第19話 源平合戦 その3

【平家逃亡!】


 頼朝が鎌倉に留まっている一方で……


義仲「俺が平家を潰してやるぜ! ひゃはー!」


 頼朝の従兄弟、源義仲が平家の本拠地である京都を目指して進軍していました。

 そして、あの有名な『倶利伽羅峠くりからとうげの戦い』が起きます。


 ある夜、進行していた平家軍に向かって……


義仲「汚物は消毒だ! ひゃはー!」


 なんと義仲は突如奇襲をしかけたのです。


平家軍「やべ! 義仲の奇襲だ! 逃げろー!」


 突然の攻撃に驚いた平家軍は退却しようとしますが……


平家軍「げげ! こっちからも敵がきたー!」


 義仲は別の部隊を先回りさせており、はさみうちにしたのです。


平家軍「うわー、ダメだ! 今度は向こうに逃げろ!」


 義仲軍に翻弄される平家軍ですが、なんと逃げた先は断崖絶壁だったのです。


 夜だから暗くてわからなかったのでしょう。


 平家軍は次々と谷底に転落していき、平家軍は多くの兵士を失うという大打撃をうけました。


 倶利伽羅峠の戦いは平家と源氏の立場を逆転させた戦いといえます。


 戦いに勝ち勢いにのった義仲はどんどん京都に進軍していき……


義仲「オラオラ、宗盛! 平家を全員残らずぶっ潰してやる!」


宗盛「ひ、ひいいいい! 義仲だ! 逃げろ!」


 多くの兵士を失った平家が、義仲に対抗できる筈もありません。


 しかもリーダーはあの頼りない宗盛だったので、平家はスタコラサッサと京都から逃げていきました。


 しかし宗盛が率いる平家は、ただ京都から出ていったわけじゃありません。


 なんと、天皇家の権力の象徴である三種の神器を持ち、幼い安徳天皇を連れて逃げ出したのです。


 平家が権力に執着していたのがわかるエピソードですね。


 嫌われ者の平家を京都から追い出した義仲は、一躍ヒーローとなりました。

 そのバズっりぷりは凄まじく、現代だったらトップYouTuberのヒ○キンさん並に、Twitterのフォロワーが爆増した事でしょうw


後白河上皇「よくやった義仲! これらの京都はお前に頼む」


義仲「ふはははは! この私にお任せください!」


 しかし事は上手く運びません。


 この時、京都は飢饉の真っ最中でした。食料が少ない中、大勢の義仲軍が滞在したため……


義仲軍「腹へったなー、おい、お前、食い物よこせ!」


民衆「そ、そんな、これは、子供に食べさせるものなんです。勘弁してください!」


義仲軍「うるさい! 俺の物は俺の物! お前の物も俺の物だ!」


民衆「ひいいい! ジャ○アンだーーーー!」


 こんな感じで、義仲軍は略奪を行い、むしろ都の治安は悪化していきます。


 そして爆上がりした人気も急降下してしまいます。

 炎上して、人気が一気に低迷するのYouTuberに似ていますねw


後白河上皇「義仲はやっぱりダメだ。頼朝に任せた方がいいかもねー」


 こうして義仲と後白河上皇の間に溝が出来ていった反面、頼朝の期待が高まっていきました。



【源氏VS源氏の戦い】


 頼朝は鎌倉に滞在し、義仲が京都で悪戦苦闘している間、逃げていった平家は体勢を整えていました。


 そう源氏に反撃する準備をしていたのです。


後白河上皇「義仲! もう京都の事はいいから、いい加減平家を倒しにいけ!」


義仲「わかりました! 必ずや平家を滅ぼしてやります」


 後白河上皇は義仲に平家討伐の命令を出しました。


義仲「いくぞお前らー!」


義仲軍「おおお!」


 こうして京都から義仲がいなくなると……


後白河上皇「もしもし、頼朝? あのさー、義仲の事なんだけどねー。あいつ使えないから、倒してくれる」


頼朝「わかりました。この頼朝、必ずや義仲を倒してみせましょう!」


 この時代に電話はありませんが、なんと後白河上皇は義仲がいなくなった隙に、頼朝に義仲討伐の命令を出していたのです。


頼朝「よっしゃ! ついに義仲を倒す大義名分が出来たぞ!」


 それにして頼朝は義仲を倒す事にノリノリですね、従兄弟なのに何故でしょうか?


