第20話 源氏合戦 その4
【源氏VS平家 一ノ谷~壇之浦】
義仲に勝利し平家は勢力を取り戻しつつあり、中国、四国、九州を支配するようになっていました。
そして、徐々に勢力を京都まで伸ばし、兵庫県神戸市まで領土を広げていたのです。
一方、京都では……
後白河上皇「平家から三種の神器と安徳天皇を取り返してくれ!」
義経「わかりました!」
義仲に代わって、義経が『安徳天皇救出&三種の神器奪還』を任命されました。
こうして義経が京都から出兵しますが、なぜか後白河上皇もついてきました。
後白河上皇は何を考えているのでしょうか?
平家軍は大阪と神戸の境にある『一ノ谷』に集まって防御を固めていました。
これを崩さないと進軍出来ませんが、いきなり攻めるのではなく……
後白河上皇「平家の皆さん、もうずっと争ってるじゃないですか。これ書いてる人も色々割愛してるのに、源平合戦だけで1万文字も使ってるんですよ! そろそろ、仲直りしませんか?」
なんだかメタい事を言っていますが、後白河上皇は平家に和平交渉を持ちかけました。
勿論、平家を油断させる嘘なんですけどね。
平家軍「まあ、そっちがそう言うなら、考えるよ。(和平交渉してくるって事は、もう戦う気がないって事かな?)」
こうして戦う意思がない事を示して、油断させた次の日……
義経「突撃ー!」
平家軍「仲直りしようとか言って、攻撃してるやないかい!!!」
こうして『一ノ谷の戦い』が発生します。
源氏軍「オラオラオラー!!!」
平家軍「無駄無駄無駄ッー!!!」
源氏軍が攻めますが、力を取り戻した平家軍も一歩も引きません。
源氏軍、苦戦していますね……おや、大将の義経がいませんね。
どこにいったのでしょうか? 義経は近くの谷の上に立って、戦を眺めています! 一体何を考えているのでしょうか!?
義経「平家軍! 覚悟しろ!」
なんと義経は馬で崖を駆け降りて、平家軍に奇襲を仕掛けたのです。
平家軍「ええ!? そっちからくるの!?」
まさか崖を駆け降りてくるなんて思っていなかった平家軍は大混乱に陥ります。
コンバット越○も思わず「上から来るぞ! 気を付けろ!」と言ってしまいそうな、奇襲攻撃ですね。
義経が行ったこの奇襲攻撃は、『
あとコンバット○前がわからない人は、『デスクリムゾン クソゲー』でググってくださいw
こうして、平家軍の混乱に乗じた、源氏軍は勢いが増し、一気にたたみかけます。
宗盛「くっそ、もうダメだ! 覚えてろよ!」
平家軍のリーダーは頼りない宗盛です。
平家軍の負けを悟った宗盛は、三種の神器を持ち、安徳天皇を連れて逃げていきました。
こうして一ノ谷の戦いで義経は、平家軍に痛手を負わせる事ができたものの、三種の神器と安徳天皇を取り戻す事は出来なかったのです。
【屋島の戦い】
平家は屋島(現在の香川県)という島を本拠地にしていました。
そこには安徳天皇が住む宮殿まで作り、周辺諸国から貢ぎ物をもらったりしていて、まるで独立国家のようになっていました。
一ノ谷の戦いから一年後のある日……
後白河上皇「そろそろ仲直りしない? あと安徳天皇と三種の神器を返して」
このように和睦の打診がありましたが、前回平家軍は後白河上皇に騙されているので……
宗盛「仲直りするわけないだろ!」
当然、拒絶されました。
天皇即位の儀式は三種の神器が全部揃っていないといけないのですが……
後白河上皇「仕方ない。三種の神器なしで、天皇即位の儀式しようか……」
こうして、三種の神器がないまま、後鳥羽天皇が即位しました。
この時日本には京都と香川にそれぞれ、違う天皇がいたんですね。
さて、義仲を倒した『水島の戦い』を見ればわかるのですが、平家軍は水軍を持っていて海上戦が得意でした。
一方、源氏軍は水軍どころか船を持っていません。
なので海を渡り、本拠地を攻撃する事が出来なかったのです。
そこで義経は各地の水軍に協力を呼び掛けて、熊野(和歌山県南部)の水軍、伊予国(愛媛県)の水軍、摂津国(兵庫県)の水軍を味方につけ、平家を攻撃する事にしたのです。
そしていざ出航! となった時、台風が直撃しました。当然、義経は出航を見合わせると思いきや……
義経「平家を攻めるなら今しかない! 行くぞ!」
水軍「ダメだって、義経さん! 台風が来てて危ないっすよ!」
義経「台風なんて関係ない! 行くぞ!」
水軍「だから、危ないって!」
義経「進め! 突撃ー!」
なんと台風が来てるのに無理矢理出航したのです。
そして暴風雨の中を突っ切り、一旦徳島に上陸し陸路を渡り、義経は香川県に入りました。
しかし、屋島は四国本島から離れた島にあります。船を捨て陸路を渡ってきた義経は、どうやって攻め込むのでしょうか?
