自称神に拉致されてスローライフ？

第2話

「連れ去ってきたんです☆」

「おいまてコラ！」

突拍子もない女の発言にツッコむ自分

「えっ、ダメでしたか？」

「ダメかとかそういう意味じゃなくて何で連れ去ったりと

いうか拉致って！？」

何を今更、とした顔になった女。

反対に自分は混乱が最高潮

「いやほら、自殺したいなーとか考えてたじゃない君」

「ちょっと待って今までの口調どこ行ったの」

「気にしない！」

「はい！」

場を改めるように女はコホンと一つ咳をして。

真顔で自分を見る

「少々素がでてしまいましたが。まずあなた様の状況を軽

く説明いたしましょう。ここは日渡村、地図で言うと東北ですね。

そして私は村にある神社の」

まさか、巫女とでも言うんじゃあるまいな･･･？

「神様です」

なんてことでしょう、予想を斜め上に鋭角で第一宇宙速度位のスピードで

遙かにぶっちぎりました

「神様ですか」

「神様です」

「何の神様ですか」

「狐の姿を借りた神様です」

えーと？

つまり？

神隠しにでもあったってことですかね？

「まあ、信じられないでしょうが。実際に神様はいるので

すよ。だから君のことをこう、神様パワーでこう、ボン・

ギュム・ぽーいと拾ってきたわけで」

「すごいせつめいがざつ」

つい最近まで技術に囲まれた生活をしていて、いきなり

『神様パワー』とか言われても信用できるわけなかろう

に

「あー。その顔信用してないって顔だー」

自称神様の口調が砕ける。完全に素だろこれ

「で、神様会合の帰りに君がタイミング良く死にかけてた

のと。神社の下働きがちょうどほしかったので連れてきま

した」

むふー、と鼻息荒く。偉いでしょ！と言わんばかりに胸を

突きだしてきた。ずいぶんデカいな。何がとは言わない

が。

と言うか神様会合ってなんすか。集会所でもあるんすか。

と内心考えるけども。それはさておいて

「なるほど、納得できてませんがとりあえずの経緯はわか

りました。そこで質問なのですが」

「うむ、何でも答えましょう。神様なのですから」

車に盛大に跳ねられて生きているのはおそらく本当の事な

のだろう。なので今おかれている状況についてを問う事に

する

「まず、ここは日渡村。と言うことですが。どの県にある

んですか。それと手伝えと言われましても神社で働いた経

験なんて全くないのですが」

正座をして真剣な表情の自分。自称神も真剣な表情になる

「では答えましょう、一つ目の質問ですが」

「はい」

少しの沈黙。

「ーーーいつから地図上にあると思った？」

「言ってる意味が分からない」

「大丈夫、私もよくわかっていない」

「では、神社で何すればいいんでしょうか」

「そも神社が本当に存在すると思っていたのか」

「油揚げ食いすぎてキマってんのか自称神」

「違法油揚げの事は言うんじゃない。捕まるだろ！」

「違法油揚げって何だよ！？実在するの！？」

ドヤ顔でボケ倒してくる自称神

あまりのボケ方に敬語とか吹き飛んでツッコミ倒す自分

その後もボケなのか本当の事なのかがよくわからない説明

を受け、それに対してツッコミを入れまくっていたら

「夜やん」（ぜーはー）

「夜ですね」（ひーはー）

いつの間にか昼から夜になっていた。

どっかのタイミングで自称神が灯りをつけたらしかったが

ヒートアップしていた自分は気にする余裕がなかった、と

も

自称神が言う事をまとめてみると

・ここは日本のどこかにあるけど地図にはない日渡村

・自称神様はここの鎮守

・別にきちんとした名前(神名？）があるけど

それは今の時点では教えることはない

・神社はある。けど色々大惨事なので普請とか掃除と

かやってくれ。祝詞あげたりはしなくていい。

別に神主やれと言わんし祝詞がうるさい。

祝詞聞くならハードメタルの方がいい。

デスボイス祝詞なら可

・一度死にかけたところ引っ張ったので元の場所には帰る

ことができないけど、手伝いやってくれれば

衣食住は保証する。何なら夜も保証する

そして念を強く押されたのが

・違法油揚の事は禁句。場合によってはもう一度死ぬぞ

だった。

つーか違法油揚ってなんだよ。合法油揚もあるのかよ

そこだけ真顔で声色変えて言ってくるなよ

んで、自称神はけつね、とでも呼んでくれと言い

こちらを呼ぶときは適当に声をかけると

名前を覚えるのが面倒とかそういう事ではなく理由がある

とからしいけども、その辺は追々わかればいいのかなあと

思ったりしていたら。眠くてボヤっとしているように見え

ていたらしく、寝るのを勧められた

返事は即座にしなくていいし、明日は神社の方を案内する

とのことだったので。さくっと寝てしまおう

そんな感じでよくわからないまま謎の場所で生きていく事

になりましたとさ。これから先どうなるんでしょうね

というか、こんな適応力高かったっけか。自分