執筆戦士 デッド★ライン
黒幕横丁
執筆戦士 デッド★ライン
執筆戦士デッド★ライン。第17話!唸れ!作家の貧相な上腕二頭筋の巻!
「うわーーーーーー!やっちまったーーーーー!!」
開幕早々デッド★ラインの悲壮な叫びが飛び込んでくる。
「どうしたデッド★ライン!また軽率に主人公を異世界へと飛ばすという大罪を犯してしまったのか!」
デッド★ラインの指揮をしている総統がデッド★ラインの肩をポンと叩いた。
「総統、私は今猛烈にスランプに陥っているんだ。このままでは原稿を落としてしまい、世界を救うことは出来ない!」
デッド★ラインは悲痛な想いをぶつける。
説明しよう!執筆戦士デッド★ラインは物語をつむぐことにより、この世界の均衡を一定に保っていて、ソレにより悪の手からこの世を守っているのだ!
つまり、この均衡が崩れることになれば、世界は秒で滅んでしまうのだ! 秒でな!
「いかん! このままでは世界が邪悪な魔の手により滅んでしまう!」
「総統!デッド★ラインのやる気が凄まじい速度で下降していっています! このままでは彼は執筆戦士から、ただのイキリワナビ野郎に格下げになり世界が滅びます!」
デッド★ラインのバイタルチェックをしている女性がそう声を荒げる。
「ムムム……一体どうすればいいんだ」
総統は顔をしかめて悩む。一体彼のやる気をアップさせるにはどうしたらいいのか。
「ハッ! そうか!」
そしてある提案を思いついたのだ。
「デッド★ラインのやる気ゲージを復活させるためには、画面の前の読者諸君、君の協力が必要だ! 君達のパワーをデッド★ラインに送るんだ!」
良い子のみんなー! 今瀕死のデッド★ラインを復活させるには、みんなの協力が必要だよー!
デッド★ラインの胸に輝く星を沢山押しながら、『デッド★ラインがむばれー!』って応援を送ろう! 準備はいいかな? せーの!
《デッド★ラインがむばれー!》
声が小さくてデッド★ラインに届いてないよ! もっと大きい声で! せーの!
《デッド★ラインがむばれー!》
おお! その調子! 最後に気持ちをこめて大声で!
《デッド★ラインがむばれー!》
よく出来ましたー! さぁて、デッド★ラインは復活できたかなぁ? 続きを見てみよう!
「読者からのお星様パワーでデッド★ラインのやる気ゲージがどんどん上昇していきます! スランプゾーンから突破し、スランプ克服できました」
「よし! その調子だ! いけ、デッド★ライン!」
「うぉぉぉぉおおおおおお!!!! 燃えてきたーーーーー!!!」
総統や仲間たちや、世界を救うという想い、そして何よりも読者のパワーをこの身に受けてデッド★ラインの執筆速度は瞬く間にスピードを増していった。
そのスピードを時速にたとえるとのぞみ新幹線くらい。多分原稿用紙はあっという間に摩擦で火が起こせるぞ☆ 良い子は真似しないでね!
こうしてデッド★ラインが物語を完成させたことによりまた世界の平和は保たれた。
がんばれ!デッド★ライン! 締め切りと編集部との天秤ほど均衡がなかなか保たれにくいものはないのだから!
次回、執筆戦士デッド★ライン 第18話。新たなる罠!誰が呼んだかブラックヒストリー! お楽しみに!
執筆戦士 デッド★ライン 黒幕横丁 @kuromaku125
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます