世界観、アイテム説明

≪魔法≫

 生命に与えられた異能。魔力を消費して発動する。様々なものを発生させたり、色々な効果を発動させたりする。戦闘、生産、学問に活用されている。人によって適性の差は大きい。

「高度に発達した科学は魔法と見分けがつかない」

 こちら側で言う科学と似たような役割を担っており、豊かな社会の礎になっている。

 戦闘において、名前を知っている相手には効果が増すらしい。


・顕現魔法

  実体のあるなにかを発生させる魔法。媒体なしでも発動できるが、何らかの補助があったほうが効果が高くなる。種類も多く、生産活動によく利用される。

  ex)炎魔法、植物魔法、石魔法


・非顕現魔法

  実体のない、効果のみがある魔法。魔法的に力を持つアイテムの補助がないと発動できない。比較的希少で、適性の低い者が多い。効果の特殊性ゆえに、高適正の者が迫害されることも少なくない。

  ex)催眠魔法、補助魔法、回復魔法



 魔法を使う人間にも種類があり、用途別に三つに分けられる。

・戦闘魔導士

  戦いに魔法を使う者。戦いによって存在の格を上げることができ、一攫千金も可能なため、魔法使いの花形。人に害なすモンスターも多い世界なため、一般人からしてもありがたい存在。


・生産魔導士

  生産に魔法を使う者。ありふれた職業ではあるが、社会を回すために必須の存在なため、かなり重要。よほど適性がない限り、食いはぐれることがない。普通の人生を送っていたら、一番関わる魔法使い。余談だが、植物魔法が一番コスパが良いらしい。


・学問魔導士

  学問に魔法を使う者。魔法は神によって与えられた智慧であるため、学術的な価値が高い。難解な術式の構築や、既に解明された魔術理論の理解など、要求される能力は高い。ほとんどの人は関係ないが、イノベーションを起こすこともあるので、社会には必要な存在。


 その他にも、非顕現魔法を使う便利屋や、人に害をなす形で魔法を使う違法魔導士がいる。


 使う術式の難易度としては、学問>生産>戦闘。




≪スキル≫

 または『戦技』とも。生命に与えられたもう一つの異能。魔法と違い、戦闘特化。武器を用いたり、体術に付与されたりする。関連のある『ステータス』はない。しいて言えば、攻撃力などが威力に比例する。訓練や戦闘の最中で得ることができる。どのタイミングで得るかは、本人の才能次第。『ステータス』神の寵愛と正の相関がある、という研究もあるが真偽は不確か。

主人公の持つ、定規が何らかの対抗手段になっていそうだ。




≪ステータス≫

 神がデザインした世界のシステムの一つ。僅かでも意思のある生命はもれなく付けられる。項目は、名前や年齢などを除くと、生命力、魔法力、攻撃力、防御力、魔法耐性力、速力、知力、権力、財力、努力、将来性、戦闘技術、魔法技術、人望、容姿、良心、幸福、欲、神の寵愛、運の二十。それぞれに数値がふられ、それがその人の能力となる。恩恵を受ける者たちの中にも誤解をしている人が多いが、自分の能力が数値化されるのではなく、数値に見合った能力が与えられる。一般的な人物の場合、全ての項目が10から100になる。が、高能力のものに制限はなく、各国の創国伝説で、始祖の数値は全て○○億で~、△△の項目が∞で~、とされていることが多い。


 神が好き勝手いじっていることは、言うまでもない。また、神が気分で変えることができるように、レベルや経験値の概念はなく、前触れなく数値が変わることもある。




≪光祝神命教≫

 世界全体で信仰されている、シェア率ナンバーワンの宗教。主人公に関わっている例の神を崇める。実感のある恵みが世界を支配しているため、他の宗教に対して信者数や求心力などで圧倒的な差がある。さらに言えば、他の宗教を異教として軽蔑する傾向がある。国政に関わることも多く、教会最高権力者が、実質的に世界の支配者となる。が、その遥か上に絶対的存在である神がいて、積極的に下界に関わるため、最高権力者がチカラやカネに溺れた例はいまだない。寄付によって成り立っているが、勘違いした富豪などが多額の金が神に対する媚びになると考えて定期的に破産レベルの布施をするため、貧乏人からはほとんどとらない。主人公は嫌悪するだろうが、絶対的存在があるため、邪な考えを持つ者が消えて、善意によるクリーンな経営ができている。神による名付けの橋渡し役など、神と人間の中継地点としての役割が大きい。ちなみに、名前が長いため宗教名に愛称がある。コーメー。




