主人公は高校生の松本花菜という少女。
彼女はある『約束』をずっと忘れられず、大切にしていた。
特別な相手との約束は、年月など関係なく覚えているものですよね。
むしろ、時を重ねたからこそ、輝きが色褪せないのだと思います。
小さな頃、家族以外で絶対的な味方でいてくれたお兄ちゃん。
しかし、別れがやってきてしまうのです。
でも、花菜ちゃんを支える約束を残してくれたからこそ、彼女は強くなれたのだと思いました。
そしてまさかの再会が、先生と生徒として、でした。
運命のいたずらに流されるのか、それとも、それすら味方につけるのか?
この辺りの展開がもう、花菜ちゃんとお兄ちゃんならではで、読んでいて心地良さも感じるのです。
しかし、花菜ちゃんの人生は思わぬ方向へ進み始めます。
絶望して立ち上がれなくなっても不思議ではない状況で、またも支えてくれるお兄ちゃん。
そして、花菜ちゃんを取り巻く人達の寄り添う姿。
花菜ちゃんが頑張ってきたからこそ、繋がるべくして繋がった縁なのだと感じました。
数々の試練を乗り越えた先に見えた景色は?
今までがあったからこそ、最後はこちらまでにやけてしまうほどの結末が待っています。
穏やかで、決して薄れる事のない愛を感じる作品です。
是非皆様もお読み下さい。
この物語のヒロイン・松本花菜。幼少の頃から様々な悩みを抱えながらも、懸命に生きてきた。家庭環境だったり、完治しない古傷だったり……。
そんな、幼少の頃の寂しさやせつなさをうめてくれていたのが、幼馴染みのお兄ちゃんだった。しかし、彼は大学への進学を機に、『必ず迎えに来るよ』の約束だけを残して離れてしまう。
ヒロインは、幼い頃の約束は、きっと覚えていないし叶うこともないと、想いを馳せながらも、ひとりで時をすごしていた。
そんなふたりが、偶然にも再会を果たすのだが……。その境遇が、更にふたりの想いの前に立ち塞がる。
がんばり続ける彼女を、支え続ける彼を、あなたも応援したくなると思います。
ここから先の、ふたりが駆け抜けていく未来を、あなたも一緒に見つめてみませんか。