君は死は青いのだという

羽のような言葉が白く

雪になじんで見えなくなるのを聞いている

しんとした夜にだけ見える青い月の

たらたら垂らす光を掬ってグラスにそそいで

飲んだ君ののどが光った


死は青いのだという

月は死んだ太陽だという


空に憧れるのは翼を持たずに生まれたからだ

あらかじめ失われた自由を求めて

理由や意味を拒む君は

ふわふわ軽くなっていった

大地を嫌って空ばかり慕って


だから


君は星の死を悲しみに溶かして蒔いた

永遠に芽吹くことない愛として

静かに土のにおいをかいだ

春を待つ土のにおいをかいだ


遮断機がおり

電車が過ぎる


死は青いといった君が死んだ

相変わらず冬の空は冴え

君までの距離の遠さを知らしめる

目の前を過ぎる人

いつまでも進まない僕


線路脇の徒花は

にぎやかな春を待ち侘びている

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