ザ・グール・オブ・ザ・デッド Ⅱ Bルート その七
一九一九年七月 長野県重井沢 外吮山八合目
◇
瑠璃家宮からの君命が下り、作戦行動に移る臣下達。
当然〈トロル〉と〈
瑠璃家宮を囮にする為、弾丸の如く疾走する〈
行き先は弾薬などが入った
瑠璃家宮から返却されたコルトM1911を構えてはいるが、襲って来る〈
一直線に
多野 教授は帯電したまま〈トロル〉へと発砲を続ける。
瑠璃家宮の傍を離れるのが気が気でないのだろう。
彼の表情は明らかに引き
宮森は自身の
五発装填した所で
散弾を
更に散弾一つを装填して、合計六回分の射撃が可能となった。
瑠璃家宮はスプリングフィールドM1903を構えるも表情が冴えない。
〈トロル〉から貰った一撃が効いているのだ。
蔓触手目掛けて何とか射撃を試みたが、左上腕の負傷の為か反動を
これまで百発百中だった瑠璃家宮の撃ち漏らしを〈トロル〉との
残弾を撃ち尽くした上で、自身の
多野がサベージM1907の弾丸を撃ち尽くすと、〈
その間に多野は
宮森はウィンチェスターM1912を構え、味方を誤射しない位置へと移動。
その後〈
そのため瑠璃家宮へと襲い掛かった蔓触手は二本減少。
焦った〈トロル〉は、宮森にも注意を払わねばならなくなった。
宮森の行動が絶妙な
それを
うち一本を融解させた。
瑠璃家宮はそのまま射撃を続行したが、もう一本を撃ち漏らしてしまう。
撃ち漏らした蔓触手が、先程〈トロル〉に負傷させられた彼の左上腕へと再び突き刺さった。
「ぐああぁ……」
瑠璃家宮の腕に食い込んだ蔓触手が、膨張と収縮を繰り返す。
血液を吸っているのだ。
「グルルルルゥ……」
瑠璃家宮の血を吸い、偽茎の犬猿顔が不気味な唸り声を上げる。
「ギャギャッ、ギャババババァァ……」
その唸り声は他の偽茎にも伝染し、
怪物達の笑い声を耳にした多野と〈
今直ぐにでもお化け
瑠璃家宮の更なる負傷で勝ちを確信した〈トロル〉と〈
〈
まるで、
血を吸って調子がいいのか、破壊された〈
再生速度が上がっているのだ。
その御蔭で、宮森が吹っ飛ばした偽茎も今や元に戻りつつある。
一行も行動していない訳ではない。
多野と〈
宮森は再生を続ける〈
しかし〈トロル〉に銃弾は当たらず、散弾の破壊速度よりも〈
然も、放棄した筈だった本体の維管束をも再生させ始めた〈
宮森は〈
⦅凄い……。
〈
この山の栄養分を全て吸い尽くす勢いだ。
その栄養分を使って次々と組織を再生、拡張している。
一体どこまで成長すれば終わりが見えるんだ……⦆
戦場中心部の維管束も完全に修復し終えた〈
これで、〈トロル〉の動きを捉えられる事は完全に無くなった。
悪態の限りを尽くす〈トロル〉と繁栄の限りを尽くす〈
そんな奴らを見て呆然とする、多野、〈
だが、〈
「所詮は
余が血を吸われている間、なぜ臣下達が余を助けないのか考えもしない」
瑠璃家宮に馬鹿にされた事が理解できたのだろう。
〈トロル〉と〈
多野と〈
◇
ザ・グール・オブ・ザ・デッド Ⅱ Bルート その七 了
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