君に大罪の名を。

哀しむ。

ただ、悲しむ。


1人の少女は呟いた。


『生きる意味は?』


一人の少女は想った。


勇者…』


すでに、すでに解決している問と答を繰り返す。

王や神などと言う立場から目を背け、同じ場所あの世へ行ける人間へ嫉妬し、懺悔する。


何とも表し難い感情を抱き抱え、涙を流す。


そのどす黒く、純粋な感情は神をも殺す。



ああ。なぜ私は死ねないのだ。


…わかっている。

私は神じゃない。一人の少女なんだ。


温床でぬくぬく育った奴らとは違い、冷えた目で刺されて生きてきたから。

大切な友人を奪われ、嘲笑われたから。


復讐するには十分だったじゃないか。

支離滅裂?知らない。


私の感情に口を出すな。


うるさい!!!!!!!!!





うるさい!!!!やめろ!!!!!!!



























うるさい。



「ごめんね。」



鈴のような声がした。

自分の心の声ではない。

落ち着く。優しい。声。

一体…なに…。



「あ…」



勝てない。


そう錯覚した。



錯覚じゃない。


勝てないんだ。


いくら、私が最強の存在だったとしても。


コイツには。絶対に。




殺す逃げなきゃ


なぜ、我以外の生命が存在するのだ早く、逃げなきゃ


転──?──さ─い──す──!!なんで、からだがうごかない


  にげなきゃ



  にげなきゃ



逃げなきゃ。




───────────────


なんで。


戦ってるの?

なんで彼女は、私を殺さずに全て受け止めてるの?


なんで?


なん…で?



っ!?

『どう…して…?』


温かい。

背中に…違和感が…。

なん…ぇ…あ…ぁ…ぅあ……



─しよし…辛かったね…──


ぅぁ…あ


『もう、大丈夫だよ。大丈夫。ボク達に任せて。』


ぁ…ぁ…



瞬間、身体から何かが抜け落ちた感覚が私を襲った。

温かい、私を抱擁している者とはまた別の何かを感じる。

眠くなる。暖かい。


友達を思い出す暖かさだ。


眠い。


眠い…。


あぁ…眠…い…。



───────────────────────



んぅ…

ん…ここ…は……。


「ん、おはようございます。よく眠れましたか?」


っ!?


「だ…れ…!?」


「あ〜…名前は…とりあえず後でいいでしょう。ひとまず、現状把握をした方がよろしいかと…。」


…だれ…えっなにこのひと…ひと…ひと!?ひとじゃない!???

えっ…と…獣人…??いや…半人半獣…?いやでも…精霊の匂いが…んんんっ…????


いや、とりあえず自分のことを…


「ぁ…え…?」


なんもわかんない…?

いや、わかんない事はないんだけど…んんん…?

なんか…違和感が…。


「気が付きましたか?」


「…この違和感のことを言っているのであれば、気が付きました。」


これは…なんなんだろう…?


「…その違和感は、以前の貴方の黒い感情の部分です。」


「…黒い…感情…?」


「黒い感情というのは…いえ、これも後にしましょう。まずは皆様の元へ行きましょうか。」


「はい…ん?」


え?皆様??????


───────────────────────


「ようこそぼくのおうちへ〜!!!」


…??????????


「あっ…んんん…???どうも…????」


「まずは自己紹介しよっか〜!」


…??????????

何この人???なにここ????広くね???

えっいや…え????


「まずは〜…起きてから1番初めに目を合わせたリルちゃんから時計回りでいこー!」


りる…???


ハァ…七大罪【SiDS】の憤怒を名を冠しております。フェンリル・ヘルハウンドと申します。以後、お見知り置きを。」


ため息ついたね…?にしても、フェンリル・ヘルハウンド…やっぱり精霊…あとヘルハウンドって…


「七大罪【SiDS】の暴食。ショグす・トェクルり。ショゴスって呼ばれてるよ。よろしくね。」


…なんつった???しょぐ…???しょごす…んん…?


「七大罪【SiDS】のお色気担当!色欲のラステルちゃんだ〜ぞっ!君かわいいね!LI○Eやってる!?家まで送ろっか!?」


えっ。ナンパされてる?お色気担当どこいった??


「七大罪【SiDS】の傲慢の座を授かっております。適当に、傲慢とでもお呼びください。」


…紳士っぽいけど…名前は…?傲慢さん…?


「七大罪【SiDS】の強欲です。金銀財宝あったら教えてください。飛びつきます。あ、アラルです。」


ほんとに強欲なんだ…。


「…怠惰。ベルフ。よろ。」


ほんとに怠惰だ…。この2人似てるな…。いや似てないけど…。


「七大罪【SiDS】創設者であり、全世界の神、魔王のうさぎさん!まおーさまだぞー!」


まおーさま…威厳は…?

ってか全世界の神…?んん…?ってか名前は…?


「あ、名前はノイアさんだぞ〜!」


名前だ…


「最後は君だけだよ!ほら!胸張って!!がんばってー!」


…騒がしい人だ…。


「…えっ…と…絶望の王って言われてました…昔、友人が人間によって自殺して復讐心から世界を滅ぼしました…。えっと…名前は…フェアルストっていいます…よろしくお願い…します…?」


「よくできました!にしても、世界滅ぼしちゃったんだね〜!わかる…わかるよ〜…。ボクも60億年くらい前に1回滅ぼしちゃったんだよね…この世界…。」



…?

今すごいこと言わなかった…?

世界滅ぼしたとか…60億年前とか…え?


いや、世界滅ぼしたはまだ分かるよ。私もやったし。

いやでも…でも!!60億年…???


「…今何歳…なんです…?」


「ん〜…何歳だろう?100億越えてから数えてないな〜!」


「あぁ…そう…ですか…。」


思ったより…規格外だ…。




「ところで…」


…ん?

「はい…?」


「今、嫉妬の座が空いてるんだよね!」



…え?…もしかして…。

「…ひぇ」


「その目は肯定とみなすよ〜!」


!?やめてっっっ!!にやっとしないで!!!


「こほんっ…では、君には嫉妬の名を授ける。」


いやーっ!!なんでーっ!!

やられたーっ!してやられたーっ!!!


…でも…これで良かったのかな…。

友は、私に幸せになるように願ってた。

…ならば…。



「君に、大罪の名を。」


「その名、承りました。」






存分に楽しんでやろうじゃないか。嫉妬の座をさ。




───────────────────────


【あとがき】

さくしゃです。

絶望の王 ~完~ッ!!

世界の殺された人達はのいあちゃんが勇者以外を全て転生へさせました!やったね○○ちゃん!みんな幸せになれるよ!《おいバカやめろ》

勇者については後日談になりますが、絶望の王ちゃんが何とかします。続きを作るかは分からないですが、作る可能性は高いです。お楽しみに…。


なぜ嫉妬ちゃんは殺した人々について何も思っていないの?ってのに関してですが、そもそも心が壊れきっているので仕方ないです。一種の狂気状態(生物の死などに対する感情が欠落してしまった)に陥っていると思ってくれると!


ではまたメリーさんあたりでお会いしましょう!では!!!

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絶望の王【完結済…?】 朝霧 命/みている。@休止中 @nowarian

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