未来




「母上、それで鉄仙様はどうなったの?」

「楼様と共に埋められ、そこには美しい花が咲いたそうよ」

「花?」

「そう、花。美しく、気高く、それでも誰も近づけないような硬い蔓を持った花」

「その花、どこにあるの?」

「どうでしょうね、もう何万年も前の言い伝えだからね……。でも鉄仙様はきっと、まだそこで眠っているんでしょうね」

「そうなんだ……」

「鉄仙の花の花言葉を知ってる?」

「知らない。どんなの?」


「──高潔と、甘い束縛」




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鉄仙の花が咲いた日に 九良川文蔵 @bunzou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る