義経「引き潮になったら、馬でも渡れるんじゃない?」
なんと源氏軍は馬で屋島へと渡ったのです。
一方平家軍はというと……
平家軍「敵が来るなら海の方向に違いない。まさか馬で海を渡ってくる事はないだろう」
このように、海側に注意して、陸側は気を払っていなかったのです。
まさか義経が馬で海を渡ってると、知らない平家軍は源氏軍の奇襲に……
平家軍「ええ! そっちから来るの!? ヤバイ! ヤバイ!」
大混乱におちいってしまいました。
しかし嵐の中を突っ切ってきた義経の軍は少なく、平家の出鼻をくじいたものの、戦力差で簡単に決着はつきませんでした。
そして夕方になり、両軍休戦状態になりました。おや? 平家軍の船から美女が出てきましたね。そして扇を見せています。
美女「この扇を射抜けるものなら、射抜いてみなさいよ」
どうやら、源氏軍を挑発しているようです。
そこへ颯爽と現れたのは、源氏軍一の弓の名手『
与一「あの扇、射抜いてみせる!」
なんと! 与一が放った矢は見事に扇に命中したのです。これが有名な『扇の的』という場面で、レクレーションみたいものですね。
扇の的以降も戦いは続きますが、源氏軍は少ない戦力ながらも奮闘します。
そこへ源氏軍の大軍が到着しました。
今度こそ、平家を倒し、三種の神器と安徳天皇を取り返せるのでしょうか!?
宗盛「くっそ、もうダメだ! 覚えてろよ!」
あらら、また平家軍のリーダーである宗盛に逃げられ、三種の神器と安徳天皇を取り返す事が出来ませんでした。
源氏VS平家の戦いは、まだまだ続きます。
【平家の最後 壇之浦の戦い】
本拠地にしていた屋島を攻撃され、逃げ出した平家軍はどんどん西に逃げて、ついに本州と九州のあいだにある、山口県の『壇之浦』にたどり着きました。
もちろん義経率いる源氏軍は、容赦なく迫ってきます。
そしてこの壇之浦で長きにわたる、源氏VS平家軍の戦いが終わります。
義経「オラオラオラー!!!」
宗盛「無駄無駄無駄ッー!!!」
義経と宗盛は、お互い船に乗って海上戦をくりげていますね。
しかし、ここは海の上。水軍を持っていた平家は海上戦を得意としていました。
対して源氏軍は前回の屋島の戦いで、ようやく水軍を導入したばかりです。
海の上は相手のホームグラウンドのようなもので、義経は思うように戦いを進められません。
義経「オラー!」
不利な状況にも関わらず、義経率いる源氏軍は攻めます。しかし……
宗盛「海の上で俺たちに勝てると思っていたのかー! 無駄なんだよぉ! 無駄無駄無駄ッ!」
義経「なに!? 攻撃がかわされた!」
海上戦に慣れた平家軍は潮流をよみ、戦闘を有利に進めたのです。
危うし! 源氏軍、ここに来て負けてしまうのでしょうか!?
義経「くっそー、このままじゃやられてしまう! 撤退だ!」
なんと! 戦況が悪化した源氏軍は逃げ出したのです。
しかし、潮の流れは源氏軍の進行方向とは、逆を向いていました。これでは、船を進める事が出来ません。
義経「くっそー! 潮流が逆を向いてるから、思うように船を動かせない……待てよ。という事は潮は平家軍の方へ流れているのか! これはチャンスだ!」
さすが戦の天才義経です。不利な状況にも関わらず、逆転の方法を思い付きました。
源氏軍は平家軍の方向に流れている潮にのって、一気に攻め込んだのです!
義経「平家ども! 覚悟しろ! オラー!」
宗盛「ちょっと、待って、ぎゃああああああ!」
源氏軍の猛攻によって、平家軍は壊滅状態になりました。
平家軍のリーダーである宗盛は捕らえられ、敗北が決まった平家一族は次々と入水していったのです。
【平家と共に消失した神剣】
平家軍の敗北が決まり、残された一族が次々と海に飛び込んでいくその中には、安徳天皇を乗せた船もありました。
安徳天皇は平家と源氏の戦いに巻き込まれた、悲劇の天皇といえます。しかもこの時、まだ6歳という幼さでした。
安徳天皇「お祖母ちゃん。ぼくたち、これからどうなるの?」
あどけない表情で、側にいた平時子(清盛の妻)に聞きました。
時子「天皇、海の底には竜宮城があります。そこへ行きましょう」
安徳天皇「竜宮城があるの!? ぼく、見てみたい」
こうして時子は幼い安徳天皇と、三種の神器を持ち、海に飛び込んだのです。
そう、平家が滅びると共に、三種の神器は海に沈んでしまったのです。
そして……
源氏軍「あったぞ! 三種の神器だ!」
幸いにも鏡と勾玉は木箱に入っていたので、海面を漂っていたところ源氏軍によって、回収されました。
しかし、草薙の剣だけは、どれだけ探しても見つからなかったのです。
こうして治烝、寿永の乱、通称源平合戦は終わるのです。
さて、失われた草薙の剣ですが、こちらに詳しく書いてあるので、よかったら読んでみてください。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893517248/episodes/1177354054893698696
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