遠すぎる空の名前を尋ねても聞こえない君の声、雨が降る
傷つけたいだけの言葉は軽くて
東雲に溶ける透明な
藤の花の色に似た
君の声は
どこまでも
春の美しさを拒むのだろう
角砂糖に乗って琥珀色の紅茶の海を旅したい
銀色の星々のかけらをかきあつめて
輝く船を編み上げ
風に乗って高く昇って
紫色の空の向こうに消えてしまった
言い訳ばかり吐き出して
できない理由を探してばかりで
惨めだって無意味だって
自分を責めてもなにも生まれないのに
君のことばかり探している
やまない雨もあるよといった
君の笑みはどこにもなくて
星の落とすかすかな手がかりですら
まちあかりにかき消されるのだ
光るはずの命が失われることに
ミリも動かされない麻痺した心を捨てたい
君のことが好きだったというのも君は
言い訳だと笑うだろうか
言い訳かもしれないと僕は
二度目の言い訳をして終わるのだろうか
僕の言葉は君を救えず
君の言葉はいつまでも僕を刺す
遠すぎる熱は夜にひそかに近づき
そっと頬に触れて
終わりについて
こっそり教えてくれる
流れ星と雨の区別もつかず
愚かにも君と宇宙の区別もつかない
僕はただ愛と呼ばれるなにかをずっと
ずっとずっと
もうどうでもいいはずなのに
失われてしまってからでは遅いのに
雨を待つ
雨を待つ
流星雨の声を探して
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます