第7話強行手段に思わず降参

数週間が経過し、夏休みに突入し、8月中旬に差し掛かったある日。

ウチは三ケ野に遊びに来てよと誘われ、三ケ野家を訪れた。

夏とは思えないほどの涼しい風が吹いており、過ごしやすい日だった。


扇風機やエアコンをつけずとも室内には網戸を通り抜けた涼しい風で多少ではあるが薄い上着を羽織りたいと思った。

パリパリッと音をたてながら美味しそうにポテチを頬張る三ケ野に視線をやるが、彼女は気にも止めないで、ポテチに手を伸ばしている。


テレビゲームを終了し、脚が低い楕円形の小さなテーブルの上に並べられたお菓子やスイーツに手をつけていたウチ達、二人。

「海なんてどうかな?二人で行こうよぅ~っ!ねぇ~加瀬さん、良いでしょっ!」

足を崩して隣に座る彼女が肩を揺すりながら、提案をしてきた。

「日焼けするから嫌なんだけど......それに、三ケ野さんといると絡まれそうだし」

ひとさし指で頬を掻きながら、返答した。

「えぇ~っ!夏と言ったら海じゃん、涼みに行くんだから良いじゃんってぇ~!」

不満だというように頬を膨らませ、強引に押し倒してきた。

「こうなったら強行手段だぁ~っっ!」

叫びながら、Tシャツの中に手を突っ込んできて、指先で腹をゆっくり撫で回してきた。

ウチの弱点を攻めてきた彼女にひゃあ、あぁんっ、うぅんっ!と喘ぐことしかできないでいた。


結局、降参して彼女に従うことになった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る