失墜した後の悪役(?)のお話

ある婚約破棄モノのサイドストーリー的短編です。(実際本編と呼べるものがあるかどうかは分からなかったですが)

しかしながら、単独でも十分に、誰の目にもライトに楽しめる作品であるかと思います。
よくいる『主人公』を捨てた悪役の男。
取り巻きだった彼が逆襲の巻き添えを喰らった後、立場を喪い実家に戻り余暇を過ごすというシンプルな内容ですが、その経緯はどこか学生らしい空気を持つ、コミカルな感じに仕上がっています。

雑魚敵、噛ませ犬嫌われ役……そんな彼らにも言い分があり、立場があり思惑があった。
そういう思いが、逆張りや嫌味にならずに自然と胸のうちに収まってくれる、すっきりとまとまった短編です。