KAC20217 21回目

KAC20217 21回目



ポイニクスの赤い羽根 管野 月子 さん

https://kakuyomu.jp/works/16816452219263018796


まさに神話の世界観。

エーゲ海の太陽の眩しさが質感を持って迫ってくるような描写の中で、最初に提示された目標だけでなく更なる壮大な展開が用意されているのが物語としても秀逸でした。

21回目お題なので、主人公が20回くらい失敗するような話は当然多々あるのですが、この作品は特に主人公の気持ちの強さが強烈でした。




それも愛の形 青切 さん

https://kakuyomu.jp/works/16816452219276268263


今回はホラーお題じゃないけど、ホラーお題の回に出ていても光を放った、いや、闇とニオイを放ったかと思われる強烈なホラー。

残酷描写もアレだけど、一途でありながらその一途さがコワい主人公の描写がホラーだ。

作者湖面とにあるように21回目というお題には苦労されたようですが、まあほとんどの作品が苦労している様子ですよね。




人生ガチャ ナカタニエイト さん

https://kakuyomu.jp/works/16816452219276901778


人生ガチャ、という発想がいいですね。

というか、人生って実際に生まれた場所でその後がかなり大部分既定されてしまうガチャですし。

そういう現実を、ソシャゲの射幸心をあおるガチャにひっかけて描いた、言うなればかなりストレートにテーマ性を持った作品。

まあガチャなら、21回目までも粘って何回も引く、なんてことは現実にありそうですし。




水の間の怪物 山寺佳織 さん

https://kakuyomu.jp/works/16816452219281835037


はっきり言って21回目である必要性はほとんどありません。あと、ほぼ完全に戦闘シーンオンリーです。

でもこの物語、見えているのは4000字上限の短編だけど、見えていない部分の広がりをとても感じるところ。

登場キャラが三人いるけど、この三人の出会いってどんなんだったんだろう。もっと言えばこの三人はそれぞれどういう生い立ちを経てここに至ったのだろう。そして、この戦いの後も、三人の行く手にはどんな冒険が待っているのだろう。

言ってしまえば独立した短編としてはあまり完成していないのかもしれないが、見えていない部分がとても興味深く感じられるのが良かった。

単純に、描かれている戦闘シーン自体も良かったです。21回目である必要は無いけど、何回も失敗して、でも過去の失敗を次の戦いに活かしているのが分かるし、あとダークエルフの魔法が面白い。




つけ麺処 ふなかせつ 砂田計々 さん

https://kakuyomu.jp/works/16816452219279584427


これ本文を最後まで読んで、あれっ、って思ったのですが、21回目、というワードが本文中に一回も出てこない。

あれ、どこに21回目要素あったっけ。

と、内容を思い出してみると、ああ、確かにこれは21回目だった。そうだ、その手がありましたね。

ラーメン、というかつけ麺の描写も簡単でありながらおいしそうです。

夫婦の仲の謎、という割と小さい謎でもって上手く物語を牽引して、最後はハッピーエンドというよりは安心エンドという感じにまとまっていて、そこも上手くて満足感。というより満腹感。

そんな大きな出来事というほどでもないが、日常の中でであう、ちょっと気になったことを、ストーリーの中に落とし込んであるので、21回目お題の使い方の上手さも合わせて、これはしてやられたなあ、という感じです。




自作紹介


オタサーの姫がらみで追放されたドワーフの俺。持っている対エルフスキルが必要と判明し戻って来てくれと何度も頼まれているけど、もう遅い kanegon

https://kakuyomu.jp/works/16816452219260382443/episodes/16816452219260578884


やっぱ21回目というお題には苦労しますって。単に21回目だと妙に回数が多くて扱いにくい。

なので、7個でセットのものを3周させて、その最後の21回目に何かを持たせる形にすればいいんじゃないかな、ということで、七人のこびとです。おそらく、同じような発想の作品も幾つもあるはずです。

あとは、タイトルで全部説明しちゃっていますので、言うことはなにも無いのですが。

アイディアが思いつかずに苦し紛れに書いたにしては、まあまあのクオリティで、語りの展開も良く、面白くできている、んじゃないかと思っています。

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