≪アイテム≫

 マジックアイテムと呼ばれる不思議な道具も多いが、ここでは主人公が与えられた神製の文房具を指す。文房具を模しているのは、神のジョークのようなもの。なくされても面白くないため、破壊不能の潜在効果もある。


・叡智の宿る愚者を滅しし暗澹と残痕

  ノート。欲しい情報があれば、口に出して問うことで、開いたページに情報が表れる。表現方法は、文章、図、絵など様々。ただし、未来のことはわからない。

  また、高位存在との交信も可能であり、現状神との唯一の会話手段。主人公側からの発信方法は不明。


・軽薄な嗜虐心の護体と無体

  消しゴム。ゴムの部分が当たったものは、物理的な保存の法則を完全に無視して消滅する。消す範囲は、使用者の任意で決めることができるが、最小でも当たった箇所、最大でも当てた物体全体。伝播して他のものまで消すことはできない。神が破壊不能と設定したもの以外は、この世に存在するもの全て消滅可能。


・写実嗚呼一滴のペイン

  シャーペン。書き込むことで、特性や能力を追加する。生物や物質、すべてに適用可能。書き込んだ文字によって、効果は変わる。効果時間は二十四時間。文字によっては、副作用あり。よく使う文字の効果の詳細は、後記参照。


・定めし運命の規範奇譚終焉

  定規。現状、主人公も能力の把握はできていない。『スキル』に関して何らかの効果がある様子。本来の役割通り、“正しさ”や“線引き”に関する能力がある。


 他にも、似たような神器が存在する可能性があるが、神自身も忘れてしまったか、神が検閲をかけたかで、ここに表記することはない。




≪頻出文字≫

 シャーペン(写実嗚呼一滴のペイン)でよく使われる文字の効果一覧。

・“理解”

  転生者用の文字。今の世界では、前の世界と違うところが多い(言語、物の色、体を動かす感覚など)ため、五感全体を今の世界用にチューニングする効果。初手の段階で詰んでも面白くないからと、神が設定したご都合文字。効果切れの時に副作用はないが、急に感覚が一変するため、気が動転するなどは考えられる。


・“許容”

  誰にでも使える文字。これに関しては文字通り、何でも受け入れるようになる。主人公が、門番二人に向かって使った。交渉、コミュニケーションにおいて有効に使える。ただ、効果に指向性を持たせることはできないため、一度書いたら一日中、それがどのようなことでも受け入れてしまう。


・“満腹”

  誰にでも使える文字。これも文字通り、空腹を感じなくなる。効果時間内は、絶食による体調の変化もない。副作用ははっきりしていて、効果が切れた瞬間に強烈な空腹が襲う。再度書き込むことで一旦は空腹から逃れることができるが、翌日にさらに強い空腹に襲われるため、推奨できない。


・“不眠”

  誰にでも使える文字。“満腹”の睡眠ヴァージョン。


・“燃焼”

  なんにでも使える文字。書き込んだものが燃え始める。発生する炎は、普通の炎と同じ特徴を持っており、延焼や火傷などもあり得る。書き込まれたもの自体は、初めから燃えている特性だったと捉えられ、燃焼のダメージはない。武器に対しての付与効果としては強力だが、二十四時間燃え続けるのがネック。また、“氷結”や“帯電”など、属性違いの似たような効果を持つ文字も多い。

  


    etc










以上でこの世界の特異性の説明を終わる。出来得る限りわかりやすく書いたつもりだが、元からの常識の違いから、伝わらない部分もあったかもしれない。そこはご勘弁願う。




追記。神の検閲により、表現に誤りや嘘が紛れ込まされた可能性あり。

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