コメント失礼します。
俺は英雄だから権利があると異国の娘を犯しながら殺したことからは、何というか英雄という言葉に彼が乗っ取られてしまったように思えました。つまり彼の主体性が欠落していった?だからこそ彼は狂気に飲み込まれてしまったのかなと思いました。でも彼の立場になって考えてみれば、あの状況では何かに縋りつかなければ、やっていられないんじゃないかとも思います。それが英雄という曖昧模糊な言葉だった?
そして、誰が英雄を殺したのだろうかと考えてみました。
彼らを殺したのはサソリだった。それは厳然たる事実だ。だが英雄を殺したのは本当にサソリだったのだろうか。明確な答えなどないとはわかっているが、僕は思う。少し厳しい意見だと思うのだが、英雄を殺したのは彼ら自身だと。戦争だから仕方ない、英雄になれるのだから良いじゃないかと大きな流れに疑問を呈さず、考えることを放棄してしまった彼ら自身なのだと。
最後に、この物語は僕的にはストライクゾーンど真ん中でした!
思考の幅が広がる物語をありがとうございます!
作者からの返信
コメントありがとうございます!
この作品は割とどうとでも取れるように書いたので、読んだ人の印象や解釈で良いかなと思うんですが。
>英雄を殺したのは彼ら自身
おおお!
実は私自身も、そのつもりで書きました。
もっと言えば、真の英雄なんてものは初めから存在していなくて、偶像として作り上げた『英雄』という概念を自らの手でめちゃくちゃにしたような感じですね。
人として考えることを放棄せざるを得ないような極限状態は恐ろしいです。
ストライクゾーンど真ん中!めちゃくちゃ嬉しいです(*≧∀≦*)
こちらこそありがとうございました!
こんばんは。
最も恐ろしい毒ガスは、空気である。という話があります。地球の大気というのは奇跡的なバランスで、生き物の呼吸を担っているという意味なのですが。
日本人ならではの、空気を読むという行為を踏まえるとまた違った意味になりますね。
感想のくせに、前置きが長くなりました。
要は主人公の『俺』も、隊長や仲間たちも、悪い空気に冒されたのだなと。
旅の恥は掻き捨て、赤信号みんなで渡れば怖くない、というのも日本人気質とよく言われます。でも戦争の記録を眺めれば、どこの国のどんな戦争でもそういうことが起こっています。
一朝一夕、一夜漬けのような力でも、持つ者は持たざる者を蹂躙できる。理不尽に襲われた人々にとっては、誰かの悪意によって生まれた突発的な嵐にみまわれたようなものです。
それを正したのは、小さな暗殺者。現地の人たちが恐れながらも住み分けている、いわば土着の風。
最も空気を読み、土地を自然に戻したのは、誰だったか。皮肉の利いたゾクっとするサスペンスでした。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
うおお、ゆきはさんのご感想に、伝えたかったこと以上の深いことが全部書かれている……! このコメントが★3つなんですが!笑
主人公も隊長も仲間たちも、この状況下だからこそ残虐なことをやってしまったのでしょうね。
戦争において敵国での大量殺人は、称賛されること。それが「正義」とされるからこそ。
彼らは、踏み込むべきでない方法で踏み込んでしまった。
サソリは不躾な侵入者を排除した。それだけのことでした。
英雄なんて、真の意味では初めからどこにもいなかったんでしょうね。
いないじゃん、英雄。
そこにいたのは理性を失くしてしまい、英雄を名乗りたかった一人の人間「だった」存在だけ。
と書いたものの、極限状態で人としてあるべき行動が出来る人間てどれほどいるのだろうなぁとも考えてしまいました。
おかしいと思いつつ「それが正しい」と言われ、己の行動に心を苛むよりも人間って楽な方を選びがちですからねぇ。
理性を持ちえないサソリが一番正義を執行しているというのもなかなかに皮肉なもの。
理性を保てるうちは、生きているうちは正しき道を歩みたい。
そう自分は思いました。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
まさに!
私の言いたかったことを残らず捉えてくださってて嬉しいです!!
平常時には常識的な人であっても、極限状態に陥ったら正気を保つほうが難しいはずです。
『英雄』なんて言葉は、言い訳にすぎませんね。
サソリはサソリで、自分のテリトリーを守っていただけなんですが、結果的に正義の存在のように見えてしまいます。
何が正しいか、その定義って曖昧なもので、見る人や状況によって簡単に揺らいでしまうでしょうね。
深く読み取っていただけて、ありがとうございました!!