第3話:白い総員の殺傷――世界最小の密室


 * *


 白い僧院はいかにして縮小されたか?


 * *


【残り1億5千匹】

 さぁーー始まったで~~! これから始まる大レース♪ いうやっちゃ。馬(並)ムスコから発射された俺は早速一位に飛び出した。せや、久々やのぉ、読者共! 俺やで。あ、今はただの語り手ちゃうでぇ~~、今回の俺は精子や。これから始まるんは、俺の最初の事件。即ち、受精をかけたサバイバルレースの始まりっちゅうやっちゃ!

 ほいたらよぉ、膣内やかたに放出された俺は、もう体感するがな。第一関門だいいちかんもんが、放出されたその時からあるんよぇーー。

 周囲が真っ赤で、ごっつあっつい、あっついねん。ごっついところに放出されたわー、ちゅぅこって、俺らは手を取り合って、あ、手ェ無いんやけど、とにかく卵子に向かって障害物競走の開始やでぇーーしかしぃ!

 あ、読者共に例のアレ、せやせや、俺らがおる館の見取り図っちゅぅーやつを示しとくわ。誰があたおかやねん! しかし見取り図の漫才はええのぉ、伏線回収が見事や。違う見取り図やないかい! って誰が看取りーズやねん! どーでもええか? 滑っとるわな。うんうん、どーでもええわで、読者よ。


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 んで、まぁ、これが俺らが泳ぎよる館の平面図や。赤印がゴール。シカゴブルズのマークとちゃうでぇ、ってバッファロー吾郎のマニアックネタ誰が知っとるねん。まぁ、ほんなこって、俺らが今おるんは一番下の入り口やわ。

 そんな中や、俺らが文字通り、一生懸命頑張りよる中、のんきに歌を唄いよる何者かがおるがな。


 『ちゅ、多様精。』。


 多いに~~ レース勝てない♪

 Oh、Why、me(オーワイミー) 濃くて飲めない♪

 大きいの 亀の頭を挿入して♪

 股ゾーン くぱぁ開いて♪

 Sperma(スパァー) to(トゥ) zoa(ゾア) イカクサの味♪

 ウェーービ反り 腰をフリフリ、ハイ 放出♪


 膣の奥で ビクンビクン♪

 先から ドクンドクン♪

 芯臓しんぞうごと 奥の方で出してみせてよ♪

 気持ちいいね アソコ黒いけど♪

 やっぱどこか グロいけど♪

 このまま腹上するまで 振りましょ♪


 反って、

 Set on! Set on! セク中ー♪

 Set on! Set on! セク中ー♪

 熱く、とろけるくらいに溢れるて 膣内なかに♪

 溜まらないでしょ♪

 Set on! Set on! セク中ー♪

 Set on! Set on! セク中ー♪

 ヘコヘコ 交配に もーマン体♪

 急く セク中♪


 

 だだだだ、誰や! こんんのぉ~~、糞味噌馬鹿タレ! あのちゃんに殺されるやろがぁ~~。チェンソーで! なぁにぃ? あのちゃんの替え歌と見せかけて粗品の替え歌やとぉ~~、どっちにも謝っとけボケェカスアホンダラァ!

 ほんまに申し訳ありません。削除せぇいうんやったらすぐしますよってに。

 まぁほんな、気持ちよく気持ちええ歌を唄いよる、、精物の方見たがな。まぁ、精子やから俺と変わらん見た目なんやけど、今は競争中や。ほいたらそいつが声をかけてきた。

「おじいちゃん、約十年ぶりでつね」

「だ、誰やねん、おんどれ!」

「ふふふん、私でつ! フェル子でつ!」

「なななな、なんでおんどれがここにおんねん!」

 語尾がムカつく糞娘……いや待てぇい、こいつは――。

「そうでつ、今は私も同じ精子でつよぉ~~」

 がぁぁ! まさか、まさかやで。・俺=語り手最初の事件である、この物語でも、精子化されたコイツと出会うとは!

「ふふん、今はおじいちゃんとは同じ卵子ゴールを目指す仲間であり、ライバルでつよぉ~~」


(つづく)。

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謎解け!フェル子さん 光田寿 @mitsuda

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