ホテル・ベルゼブル
罰青流
第1話
耐えられない程の苦しみ
耐えられない程の悲しみ
耐えられない程の絶望
耐えられない程の無
そんな想いを背負った時、人は
死を望む
この先の未来にはまだ希望が在るかもしれない
それがほんの僅かだとしても
在るかもしれないのに
在るはずなのに
そんな事を知ってか知らずか
人は死を望む
何故ならそれは
そんなモノはどうだっていいコトだから
だって彼らは今
正に今
耐えられないのだから
だがもしも
もしも彼らが
そんな想い荷を下ろす事が出来るのなら
そんな想い荷を下ろす場所が在るのなら
それって凄く素敵じゃありませんか?
いらっしゃいませ
ここはホテル・ベルゼブル
あなたの闇は悪魔への贄
それが扉を開けた私の眼に最初に映ったモノでした。
でか過ぎる半紙?に筆で書かれた文字。
後から聞くとそれは、ここの支配人さんが書かれたモノらしい。
これを見て出てきた私の感想は
悪魔さんなら
私の闇を美味しく喰べてくれるんだ
でした。
そこかよ。
と、自分でツッコミをいれてしまった。
「こんにちわ、ようこそホテル・ベルゼブルへ
麗しいお嬢さん、迷探偵さんから伺っておりますよ
綺羅樹和香菜様でよろしいですかな?」
ひげ紳士。
瞬発的に頭に浮かんだ言葉。
なんて失礼な女だ私は。
「は、はい、綺羅樹和香菜です。」
よし、言う、言うぞ、私はここから強く生きるんだ。
「えと、、、こ、、ここで働かせてくれます!」
やった。
完全にやってしまった。
くれます、、、ああもう、人と長く話さな過ぎた。代償だ。
ええいままよ!
みんなが助けてくれたんだもん、こんな事位で負けないわよ!
「ここで、働かせてください!」
私は思い切り頭を下げた。
そして行きと同じ速度で頭を戻し、睨む様に髭紳士を見た。
私は、ここから変わるんだ。
「貴女は良い眼をしていらっしゃいますね。
ふふふ、ええ、たっぷり働いてもらいましょう。
うちは面白いですよ。」
「はい!よろしくお願いします!」
私はもう一度強く、頭を下げた。
これは私、綺羅樹和香菜がヘンテコなホテルで働くお話。
ホテル・ベルゼブル 罰青流 @xloa
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