愛しき君の言葉に迷いて
言葉の使用による意味を問うと
好きもどこか金属的な響きを帯びて
寂しさで触れた手も冷たく
語の文法的枠組みの捉え難さに
いつだって僕は困惑していた
君が繋いだ糸と糸をたどってみても
どこにも辿り着かないように絡み合って
過去と未来の混同から
ついには因果を忘れる始末
傾いたままのシーソーの反対に
学生鞄を乗せてみたけど軽すぎて
僕の手はどうにも君には届きそうにない
でもやだってが口癖になった
言い訳なしで生きるには脆すぎる骨格の人間
重みを偽りで支えなくては意味はやがて崩れてしまう
意味として信じてつかみとろうとする過去
重みを悲しみで取り替えなくては意味はやがて崩れてしまう
どうせ届かないという諦念すらも上書きされた諦念におさめて
解釈のつらなる連続的かつ際限ない背進へと
素直に今日もおさまるのだ
はてさて果てしない背進から背信へと
冒涜的な言葉を意味を探し歩いて君を失って時を経て
それでも見つからないままの
空白の埋め方を誰か教えてくれたらいいのに
そこに言葉をあてはめる
そこの言葉は静かに光る
そうして言葉が
君の不在を証明している
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます