第3話 どうして邪馬台国は謎が多いのか!?
【邪馬台国論争は何故生まれたのか?】
皆さん、辺りを見渡して下さい。辺り一面青い海です。
私たちは今、太平洋を漂っています。
えっ!? 邪馬台国に向かっていたんじゃないのか? ですって……
そうですよ。
私たちは魏志倭人伝に書いてある道順で、邪馬台国に向かっていたら日本を突き抜けて海の上に、出てしまいました!
どうやら魏志倭人伝に書いてあった邪馬台国の位置というのは、間違いだったようですね。
一旦陸地に戻りましょう!
さあ、皆さん魏志倭人伝の誤りを身をもって体験したところで、お話していきます。
邪馬台国は西暦200~300年頃、弥生時代の日本の中にたくさん存在した国の一つです。
文字を使っていなかった古代日本人ですが、邪馬台国は中国にあった
だから当時の人々の生活と、邪馬台国は卑弥呼が統治してた事がわかっているのです。
しかし問題なのは場所の記述です。
私たちが魏志倭人伝の通り邪馬台国を目指したら、海の上に辿りつきましたね。
魏倭人伝は『邪馬台国の場所を間違えていたのです!』
その結果……
「邪馬台国は九州にあったんだよ!」
「いやいや! 邪馬台国があったのは、どう考えても奈良県だ!」
このように邪馬台国論争へと発展していく事になります。
この論争は江戸時代から続いており、令和になった今でも決着しない歴史論争の中でもかなり長いケースになっています。
また魏倭人伝は、邪馬台国の位置を日本列島を突き抜けてた海の方向を示していたので……
「邪馬台国は実はハワイにあったんだよ!!!」
「あ、アロハー!!!」
「邪馬台国は実は、沖縄にあったんだよ!!!」
「め、めんそ~れ!!!」
ハワイ説、沖縄説というトンデモ説が生まれますが、無理があるのであまり注目されていません。
やはり有力なのは近畿説と九州説です。
それぞれの説を見ていきましょう。
魏志倭人伝に記されている距離がピタリと一致するのが奈良県です。
そして邪馬台国候補となる『
更にここから魏の年号をしるした鏡が出土しており纒向遺跡はかつて魏と交流していた事がわかりました。
また、後に現れる大和朝廷と邪馬台国は名前が似ています。
邪馬台国が発展して、後の皇室となる大和朝廷になった、というのが近畿説の主張です。
さて距離ではなく、方角が正しかったと主張しているのが九州説です。
またこちらには邪馬台国候補として
魏志倭人伝には『邪馬台国は海の側にあるよ』みたいな記述があり、これが九州説を有利にしている反面、奈良県には海がないので近畿説の弱点でもあります。
邪馬台国論争をまとめると
・近畿説=距離が正しくて、方角が間違っている!
・九州説=方角が正しくて、距離が間違っている!
こんな感じですね。
しかし長く論争が続いているものの、どちらも決定的な証拠はありません。
何故こんなにも議論が交わされているのかというと、邪馬台国の位置で日本史が変わるからです。
邪馬台国の後、奈良県から天皇家の祖先である大和朝廷が現れるのは確実です。
もし近畿説が正しく邪馬台国=大和朝廷だとしたら、弥生時代にはすでに統一国家が存在していた事になります。
一方、九州説が正しければ邪馬台国は地方国家に過ぎず、強力な統一国家は存在していない事になるからです。
つまり『邪馬台国の位置によって、日本が建国された時期が変わってくるから、この論争続いているのです』
しかし、邪馬台国の関する記述が国外の魏志倭人伝しかないのと、国内で文字を使っていなかったので、日本史最大のミステリーと言われるようになりました。
場所がわからないので、邪馬台国に行くのはあきらめましょう……
えっ? どうしても卑弥呼が見てみたいって!?
こんなときはグーグル先生に聞いてみましょう。
オッケーグーグル、邪馬台国の場所を教えてくれ。
グーグル「わかりました」
やった! 流石、グーグル先生ですね。なんでも教えてくれます。
【卑弥呼の姿】
さて、邪馬台国の宮殿にやって来ました。
奥の部屋に卑弥呼がいるようですが、男の人が立っていますね。
女王のガードマンかもしれません。卑弥呼に会えるかどうか聞いてみましょう。
あのー、卑弥呼に会わせて欲しいのですが?
男「だめだめ! 一般人が卑弥呼様に会う事は許されない!」
やっぱりアポなしじゃダメなんですね。
男「たとえアポを取ろうが、卑弥呼様のお姿を拝む事は許されないのだ!」
うーん、なかなか厳しいですね……というのも、卑弥呼は人々の前には姿を現さず、宮殿の奥で『
この時代の人々は悪天候や災害、病気など自分達の手に終えない事は全て不思議な力に頼っていたのです。
そんな中、占いで未来を教えてくれる卑弥呼の支持率が高かったのです。
人々に姿を見せない事でミステリアスさが増し、占いの神秘性を高めていたのかもしれません。
現代のイメージ商売に似ていますね。
女王というよりは、シャーマンとしての性質が高いかもしれません。
ちなみに貴方は何者なんですか?
男「うん、俺か? 俺は卑弥呼様の弟だ。食事などの卑弥呼様の身の回りの世話は全部俺がしている!」
なるほど、わかりました。ありがとうございます。
卑弥呼はどうやら弟に頼って生活している、スピリチュアル好きの引きこもりだったようです。
現代社会だったらやばそうな人ですね。
折角、邪馬台国まで来たのに卑弥呼の姿が見れないのは残念なので、令和という未来から来た私達のテクノロジーを、古代人に見せつけてやりましょう!
それではこの帽子を被ってください。これは石ころ帽子といって、被ると姿みえなくなる未来の帽子です。
やりました、流石未来の道具です。
卑弥呼の弟は私達の存在に気付いていません。それでは、卑弥呼とご対面です。
火を炊いてなにかを焼いていますね。もしかしたら、占いの最中なのかもしれません。ちょっと覗いてみましょう。
焼いているのは獣の骨ですね。火に焼かれているのでヒビが入りました。卑弥呼はそれをじっと見ています。
卑弥呼「うん。今年はいける!」
……えーと、骨をヒビを見るだけで、何が“いける!”のかわかりませんが、邪馬台国ではこののように獣の骨を焼いて出来たヒビの形で占いをしていました。
この占いに使う骨の事を『ト骨』といいます。
ちなみに弾薬の調合素材となる『カラ骨』じゃないので、モンハンの世界とは違いますねw
あの卑弥呼さん、お話してもいいですか?
卑弥呼「なんじゃ? お前達」
あらら……美女だと思ったら、なかなかのご高齢ですね。
小学生の時に読んだ『まんが日本史』では、卑弥呼の若くて美しい女性の姿で描かれていたので、ピチピチかと思っていましたが、実際はシワシワです。
魏志倭人伝にも『卑弥呼は高齢の女性だよ』と書かれています。
弟に頼って生活していて、スピリチュアル好きの引きこもりで、高齢者となるとなかなかヤバイ、スペックの持ち主ですね。
さて、卑弥呼の姿も見れたし、そろそろ次の時代へ行きましょうか。
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