巨乳でハーフの美人転校生を助けたら陰キャの俺にメロメロになった件

雲川はるさめ

第1話

ハーフの美人転校生をプールで助けたらツンデレ化→俺の幼馴染との三角関係勃発か!?【胸キュン】【ラブコメ】


「た、た、助.....!!」


か細い女子の声が耳に入って来た。



「お、おい、あれ、見ろよ...!!」


「ちょ、な、なんか様子が変だぞ...!」


俺の周りにいた男子達が騒ぎ出した。


「え」


プールサイドにいた俺は。


騒いでる奴らの指差した方向を見た。


すると。


「......っ、あっ....!!」


一人の女子が水中であたふたしていた。


両手をバタバタさせ、

酷く慌てた表情をしていた。


俺の直ぐとなりに立ち、プールサイドで

見学してたボーイッシュな

ショートカット女で、俺の幼馴染のマヒロが俺の背中をドーンと押した。


「シンジ!早く助けに行きなさいよ!あんた、

水泳部でしょ!!」


「お、おう!」


溺れている感じの女子は。


よくよく見れば。

俺の隣席に座る女子で。


彼女の名前は西野アイリ。


つい、一週間前に都会の女子校から

ここ、山梨県のとある中堅高校に引っ越して

きたアメリカ人と日本人のハーフだとかいう

美人女子だった。




顔は滅茶苦茶美人だが。


俺的に、性格は難があると思う。


思った事をズバズバいう奴だった。


初日、


「よろしくな」と

俺が挨拶したにもかかわらず。


ツンツンして。


「もっと背が高くてイケメンの隣がよかったです」


と流暢な日本語で言いやがったんだ。


俺はその言葉にムッとしたが。


小柄なのは否定できないし。


男前でないことも、これもまたアイリの

いう通りなので、俺は言い返さなかった。



俺の名前は山吹シンジ。現在高校二年生。

非常に残念なお知らせだが、先にも書いたが

俺はイケメンではなく、フツメン。


親からもらった身体は、あんまり

成長せず、現状、やや小柄体型だったが、

一緒に帰る女子はいたんだ。


さて、



西野アイリだけど。


俺をちっちゃいね、などと常日頃、小馬鹿にしてくる。


この前、アイリに見下ろされて挨拶された。


アイリの方が俺よか七センチほど身長があったんだ。


「おはよ、シンジ」


「はよ....」



女のくせに、でけぇ...と思った。


アイリは最早、モデル級美女だった。

アイリのことは俺からしたら、苦手な女子だが。プールのなかで、大変なことになってるみたいなので。


幼馴染のマヒロに促され、


俺はプールに飛び込んだ。



クロールで彼女に近付き、ひょいと、

彼女を抱っこした。


俺より体格のいい女ではあるが。


現状、水の中。


浮力が働き、姫だっこは簡単なことだった。


「シ、シンジ...!!!」


「おい、どーしたんだ?大丈夫か?」


こう尋ねると、アイリはおろおろしながら

こう答えた。


「あ、足がつったみたいなの。


それでうまく動かせないから困って...」



「今もか?」


「う、うん。まだ右足が変...」


「落ち着いて、足を伸ばせ」


「え」


「いいから。言う通りにしてみ」


俺は優しく言った。


「あ、う、うん...分かったわ」


俺はゆっくりとアイリを抱えて水の中を移動し、プールのへりまで来た。


アイリを見ると、顔色が少しよくなってた。


「大丈夫そうか?」


「うん、大丈夫そう...」


「じゃ、俺はこれで...」


「待って!」


「え」


振り返ると、アイリが小声で言った。


ほんとーに聞こえるか聞こえないかの小声で。


「あ、ありがと...」


「別に。困ってる奴をほっとくわけには

いかねーっつーか...」


「待って...!」


「え?まだなんか言いたいことがあるのか?」


「シンジ」


「なに?」


「さっき見たけどさ。やたらと飛び込み姿カッコよかったよね?」




「あ、いや、別に。大したことねーよ」


「う、ううん!そんなことない!

