第20回 俺は有名人です。だけど、彼らにとっては邪魔な存在のようです、俺は―…。
あんな美少女を連れ去ったのか。
あいつらは、変質者なのかもしれない。
美少女を連れ去って、変な遊びを女の子の許可なしに無理矢理させる、極悪非道な人であろう。
許せない。絶対に許せない。
そして、向こうの方、四人のRPGに登場する人物たちと、白で覆われた奴がこっちに気づく。
アルケーも臨戦態勢に入っていた。
「十言、あの四人の中で、赤い服で、黄色いマントなのが勇者。白い服を着ているのが神信会の主導者だ。気を付けろ。あいつらは、お主では倒せない。とにかく、阿久利美愛を確保する。それを一番に考えろ。儂は、勇者パーティーの三人を相手する。残りの二人を相手にしながら、阿久利美愛を―…。」
主導者とは、神信会の信仰者に対して、指導し、信仰を導く職にある者たちを指し、信仰長がその頂点とする階級をもっている神信会の職員の中でもエリートの存在だ。
「わかっている。だけど、相手も臨戦態勢に入っている。母さんの方こそ、気をつけて。」
「あい。」
俺は、勇者パーティーと、白い服を着た奴のいる方向に視線を合わせる。
俺は―…、絶対に美少女を殺させない。
「ふん、あなたは―…、
「へえ~。俺の名前を知っているのか。俺を前に襲ったのは、その神絶隊っていう組織か。」
へえ~、そうなんだ。
不精髭のおっさんは、神信会の中の組織か。
だけど、この予測は後に俺は外すことになるのだが―…。
さて、俺の情報はすでに、神信会には伝わっているか。
こうなると、神信学園にはもう二度と通えなくなるかもしれない。
嫌だな~。もしそうなったら、アルケーや神信会に責任をとってもらうか。
人一人の人生を台無しにしてくれたのだから、それぐらいはタダでしてもらわないとなぁ~。
まあ、それは今はいいとして、俺は続けて言う。
「神様よ、絶えてしまうほうがいい隊の略か、神絶隊というのは?」
「断じて違―――――――――――――う。この不信仰者が…。そんな人にも値しない各田十言に特別に教えてやろう。神絶隊とはなぁ~―…。」
策でも練ろう。
「神様絶対信仰強制隊の略だ。それは、それは、素晴らしい部隊なのだ。神に対して絶対的に帰依し、神のためなら不信仰者を地の果てまで追いかけ、信仰を強制し、もしくは、できない野蛮な者たちを安住の地へと送るのだ。」
主導者がなんか少し間をあけて、言い始める。策をしっかりとさせないとな。
「ハ――――ハハハ。今、ここには、勇者がおり、そのパーティーもいる。いくら、各田十言、お前が俺たちに殺されることのできない存在だとしても無駄だ。魔力因子を持っている女たちを全員殺せば、もう、お前は神を殺すことができないのだからなぁ~。ざまぁ~みろ。ハハハハハハ。」
笑いあげる、白い服で覆われた奴。
馬鹿なのか。あいつは―…。
俺の挑発に簡単に乗り、っていうか「神様よ、絶えてしまうほうがいい隊」と神絶隊の略として言ったことからわからないのかな。
明らかに相手を挑発しているのが―…。そんな意味じゃないってことぐらい、俺でもわかるよ。白い服で覆われた奴にその名前を聞いてから―…。
まあ、これでわかった。白い服に覆われた奴は、自らの権威に溺れやすく、自ら実力を組織の強さによって過信するタイプ。
そして、挑発に簡単に乗るようだから、大したことはできない。ただし、権力を持っている場合は、危険な奴。暴走的な行動にでかねない。そこには注意が必要だ。
勇者に関しては、どうにかしないといけない。
たぶんだけど、アルケーの助けは期待しないほうがいい。
勇者パーティーに属している以上、その三人は、連携も完璧なはずだ。
そうなってくると、アルケーも苦戦するし、最悪の場合、アルケーが負ける場合も想定しておいたほうがいい。
そして、俺は、勇者を抑え、阿久利美愛という美少女の奪還。
失敗は許されない。
おふざけもなし。
覚悟はできた。
俺は、必ずこれを成功させる!!
タン。
俺は、駆け出す。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああ。」
目一杯の声をだす。まさに、それは張り上げるように―…。
「何だ!! 急に、大声を出しやがって!!! 各田十言は、王や神じゃないと殺せない。だから、勇者パーティー、各田十言を抑えろ!!!!」
「「「「はっ。」」」」
白い服に覆われた奴が、命令を出すと勇者パーティーが動き出した。
俺を抑えるために―…。
アルケーが、魔法の準備を終えていたようで―…。
「勇者以外の三人さんの相手は、儂じゃ。」
「何だ。」
「どこから声が聞こえるのですか。」
「どういうことだ。」
アルケーの声に、勇者パーティーの勇者以外の三人は、どこから声がしたのか驚くのであった。
「声はここからじゃ。」
そうアルケーが言うと、勇者パーティーの勇者以外の三人が、俺から見て、右横へと飛ばされていき、教会の壁へ激突するのであった。
一方で、俺は、長剣で勇者に攻撃するのであった。
俺には予測できていた。
勇者が必ず、勇者の持っている剣で防御してくるのを―…。
そして、俺の予想通り、剣で防御してきたのだ。
キーン、と金属音がする。
俺と勇者の剣がぶつかったのである。
こうして、戦いの幕があがることになる。
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