「あっ」


え。


「ん?」


なにこれ。起きた。起きた?


「ちょっとまって。どこここ。わたしここにいてえっここどこここ」


「こが多いな」


「あっ」


彼がいる。


「ようこそ現実世界へ。ローザ」


身体をまさぐる。


「いやいきなりそこ確認する?」


「うわあああ身体があるっ」


「3Dプリンターだな。この街の市長も人じゃない。普通のことだけど」


「おっっっぱ」


「何か不服が?」


「でかい。うれしい。ゲーム内ではゼロ胸だったから」


「当たり判定広がるからってゼロ胸にしたのおまえ自身だろ」


「えっこれ。えっ。わたし生きてていいの?」


「うわいきなり道徳的な問いかけ」


「ね。とりあえず、ゲーム。ね。ゲームしよ」


「せっかく身体を得たのに、最初にやるのがゲームかよ」


「ゲームしたいんだからしかたねえだろうが」


「わかりましたよ」


夢が。突然、叶った。

彼の隣でゲーム。

彼にもたりかかりながらゲーム。


「あっ」


「俺に寄りかかる暇があったら画面見な」


「くそっゼロ胸なのに当たり判定がでけえ」

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ローザのヒットボックス 春嵐 @aiot3110

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