第2話 ばらの花…くるり

「知らない天井だ...」


このくだりやってみたかったんだよね。転生って感じするよね。

転生ライフもなんやかんや3か月が経過した。我が家は男爵家なので15歳になったら学園に行かなくてはいけないらしく、父さんや母さんと話し合い王都音楽専門学園に入学することとなった。

簡単に言えばスキルの兼ね合いだ。


「ルー君‼朝ご飯だよー。」

「今行くよー」


母さんは金髪で決して40代には見えない見た目をしている。父さんにも言えることだが、年齢より若く見えるし、美男美女だ。

前世でいうコッペパンとスクランブルエッグにオニオンスープ


「今日、この町を出ちゃうのよねー。寂しいわー。。。」

「頑張って来いよ。ルーカス」

「わかってるよ。頑張る、」


朝食を食べ終え、荷物を少し確認しこの町にある。小さい噴水にギターを片手に行く。3か月間、シーラに教えていたら音楽につられて町の人々も教えてほしいといわれ、途中から噴水で教えたり演奏するようにしている。


「あっ‼ルーくん‼‼」

「練習した?」

「うん。もう雨のギター弾けるよ‼」

「さすがだね。やっぱり天才だ」

「でも、ルーくんが一番だよ。あたしのあこがれだもん。」


ギターを教えていたら、シーラになつかれてしまった。

シーラはとってもギターが上手で何年かしたら追い越されてしまうだろう。


「今日で最後になっちゃうんだよね。ルーくんのあの曲聴きたい。」

「僕の曲じゃないよ。くるりさんの曲ね。」


ギター、Dmaj7,Bm7・・・・

「♪雨降りの朝で今日も会えないや♪…」


やっぱり、歌うことは良い‼身体がギターの旋律の上を走る。

大事なことは気持ちを込めること。


「…♪安心な僕らは旅に出ようぜ♪

♪思いっきり泣いたり笑ったりしようぜ♪…」


今だけは僕の祝福の歌。今だけは僕の旅立ちの歌。


歌い終わり、拍手が起こる。いつの間にか町のみんなが噴水を取り囲んでいた。父さんと母さんの姿も、、、


「ルー坊、がんばれよ‼‼」「ルーカス、最高」

「また聴かせてくれよ、俺が死なないうちにな。がはは」


記憶を取り戻す前のルーカスがいい子だったから、あったかい町だから、みんなの祝福が嬉しくって、なんだか寂しくって、多分忘れられない旅立ち。


「ルーカス、そろそろ時間だ。12時に出ないと間に合わないよ。」

「分かった、父さん。皆さん、いままでありがとうございました‼」


荷物を取りに行こうとするとシーラが駆け寄ってきた。


「ルーくん、絶対また会おうね。」

「うん。もちろんだよ。」


家に戻り荷物をまとめて、ちょっと古びた馬車に放り込む。


「ルー君、心配事があったら手紙をよこすのよ。それから長期休みは帰ってきてね、あと…」

「ミレイア。そんなに言われたらルーカスが困ってしまうぞ。この子ならきっと大丈夫だ。」


母さんは心配性だ。でも、前世と違って愛されている実感ができて心地よい。

両親とハグをして、馬車に乗り込む。


少しずつ馬が歩き出し、車輪が回る。

タッタッタとシーラが駆け出して、叫ぶ。


「ルーくん‼今度はシーラがルーくんに聴かせるくらいうまくなるから‼」

「待ってるね‼」

「うん‼待ってt...」


そう言って、シーラは足元を見ていないまま走っていたため、石につまずいて転んでしまう。


「大丈夫!?止めてください馬車」

「そのまま行って、ルーくん‼...寂しくなっちゃうから」


下を向くシーラの表情は見えないままだったがシーラは立ち上がって、手を振った。

天気がいいのに降り出した雨とかかる虹が微笑んでいるように旅は始まった。


**シーラ視点**雨…ペトロールズ


ルーくんは町の偉い人の息子さんで皆にやさしい。だから、小さい頃からよくかまってもらった。

ある日、楽器を鳴らすルーくんを見て体に電撃が走った。かっこいいって、あたしも弾きたい‼その日からルーくんにつきっきりで教えてもらって、ギターもあたしの分まで作って貰っちゃった。


ルーくんの弾き語る姿はかっこいい。どきどきしちゃうけど、この気持ちは内緒なんだ。だって、あたしはパン屋の娘でルーくんには釣り合わない。

でも、もし来年あたしもルーくんと同じ学校に特待で入れたら...

平民は貴族様と違って、特待をとれないと入学ができない。お金がたくさんかかってしまうからだ。(別に平民といっても、お金のある人々は学校にもたくさんいる。)


ルーくんの馬車を見送り、家に帰る。


「ねえ、お母さん。あたし王都音楽専門学園に行きたい。」

「うふふ。じゃあ、がんばりましょうね。私からは教えられないけど、サポートするわ。ルーカス君に会いたいものね。」

「うん///」

「取り合えずお風呂に入ってきなさい。風邪ひいちゃうわよ。」


ぽかぽかなお風呂から出てギターを手に取り、教えてもらった。大事な曲を歌う。たしかペトロールズさんの雨って曲。


♪逢いたい気持ちはこの雨のように♪

♪全てを濡らして色を増すように…♪


いつの間にか強くなった雨にかき消されないようにつよく優しく歌う。ルーくんを想いながら



***あとがき***

ぜひ音楽を聴きながら読んでほしいです。あくまでこの小説は音楽に入門するための道具とでも思っていただければ、、、

週間1位とかとってみたいですけどね。。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界転生しましたがバンド活動しようと思います。 稚爺 (ようじぃ) @tokiirokoubai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