燃える雲



 燃える雲 見上げて

 瞳に映った鳥を 心配してた


 子供の頃の他愛ない思い出

 小さな世界が 全てだった


 あれから色々なものが変わっていった。

 万能の魔法は消えて 不自由な化学だけが残った


 夢なんて忘れてしまったよ

 語る夢は きっと過去に置いてきた


 燃える雲 見上げて

 母に手をひかれて まっすぐ伸びる道を どこまでも歩いた


 小石に躓く心配なんて 何にもしなくてよかった

 道端に咲く花を摘んで 隣にいる人を笑顔にしていれば それだけで


 そんな小さな世界が 全てだった


 今はもう 夢のかけらもない火で

 何もなく焼き尽きてしまったけど


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩集 赤の柱 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