遠すぎる空の名前を尋ねても聞こえない君の声、雨が降る

傷つけたいだけの言葉は軽くて

東雲に溶ける透明な

藤の花の色に似た

君の声は

どこまでも

春の美しさを拒むのだろう


角砂糖に乗って琥珀色の紅茶の海を旅したい

銀色の星々のかけらをかきあつめて

輝く船を編み上げ

風に乗って高く昇って

紫色の空の向こうに消えてしまった


言い訳ばかり吐き出して

できない理由を探してばかりで

惨めだって無意味だって

自分を責めてもなにも生まれないのに

君のことばかり探している


やまない雨もあるよといった

君の笑みはどこにもなくて

星の落とすかすかな手がかりですら

まちあかりにかき消されるのだ


光るはずの命が失われることに

ミリも動かされない麻痺した心を捨てたい

君のことが好きだったというのも君は

言い訳だと笑うだろうか

言い訳かもしれないと僕は

二度目の言い訳をして終わるのだろうか


僕の言葉は君を救えず

君の言葉はいつまでも僕を刺す

遠すぎる熱は夜にひそかに近づき

そっと頬に触れて

終わりについて

こっそり教えてくれる


流れ星と雨の区別もつかず

愚かにも君と宇宙の区別もつかない

僕はただ愛と呼ばれるなにかをずっと

ずっとずっと

もうどうでもいいはずなのに

失われてしまってからでは遅いのに


雨を待つ

雨を待つ


流星雨の声を探して

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