第4話 ボンヤリしている古墳時代!

【空白の4世紀に突入!】

 先程まで私達がいた邪馬台国ですが、その後どうなったのかわかりません。


 卑弥呼の死後は男の王様が国を統治するのですが、上手くいかず卑弥呼の娘と呼ばれる台与いよが新たに女王として即位したところまではわかっています。


 しかし、唯一記録を残してれていた魏との交流が途絶えたので、邪馬台国は滅んだのか大和朝廷になったのかはわかりません。

 西暦266年~413年にかけて、日本では何が起きていたのか急にわからなくなるので『空白の4世紀』と言われています。


 日本史の漫画を読んでいたら、邪馬台国を過ぎた時点で、急に白紙のページになるみたいですね。

 こんな本を発売したらクレーム必死で、SNSで叩かれまくるに違いありませんw

 

 邪馬台国のお話は記録を残す大切さがわかりますね。新社会人の皆、就職したらちゃんとメモはとるんだぞ!


 さて日本は空白の時代に突入するわけですが、古代遺跡を調べればある程度の事はわかります。

 相変わらず小さな国が乱立していて、それぞれの国が好き勝手やっているまとまりがない状態が続いています。

 しかも宗教観はバラバラで、自分の国が祭っている神様が最高神だと主張し合っていました。

 各地に“俺が考えた最強の神様”がたくさんいる状態だったんですね。



【古墳がなぜ重要なのか?】

 弥生時代はずーとカオスな状態でしたが、西暦300年ごろになると人々は『古墳』というお墓を作り始めたので、時代は古墳時代へと変わっていきます。


 古墳に埋葬されるのは各地の豪族の首領となる人物です。つまり、ある程度地位の高い権力者ですね。

 最初は関西を中心にか作られていた古墳ですが、やがて全国に広がっていき、規模も300メートル近い大きな物が作られるようになりました。


 私は小学生の頃、歴史の授業で古墳という名前を聞いて、小さなう○こと勘違いした事は置いておきましょう。


 さて古墳が何を物語っているのかと言うと『同じ埋葬形式で同じお墓を作っていた。つまり、当時の人々に共通意識があった』という事ですね。


 小国が乱立していたカオスな状態から国々はまとまり始め、連合国家が現れた証拠でもあり、連合国を束ねる『強力な権力を持った政治組織』が存在した事も表しています。


 この『強力な権力をもった政治組織』こそ、現在の皇室の祖先となる『大和朝廷』だと考えられる訳です。


 さらに時代を進めて西暦400年ごろ、古墳の建築は全国に広がっていきました。これは大和朝廷が全国統一を果たした証拠でもあります。


 このように古墳を調べる事で、『天皇を中心とする日本』が建国された大体の時期がわかるのです。


 千年以上前に国が誕生して、一度も滅びる事もなく現代まで続くというのは、世界的にも例がありません。


 しかし、文字がなく記録を残していなかったので、『いつ、誰が、どうやって大和朝廷を立ち上げたのか』がわかりません。


「あれれ? 初代天皇は神武天皇だから、大和朝廷を立ち上げた人はわかってるじゃん!」と言う人もいるかもしれません。

 

 確かに初代天皇は神武天皇で、大和朝廷を立ち上げたことになっています。


 しかしッ! 神武天皇のお話は、あくまでも日本神話の中での出来事であって、実在した証拠はありません。

 

 神武天皇に関しては、こちらをご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054922097870/episodes/1177354054934487502


 これにて、第一章『原初日本編』は終わりますが、“文字を使っていなかった”という理由で、日本という国の生い立ちは、とてもボンヤリしているのがわかってくれたかと思います。


 それでは、次回から第二章『飛鳥時代編』がスタートします!

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