愛しき君の言葉に迷いて

言葉の使用による意味を問うと

好きもどこか金属的な響きを帯びて

寂しさで触れた手も冷たく

語の文法的枠組みの捉え難さに

いつだって僕は困惑していた


君が繋いだ糸と糸をたどってみても

どこにも辿り着かないように絡み合って

過去と未来の混同から

ついには因果を忘れる始末

傾いたままのシーソーの反対に

学生鞄を乗せてみたけど軽すぎて

僕の手はどうにも君には届きそうにない


が口癖になった

言い訳なしで生きるには脆すぎる骨格の人間

重みを偽りで支えなくては意味はやがて崩れてしまう

意味として信じてつかみとろうとする過去

重みを悲しみで取り替えなくては意味はやがて崩れてしまう

どうせ届かないという諦念すらも上書きされた諦念におさめて

解釈のつらなる連続的かつ際限ない背進へと

素直に今日もおさまるのだ


はてさて果てしない背進から背信へと

冒涜的な言葉を意味を探し歩いて君を失って時を経て

それでも見つからないままの

空白の埋め方を誰か教えてくれたらいいのに


そこに言葉をあてはめる

そこの言葉は静かに光る


そうして言葉が

君の不在を証明している

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