子供から学べる事

ポンポン帝国

子供から学べる事

 我が家には、二人の子供がいる。小学生と幼稚園児。暇があれば何かしゃべっている、口を閉じる事が出来ないうるさい子供達だ。その子供達だが、彼らは想像力の塊だ。私達、大人のような凝り固まった考えをまだ持っていない、純粋な存在だと思う。







 上の子は、ものづくりが好きだ。授業はひょっとすると図工が一番好きかもしれない。


 そんな上の子はある日、学校の図工の時間にとても大きな『パパ二号』を作成してきた。十キロ用の米袋を利用した力作で、上の子本人と同じくらい大きい。ちなみに本人曰く、『パパ二号』は相方らしい。ちなみに私も相方らしい。相方なのに何人でもいいらしい。相方って一人なんだよ? って言うと


「何で一人に絞らなきゃいけないんだ! 大事な人は何人いたっていいじゃんか!」


 そのとおりである。何気にセリフもかっこいい。まぁ最終的には『パパ二号』は処分されたんだけど……。顔まで書いてあったので子供より、私が処分しにくかったのはご愛嬌。けど、とても大きくて置く場所が無かったんです。むしろ考えてもみてください。私の二号が処分されたのですよ。いわゆる分身ってやつです。私が一番、複雑でした。









 下の子は朝が弱い。目覚ましが止まる日なんて殆どない。そんなある日、下の子に、朝起きれない理由を聞いてみた。


「お目々さんが起きるなって言うから。私は起きたいのに起きさせてくれない!」


 下の子は真剣に言うのだ。そう、本人は至って真剣だ。まさに下の子にとってお目々が起きるなっていう事が起きれない理由の大義名分になってしまう。お目々さんは悪い子だね! お仕置き怒らないと駄目だね。って言うと


「そういういじわるはよくない! お目々さん大事なんだよ!」


 いや、そりゃお目々さん大事だけど……。なら起きようよ。寝る時間も早いのに何で起きれないんだろう?










 上の子ははっきり言って変わり者だ。基本的に本能に従って動いている。


 ある日の学校の登校日。いつものように集団登校の集合場所に向かった筈の上の子が、なんと、家まで戻ってきたではありませんか。理由はダンゴムシを捕まえたから。勿論、手の中にはダンゴムシ。後ろには班員さん。ドラクエのフィールドマップの移動状態。前に従って動いている。ドラクエの二番目以降を歩いているキャラはどんな気持ちで後ろをついて行ってるのだろうか? ホント上の子が自由で、ごめんなさい。








 下の子は幼稚園児にして、要領がいい。


 先生の話によると、男の子と遊んでる時は男の子に合わせて、女の子と遊んでいる時は女の子に合わせて遊んでいるらしい。相手を見て、いい子はしっかり褒め、喧嘩している子がいれば先生に伝える。幼稚園児ってこんなに出来ましたっけ? 私の『掃除機魔法が全てを吸い尽くす!!』最初のヴァンが少し大人っぽすぎるかな? と思いつつそのままにしたのは下の子ならこれくらい考えられるからです。






 決まり事だらけなこんな世の中でも、子供は自由である。私達大人が持ってないような、素晴らしい世界を持っている。仮面ライダーごっこをすれば子供部屋が戦場になったり、おままごとをすれば、そこはもうお店屋さんだ。物語を書いている時、行き詰まったら子供達をよく見るようにしている。なぜなら、私達には想像出来ないような事がたくさん隠されている、尊い場所だからだ。それを探り出す事もまた創作をしていく上で楽しい事だと言えよう。


 私の作品で変わった事をしてたらひょっとすると私の子供達がやっていた事かもしれない。また違った視点で小説が読めるとそれは面白い事かもしれない。

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