 実は義仲の父は、頼朝の兄に殺されていたのです。


 つまり義仲にとって頼朝は仇の弟であり、頼朝にとって義仲はいつ反乱を起こしてもおかしくない恐ろしい存在だったのです。


 頼朝としては不安の芽は早めに摘み取っておきたかったのですが、今は源氏VS平家の戦いの真っ最中なので、義仲とは取り合えず和睦していたのです。

 

頼朝「義経、義仲を倒しに行ってこい!」


義経「兄さん、僕に任せてください」


 義仲を倒すために義経が出陣します。こうして源平合戦の最中『源氏VS源氏』の戦いが始まるのです。


 自分への討伐命令が下ってる事を知らない義仲は平軍と戦いますが……


義仲「うおおお! 突撃ー!」


平家軍「そんな、お前達の攻撃なんて、当たらないぜ!」


 なんと平家軍は船の上から弓矢で一斉射撃したのです。


 平家は海戦に慣れた水軍を持っていました。


 一方、義仲は水軍はもっていないので、苦戦を強いられます。


義仲「ぐわあああああああ! しかし、まだまだ!」


 不利になった義仲ですが、タフな源氏のサムライなので、簡単にはやられません。


 しかし、ここで恐ろしい現象が、義仲軍を襲いました。


義仲軍「あれ? 急に暗くなってきたな……あれ!? 太陽が消えていく。こわいよー」


 なんと戦闘中に日食が発生し、周囲は夜のように暗くなっていき、義仲軍は恐怖で士気がさがていきました。


 一方、平家軍ですが……


平家軍「くっくっく、予想とおりだぜ!」


 なんと日食が起きても、不敵に笑っていたのです。


 というのも、平家は京都にいた時、暦を作る仕事をしていました。


 なので、この日に日食が起こる事と予測していたと言われています。


 こうして不利になった義仲は岡山県で起きた『水島の戦い』にて、まさかの敗北。


 義仲は命を落とさなかったものの……


「義仲さん、大変です。後白河上皇が義仲さんの討伐命令を出しました」


義仲「ええ! 嘘ー! (´Д`|||) 」


 平家に負けるたうえに、知らない間に討伐命令が出ていた義仲は、慌てて京都に戻る事にしました。


 まあ、飢饉で食料が少ないとはいえ略奪行為なんてするから、こんな事になるんですけどね。


義仲「後白河上皇! なんで、俺の討伐命令を頼朝に出すんですか!?」


 京都に戻ってきた義仲は、後白河上皇に抗議しますが……


後白河上皇「お前が京都の治安を乱すからだろ! いいから、さっさと平家を倒して来いよ!」


義仲「ぐぬぬぬ!」


後白河上皇「これ以上、京都にいると反乱とみなして、俺がお前を捕まえるぞ!」


 後白河上皇はこのように、厳しい最終通告をしました。


 平家にも朝廷にも追い詰められた義仲は、一体どうするのでしょうか?


義仲「し、しまっちゃう……」


後白河上皇「なに!?」


義仲「じゃ、邪魔な上皇は、しまっちゃうぞー!」


後白河上皇「い、いやー!」


 なんと、義仲は後白河上皇を幽閉して、政権を握ろうとしたのです。

 それにしても、後白河上皇はよく幽閉(しまわれる)上皇ですね。

 後白河上皇=幽閉される人と覚えるといいかもしれませんw


義仲「俺を征夷大将軍に任命しろ!」


後白河上皇「くっそ、嫌だけど、しまわれている俺じゃ義仲に手も足もでない! ここは言うことを聞くしかない!」


 源氏の征夷大将軍といえば源頼朝が有名ですが、先に義仲がなっていたんですね。


 義仲が無理矢理、征夷大将軍になったところに義経が到着しました。


義経「義仲、これ以上、お前の好きにはさせない!」


義仲「うるさい! 俺は征夷大将軍だぞ! お前なんか怖くない! ぶっ潰してやるー! ひゃっはー!」


 こうして、義経V義仲の戦い『宇治川の戦い』が勃発します。


 しかし、義仲がいくら征夷大将軍に任命されているからといって、それは強引に任命させたものです。


 それに水島の戦いにて平家に負けたばかりで力は弱っており、兵隊も味方も義仲を見捨ててどんどん離脱していきました。なので……


義仲「義仲キック!」


義経「えっ? 攻撃したの?」


義仲「全然効いてない!?」


義経「えい!」


義仲「あべしー!」


 圧倒的な戦力差で義仲はあっさりやられてしまいました。

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