骨にそって削いで、残さず食べて
地球の薄い肌をなぞる流星に
挨拶するみたいにして
川鵜が水をはじきながら
朝日に向かって高く飛んだ
ぬくい風にもどかしさを感じながら
自嘲気味な笑みを見せた
君はいつだって
人を後ろから刺す準備をしている
そのためだけに君は
鋭い言葉を
たくさん集めているのだという
人間の欲望にからめとられて
疑うことだけは一人前に覚えて
死んだ
猿のことを一度だって抱いたことはない
通り過ぎる言葉は
所詮は風だと
気づいた時には既に遅かった
つかまえそこねて
また
からめとられてしまうのだった
一時的に息をとめて
詩を連想することと
君を思い浮かべて
死を連想することに
差異がないなら
何度でも
ミミズ腫れになった腕を打つよ鋭く深く
消費をするためだけに働く奴隷たちを笑うために
何度でも
自らを傷つけることを正当化するよ激しくはやく
ここから出してと
君のことを思うのだけれど
醜悪な本能を暴き出す月には
銀色の光がよく似合う
嘘が溢れた拘泥の海の街に
捨てられない君との記憶だけが澄んで
すべてすんでいて
透明なとうめいな
トーメイな君の言葉に
君の言葉にだけ触れたかったのだ
肋骨の浮いた胸を
魚みたいだといって笑った
美味しくなさそう
といいながら
まだ蕾のままの花をむりやり開いて
匂いを嗅いで気軽に捨てるみたいにして
懐かしさを
記憶を感触を思い出して
ロボットそっくりの人たちの背を指さして君は言うのだ
ほら
そこにあるのは全部うそ
と
砕けてしまう純粋で孤独な君の個は
隙間に愛の色で埋めつくすのだ
赤あか明るく笑ってよ
もう一度だけでいいから笑ってよ
朝におはようといって
朝食の魚を骨まで食べた日に
君の肌が青白かったことを思い出した
憤りと踊りながら嘆く運命たちと散ったぼくたちの嘘
いつか終わるなら綺麗にくだけたいねと言ったぼくたちの嘘
寄り添うふたりのあいだを抜ける真夏の風は
とっくの昔に吹くことをやめてしまったのに
背景は青一色にして深く沈むくらい
暗い海の青にして
そこでしか魚は泳げない
だから苦しいのだと君は言ったのだ
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