第4話

「私は、まだ子供だから、リリマルが、自由になるのは、まだまだ先になるわね。森の中で、孤独に生きるか、私と人の世界で、生きるか、選ぶといいわ」


「分かった。ノリちゃんと行くよ」


 リリマルは、ノリちゃんの影になりました。ノリちゃんは、無事に森から出ると、家に帰りました。


 リリマルは、いちど見たものを作る事が出来ました。

 家に帰ってから、あのウサギの耳以外にも、フクロウの目や、熊の爪、狼の牙、カモシカの足など作りました。


 おかげで、ノリちゃんが、森で、危険に合うことは、なくなりました。


 さらに、鳥の翼や、魚の尾ビレ。美味しい果物の実る木を作り出しました。


 ノリちゃんの家は、とても裕福になりました。


 月日は流れて、ノリちゃんは、とても美しく成長しました。まだ二十歳にもならないのに、遠くの町からも結婚の申し込みが、来るほどです。


 しかし、ノリちゃんが選んだのは、小学校から、ずっと一緒の光一くんでした。


 しかし、リリマルがノリちゃんを独占しようと、二人の仲を邪魔し始めました。


 ノリちゃんは、やめる様に言いましたが、リリマルは、光一くんの存在を許しませんでした。


 ついには、光一くんは、爪で引き裂かれ死んでしまいました。


 怒ったノリちゃんは、自分の部屋のカーテンを全ておろし、真っ暗な部屋にロウソクを三本たてました。ロウソクの向かい側には、鏡をたてました。


 ノリちゃんが、三つのロウソクの中心に立つと鏡に三人のノリちゃんが、映ります。


 同時にロウソクの火を消すと、鏡の中にリリマルは、吸い込まれていきました。


 三分割されたリリマルのいる鏡に、大急ぎで、布をかけ、外れないよう、ヒモで縛りました。


 全ての鏡を地下深く埋めて、大きな石をその上に置きました。

 石の上に、新しいピカピカの家を建て、誰にも掘り返す事が出来ない様にしました。


 リリマルが残した、いろいろな物は、たくさんのお金を産み出しました。

 

 おかげで、ノリちゃんは、一生、裕福に暮らしました。








 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

うさ耳ノリちゃん。 @ramia294

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る