第8話渋々水着選びに
数日後、三ケ野から海に遊びに行く日時と人数を知らされた。
ウチと三ケ野、結菜と何人かでということになった。
三ケ野と二人でというのは無理と話したところ、結菜に声を掛けて快く引き受けてくれたという。
海に遊びに行く二日前に三ケ野から連絡がきて、水着を買いに行こうと誘われ、渋々三ケ野と水着を買いに行くことに。
「どうどう~似合うかなぁ、加瀬さん?」
「どうって言われても......三ケ野さんが好きなのを買えば──」
三ケ野が身体の前に水着を持ち、感想を訊ねてきた。
「えぇ~!加瀬さんの好みが知りたいのぅ~どう?」
「......に、似合ってる、と思う、けど......」
「好きじゃないかぁ~じゃあ、どれが良い?」
顔を近付け、粘り続けながら訊ねてくる彼女。
「そう言われても......えっと、じゃあ──」
困惑しながら、パステルカラーのビキニを指差した。
「わかったぁ!じゃあ、これにするよ」
上機嫌になり、ハンガーに掛かるパステルカラーのビキニを手に取り、レジへと駆け出した彼女。
ふぅー、とため息を漏らしたウチだった。
気怠げ加瀬ちゃんは、百合を求められる 闇野ゆかい @kouyann
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