そ、それに...!」


「ん?」


「ふ、腹筋も割れてるよね...?」


俺は自分の腹を見た。


あー、まぁ、確かにチョコレートになってるっちゃぁなってるけど...。


「か、カッコいい...!!」


全く以って。


おかしな状況だった。


俺のこと。


散々、バカにしてた転入生が。


俺に対して手の平返した瞬間だった。


続けて、アイリは。


「あ、あのさ、変なお願いなんだけどさ、

してもいい?え、えーっと。

ちょっとシンジのお腹、触ってみてもいい?」


「え?」


「あ、ごめん。うそうそ。

今のなし」


滅茶苦茶デレデレしてた。


こんな事件があったあと。


俺に対して西野アイリのツンツン具合が減った。


更に加えて。


次の日の放課後。


校門のとこで、西野アイリに待ち伏せされた。


そして、言われた。


「ね、ねぇ、一緒に帰って...」


言いかけたところで。


アイリは俺の隣にいた、

男みたいな女子、

真島マヒロを

いい意味でジロジロと見た。


ちなみに。


真島マヒロはボーイッシュな女。


髪の毛短めの男みたいな女子で私服も男っぽいから、だから、

よくよく見ないと男子だと、マヒロのことを

よく知らないひとは思っちまう。


西野アイリも例外ではなかった。


マヒロに尋ねていた。


「あなた、色気があんまりないわね...???」


マヒロは、頷いた。


「うん、それ、よく言われる。

それからあとは。

ボーイッシュだね、とか」


「ふーん...」


どことなくだが、

アイリの顔色が変わった。


俺はアイリにマヒロを紹介した。


「紹介するよ。こいつは、男みたいだけど!

正真正銘の女子!!

俺の幼稚園時代からの幼馴染、

真島マヒロ!!よろしくな」


「お、幼馴染...」


アイリはそう呟き、何だかよく

分からないがびびっている風だった。


結局、この日は。


三人で一緒に帰った。


この翌日。

例によって、


幼馴染とふたりで歩いて帰っているところを

アイリが割って入った。


「シンジ!!」


俺らふたりの真ん中に入って、

切った!!みたいなことをしてきた。


「今日も三人で一緒に帰りたい!」


「別にいいけど...」


「やった!」


三人で帰ってはいたが。


アイリときたら、なんだか

マヒロのこと、チラチラ見てる。


なんか、すげー、意識してる感じだった。


俺とマヒロは。


ぶっちゃけた話、


幼馴染ってだけで。


カレカノでもない。


俺はマヒロのこと、好きとかじゃないし。


マヒロも俺のこと、十中八九、好きとかじゃない。


何故そんなことが分かるかって?


マヒロが、まーったく、

やきもちをやくこともなく。


スーッと俺とアイリから離れたんだ。


ふと見ると。


マヒロが離脱した。


さっきのT字路のとこか、はたまた

四つ角のとこか、それとも

花時計公園を通り過ぎる際に

姿を消したのか、定かではないが。


気がつくと、いなくなってた。


マヒロときたら、昔から

気配を消す達人なんだ。


さっきまで、俺のそばに居たはずなのに。


知らぬ間にいなくなってる。


そんな不思議なやつで。


つまり、


もし、俺に気があったなら、

意地でも三人で帰るところなのだが。


俺とマヒロはただの幼馴染。


ほんっとにそれだけ。


でもな、西野アイリに言わせると。


マヒロがいなくなって、


二人だけになったとき。


俺にこう告げた。



「幼馴染の恋愛は最強だと


前の学校の友達にきいたことがあり、



できれば、私が引き裂きたいのだ」と。


「あー、マヒロだけどな。

俺のことは、これっぽっちも好きじゃねーから

安心してくれ」


「それよかさ。おまえ、いいのか?

俺、ちっちゃい男だぞ...」


俺がこう問いかけると。


アイリは息巻いてこんなことを言ったんだ。


「まだ、高校二年生だし!!

成長期のまっただなかだよね!!

き、きっと身長、伸びるかもだし!」


「お、おう、そーだな...」


「成長期後半に期待すっかなあ...」


俺はちょい背伸びをして歩いてみた。


そしたら何とか、アイリと肩を並べて歩けたんだな。


「シンジ、無理しなくていいよ。

あーのーね、」


「ん?なんだ?」


アイリが俺の左腕を引っ張ってせまい路地に入って行った。


そして言うことには。


「いま、背伸びしなさい!」


「え、なんで?」


「き、キスするとき、見上げたいのよっっ!!」


「あ、なーるー」


俺は頷き、そして、精一杯、

背伸びしてみせたんだな。



その後、かなりの歳月が経過したんだが、

俺の身長はあまり伸びなかった。


でもな、アイリは自分より背の低い男と

結婚してくれたんだ。





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巨乳でハーフの美人転校生を助けたら陰キャの俺にメロメロになった件 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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