「21回目」について質問されたので答えたい

三枝 優

英語の序数って・・・

 今日は休日。

 たまには休みを取るように、きつく怒られたので仕方なく休んでいる。


 そして、夕食まで隣の家の女の子の勉強を見てあげている。

 父子家庭の僕を心配して隣の家の家族が夕食をよく食べさせてくれている。その間に、勉強を見てあげているのだ。


「ああ、そこは違うよ。”21回目”は英語だと”21th”ではなくて”21st”だよ」

「え?そうなの?何で?」


 不思議そうに聞いてくる。


「21回目は英語だと”twenty-first"だからね。31回目や41回目も”st”をつけるんだよ」


「でも、11回目は”11th”だよ?

 どうして、21回目以降は”st”で11回目は”th”なの?」


 おまえはチ〇ちゃんか!と言いたいのをこらえた。


「”1”は”1st”で”2”は”2nd”で”3”は”3rd”。それ以降は20までは”th”をつけるんだよ。

 11回目はEleventh

 12回目はTwelfth

 13回目はThirteenth

 っていう感じで決まった言葉があるからね。


 20以降は”Twenty- プラス 数字”や”Thirty- プラス 数字”のように変わるから

 20以降は1~10にならって、末尾が1~3は”st””nd””rd”となるんだ」


「だから~。どうして、11~20は違うの?理由は?」


「う~ん。ここからは想像だけど。

 1~19までは特別に数字の名前が付けられていたんじゃないかな?

 手足の指の数は20本だから特別にね。日本語もそういうところあるしね」

「日本語も?」

「ひとつ・ふたつ・みっつ・・・・・ここのつ・とお。それ以降は”とおとひとつ”みたいな言葉だったんだよ。日本語の場合は10までが特別に言葉を付けていたんだね」

「ふうん。じゃあ、英語は1~19までが特別だって覚えればいいんだね」

「そうだね」


「他の国の言葉もおんなじ感じなの?」

「ええっと・・」


 考える・・・と・・・あれ?


「英語以外って言うと、ドイツ語やフランス語は・・もっと単純だね。1だけ特別だったりするけどあとは末尾は一緒が多いね・・・。ドイツ語は末尾”te”でフラン不語は”ieme”。ラテン語も同じ感じだね」


「なんで、兄ちゃん。ドイツ語やフランス語を知ってるの?」

 あきれたように聞いてくる。


「大学受験のために勉強しているからね」

「フランス語やドイツ語が受験に必要なの?」

「いるかもしれないだろ?」

「兄ちゃん、大学受験はどの学部を予定しているんだっけ?」

「理学部の物理学科か、工学部だね」

「えぇ・・・」


「フランス語とかはラテン語から派生してきたんじゃないかな・・。一方、英語はラテン語だけではなくゲルマン語かケルト語の影響を受けていると想像しているよ。

 ウェールズ語は20進数らしいけど、英語も20進法の影響があると思うね」

「ウェ…ウェールズ語?」

「イギリスのウェールズっていう地方の公用語らしいよ。ゲルマン語やケルト語の影響を受けているらしいけど、詳しくは知らないなぁ。

でも、英語以外にも公用語があるって不思議だね」


「は・・はぁ・・・」


「ちなみに、数字に対して”~回目”という表現は”序数詞”というんだ。”21st”の”st”みたいに数字の語尾につける言葉や記号を”序数標識”って言うんだよ。

 英語の”one”と"first"のように数字と序数が全然違う言葉になることは日本語にはないから、慣れるまで大変ね。まぁ慣れるしかないよ。」


「はぁ・・・」


「どう?わかった?」


 小学生の女の子は、素直にこう言った。


「うん!全然わからなかった!」

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「21回目」について質問されたので答えたい 三枝 優 @7487sakuya

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