世界的人気ロックバンドとなったZee Deveelのルカとテディを中心に綴られるシリーズ最新作。
過酷な運命に見舞われながらもその都度たくましく乗り越えてきた美貌のふたり。
今回は諍いの末にテディが舞台から転落し記憶を失くしてしまいます。そこにもう一つの家族の運命が絡まって――。
洪水に揺れるプラハを舞台に、錯綜する人物たちの想いと行動がリアリティをもって語られます。それを支えるのは綿密な調査に裏付けられた舞台の描写。料理、街並み、小道具の数々。
真実を受け容れること、ありのままの相手を認めること。秘めるべきか、隠さずさらけ出すのか。なにが正しいのか軽々しく断じることはできませんが、ひとつ言えるのは、試練を前にしてこそ愛が試されるということかもしれません。
物語はいよいよ佳境に入ってきました。たしかな文章で綴られる本格ドラマをお楽しみください。