殻生物界のハードパンチャー!]


◇[註*霊創れいそう=術式用に加工していない、生命力そのもので付けられた傷の事。

 その攻撃は使用者の魂魄を体現した霊色オーラをまとい、使用者の寿命を削る。

 霊力を込めた者の霊格にもよるが、多くの場合回復術の効果は期待できない。

 霊力で生成しただけの物体でできた傷は霊創とは呼ばず、火炎や電撃などの攻撃も、特段に霊力が付与されていなければ霊創にはなりえない(作中での設定)]


◇[註*色素胞・弾性小嚢だんせいしょうのう虹色素胞にじしきそほう=生物の色素細胞の一種。

 弾性小嚢とは色素が入った袋の事で、筋繊維によって支えられている。

 筋繊維が収縮すると弾性小嚢が広がって色が着き、筋繊維が弛緩すると弾性小嚢は縮んで色が抜ける。

 烏賊いかを例に挙げると、新鮮なほど黒色、褐色と色付いているが、鮮度が落ちるに従って白くなるのはこのため。

 虹色素胞とは、微小な板状構造の集まりを持つ皮膚細胞が光を反射して生まれる構造色の事。

 玉虫たまむしや蝶のはね、青魚の体表などがそうである]


◇[註*肉色尉にくしきじょう翁面おきなめん=老人や神を表現した面で、〖おきな〗と呼ばれる特別な演目にのみ使用される。

 他にも白色尉はくしきじょう黒色尉こくしきじょうなどの種類がある]


◇[註*媼面おうなめん=年老いた女性の面で、神の化身や老齢の巫女を表す。

 老女面ろうじょめんとは別物だが、演目によってはこちらの媼面を老女として使う場合もある]


◇[註*嘯吹面うそふきめん=口をすぼめて口笛を吹いている様を現した面で、昆虫(蚊)、植物、魚介類(蛸)、亡霊などに使われる狂言面。

 ユーモラスな造形は、ひょっとこ(潮吹しおふき面)の原型であるといわれる]


◇[註*三角絞さんかくじめ=松葉絡まつばがらみ、トライアングルチョークなどとも呼ばれる。

 相手の頸部と片腕を両脚で挟み、相手の頸動脈を絞める技。

 仕掛ける体勢によって幾つかの種類がある。

 作中で中将が〈ハイドラ頼子〉に掛けているのは、『肩絞かたじめ』と呼ばれる型]



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