KAC2021 #10 ゴールと創作論

くまで企画

たれながし創作論

 まず初めに、KAC2021に参加された方、お疲れさまです。お題にチャレンジし続けた方、完走おめでとうございます。そして、1つでも多くの方の作品を読み、応援された方々、ありがとうございます。


 また、このような環境、場を提供してくださるカクヨム運営の方々にもこの場を借りて御礼申し上げます。


 今月カクヨムに登録し、KACなるものの存在を知って、1回目からギリギリですが参加することができました。とにかくいろいろと書いてみたい年ごろでしたので10回すべて違うジャンルで挑戦しました。


 まず、これまで投稿したテーマとジャンル……


 1 おうち時間     恋愛

 2 走る        ミステリー

 3 直観        エッセイ

 4 ホラーorミステリー ホラー

 5 スマホ       異世界ファンタジー

 6 私と読者と仲間たち SF

 7 21回目      現代ドラマ

 8 尊い        現代ファンタジー

 9 ソロ○○      ラブコメ


 そして、今回が最後の『創作論』における『ゴール』についてです。正直に言うと創作論なるものはよく分からないのですが、思うところを書いていきたいと思います。ここでいう『ゴール』は物語の結末ではなく、書き手個人の目標や課題です。


 KACはお題が提示されてから考えるという趣向だったのでとっかかり自体はそこまで難しくなかったです。

 あとはそれぞれのジャンルとどう組み合わせて、それらしい小説が書けるのかというのが悩みどころでした。基本、短編の時はプロットらしいプロットは書かないのですが、お陰で書いてる途中で迷子になりかけました。……すみません、見栄を張りました。長編でもしっかりしたプロットは書いてないです。


 ということで、プロットは大事だなと思った次第です。ただ、プロット書いて満足! となることもあるのでそこが問題ですね。


 どのように『創作』していったのか各回を振り返りながら考えていってみます。


 1回目の『おうち時間』では『恋愛』を。

 頭にクッションというキーワードだけが浮かび、だだだっと書いたものです。ここでの『ゴール』はまったりした時間を描きたいなあくらいなものでしたね。


 2回目の『走る』では『ミステリー』。

 最初は電車に乗ってる赤いハイヒールの女。駅の近くで起きた事件の犯人がその女で靴を履き替えて時間トリック――と思ったのですが、まず残酷な描写(それに付随する直接的な言葉も)を書きたくなかったので二転三転し、浮気調査ものとなりました。ミステリーを書いてみたいという『ゴール』は達成できたかなと。


 3回目の『直観』では『エッセイ』になりました。

 ちょうどアサリを食べたところだったので、いいかなあと。『買い』と『貝』と『かい』を掛けている(ついに説明してしまった……)最後の5・7・5は気に入ってます。春をテーマにしたいという思いは形にできました。


 4回目の『ホラーorミステリー』は、『ホラー』。

 怖いのは本当に苦手なので、もうほぼギャグみたいな感じになりました。ほら、怖いのを書いたら怖いことが起きるっていうじゃないですか……。

 この回の『ゴール』としては、ホラーとミステリーどちらとも捉えられる感じにしたいという気持ちがありましたが、よくよく皆様の作品を読んでみるとホラーとミステリーって紙一重なんだなあと思いました。(本気ホラーの方の作品は目をつむりながら(?!)読んだかもしれません)


 5回目の『スマホ』は、『異世界ファンタジー』。

 スマホとおおよそ一番離れているものと考えた時に選んだのが、異世界ファンタジーでした。文字数を気にしなければもっと細かくたくさん書けたなと、個人的にはとても楽しんで書いた作品でした。『ゴール』は、スマホネタを散りばめることでした。


 6回目は『私と読者と仲間たち』は、『SF』。

 この時点では始めたばかりの私には、読んでくれる人も、分かち合う人も、ほぼいなかったので感謝をつづるのはおこがましく、さらに『エッセイ』はもうすでに消費してしまっていたので諦めました。

 は、ではなく、の方で、頭の上に数字が表示されるということだけ決めて書き始めました。『世にも奇妙な物語』チックな出来上がりを目標に書き上げました。


 7回目は『21回目』は、『現代ドラマ』。

 21という数字に必然性を持たすのが『ゴール』だったので、それに沿って家族というもの、依存症の怖さなどが絡んで形になっていきました。個人的に大好きな作家さんの雰囲気、また個人的に作風として目指すところに一番近づいた作品ではあったかなと。


 8回目は『尊い』で、『現代ファンタジー』。

 残ったジャンルの中で選んだ、現代ファンタジー。なにか現実と異なること……と悩んでいたところ、目についた自主企画で『追放もの』(参加させていただきありがとうございました!)とあったので、組み合わせられないかと書いたものです。そうして、できあがった『日本国民総尊にほんこくみんそうとうとい制度』。個人的にはギャグです。読み飛ばしていいくらいギャグです。結構思いついた勢いのまま書いたので、なんとかまとめられた時は感動しました。ええ。

 勢いが止まらない作品だったので、『ゴール』は、文字数に収めることでしたね。


 9回目の『ソロ○○』でジャンル『ラブコメ』。

 これはソロプレイヤー、ソロ活動、ソロデビュー……いろいろ考えて、何か他にアイデアはないかと悩んでいました。こちらも8回目同様、目についた自主企画で『エピグラフのあるもの』(参加させていただきありがとうございました!)が面白そうだったので、名言を残した『ソロモン』を選びました。『ゴール』はゲームを知らない人でも、いかに置いていかずに説明できるか。目標というよりは、課題でしたね。

 ちなみに、エピグラフとは、文章の冒頭で格言や詩などを引用してみせているアレだそうです。そんな名称がついていたなんて初めて知りました。今でも検索しないと思い出せない単語です。


 まとめ


 ――自分の『創作論』

 キーワードを掛け合わせて考えていくのが楽しいです。何個かキーワードをあげてみて、掛け合わせてみて、楽しそうだなと思ったものを書いてみる。ダメなら捨てて、新しい組み合わせを考えてみる。勢いがついたらこっちのものですね。私の場合、結構結末を考えずに書き始めてしまう傾向にあるみたいです。お陰で迷子になります。たまに黄金卿を見つけます。それが表現できるかは別として。

 執筆作業は計画的プロット大切に、です……。


 ――創作における『ゴール』とは

 こうして振り返ってみると、『ゴール』は常に明確に設定されたものでもなく、逆に創作中にふっと湧いて出てきて書き上げるのを邪魔してきたりなんかもしました。これは設定しなくても書くことはできますね。結末はある程度考えておいた方が目標になるかもしれません。


 ――最後に

 脳内を垂れ流した『創作論』に最後までお付き合いいただきありがとうございます。また、これらのKAC参加作品を読んでくださった方、応援してくださった方、レビューをくださった方、本当にありがとうございました。とても楽しかったです。


 

 『ゴール』の先にもまだまだ物語の世界は無限に広がっています。より多くの作品と出会い、より多くの作者、読者と出会い、皆様の人生が少しでも豊かなものになりますように。


 お疲れさまです。おめでとうございます。ありがとうございます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

KAC2021 #10 ゴールと創作論 くまで企画 @BearHandsPJT

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