風呂エッチ

 「このくらいでいいかな、湯」

 「ああ、いいだろ」

 なんとなく空気がふわふわしていた。真柴は、風呂エッチと言った。しかし、そういうのに疎い俺は、どういうことをするのか正直よく分からなかった。もちろん、エッチの内容は知っている。でも、狭くてつるつる滑る風呂場でどうやってそれをするのかは、理解不能だった。そもそも、俺はどっち側なのだろうか!?

 「じゃあ、脱ぐぞ」

 「は、はい」

 そう言うと、真柴は本当に脱ぎ始める。さすがテニス部、背中も腕も足も筋肉がついていて逞しかった。負けてるなあ、と一人ごちる。

 全部脱ぎ終わると、俺は真柴を直視できなくなっていた。さっき、ちらっと下の方を見たしまったが、俺よりでかかった。もし、俺が挿れられる方だったらどうしよう。入るのだろうか。

 「あ、そうだ」

 「な、なに?」

 「一つ、約束してくれるか?」

 「約束?」

 「ああ。絶対に、なんでも言うってこと」

 「何を?」

 「だから、例えば挿れる側がいいか、挿れられる側がいいか。嫌だったら嫌って言ってほしいし、痛かったら痛いって言ってほしいってこと。お前が嫌なことはしたくない」

 どこかから、ずきゅーんという誰かのハートが撃ち抜かれる音が聞こえてきた。真柴、かっこよすぎ。

 「分かった。恥ずかしいけど」

 「じゃあ、まず、どっち側がいい?」 

 「…真柴は?」

 「俺は…挿れたいかな」

 「じゃあ、挿れられる側でいいよ」

 俺がそう言うと、真柴はため息をついた。

 「だから、いいよじゃなくて、俺は竜馬のしたいことがしたいの」

 「…でも、実際、真柴に挿れられるの、想像してたし」

 「…恥ずいな。面と向かって言われると」

 「言ってる方もね」

 そうして実感がわいた。俺のあそこに、真柴のあれを挿れるのだと。想像していると、気づいたら背中を流しあって、バスタブに入っていた。

 「ぐ、具体的に風呂エッチって何するの?」

 「風呂でエッチする」

 「全然具体的じゃない…」

 すると、真柴が俺を自分の方へ引き寄せた。そして、唇と唇が重なる。実はこれが、初めてのキスだった。

 「舌、出して」

 俺は素直に舌を出す。真柴は俺の舌に、自分の舌を絡ませた。舌が交わり、変に気持ちよかった。

 「ん、~っ、はあ」

 舌を離されると、俺はもう勃っていた。真柴に少し笑われる。

 「そんなに良かった?」

 「ちゃ、茶化さないでよ…」

 すると、真柴の手が俺の尻まで動く。

 「ここ、少し慣らすぞ」

 「うん」

 すると、真柴の中指が俺のあそこに入っていく。感想は一言、異物感がすごい。なんとなく、体が逃げていった。

 「いやか?」

 「いやじゃない!ただ…反射的に」

 「じゃあ、続けるぞ」

 真柴の指は奥まで入り、俺の内側をこすった。腹の奥がぞわぞわする。

 「もう一本入れるぞ」

 「ん」

 真柴の人差し指も俺の中へ侵入していく。少し痛かった。

 「ちょっと動かす。痛かったら言ってくれ」

 「ふあ!?」

 真柴の指が、俺の内側にあたり気持ちよかった。おかげで変な声が出る。真柴の、息をのむ音が聞こえた。

 「ひや、ん。あ、きもちい…」

 「!竜馬…、声エロすぎ」

 すると、真柴が反対の手で、俺の乳首をいじり始めた。

 「いっ!?」

 「ごめん!痛かった?」

 「な、なんか、こすれてきもちい、かも」

 正直言って痛みは感じなかった。それよりも、今目の前で真柴が俺のことW触りながら勃っていることが嬉しかったし、普通に気持ちよくて、頭が朦朧としてきた。

 「…ごめん、竜馬。一つお願いしていい?」

 「ん?」

 「下の名前呼んで」

 「…とおる」

 お互い顔が赤くなる。真柴はいつも下の名前で呼んでいるが、俺の方は恥ずかしくて呼べていなかった。これから呼ぼうかな、なんて考えた。

 透が今度は乳首を舐めてきた。

 「んっ…ふ あ」

 俺の耳にくちゅくちゅと、エロイ音が届く。乳首で反応しているのが少し恥ずかしかったが、後ろも前もじんじんして気持ちよかった。

 「あっ、っ やあ、んっ、は あっ」

 「…もう、いいかな」

 「へ?」

 「挿れるよ」

 「えっ あっ、っ」

 理解する間もなく、透のちんぽが俺の中に侵入していった。大きくて熱くて、少し痛かったけど、気持ちいい。

 「ゆっくり動いた方がいい?」

 「や、やら ちょうだい、とおるの…」

 もう、頭は動かなかった。

 「ひやっ、あ、あっ んっ、とおる あっ んぁ」

 ぱちゅっと音を立てながら、透は抜いたり突いたりを繰り返した。透のちんぽが、俺のいいとこにあたる度、俺は喘ぎ声をあげた。

 お湯が体の温度をさらに上げ、俺と透は交わった。

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暖房とテニスボール @tukimotokiseki

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