目玉焼きに醤油かけるヤツは出てこい！！

第4話 カレーに生卵入れたヤツ出てこい！！No.３

「陸斗見ろよ！【みんなでカレーキャンペーン】やってるよ！」

石井君は見るからに、はしゃいでいる。

初対面のときの優等生感はどこへ行ったのやら。

「わかったわかった。そんで、そのキャンペーンってどんなの？」

「えーとナニナニ？【入学キャンペーン第一弾みんなでカレーキャンペーン中は特製カレーを頼まれた2人以上のお客様に無料トッピングします！！いっぱいお友達を作ってお得に食べましょう！】だってさ」

なんてボッチに優しくないキャンペーンなんだろうか…

「なるほどな。でも、今はカレーというか、ラーメン食いたい気分だな」

石井君は見るからに肩を落として下を向いている。

こんなわかりやすいヤツも居るんだな。

「そんな気分だったんだけど、急にめちゃくちゃカレーが食べたくなってきた。僕はカレーにするよ」

「その…気を遣わしてるよな。自分のことはいいからさ、陸斗はラーメン食べなよ」

「いいんだよ別に！実際なんでも良かったし。それにほら、僕たちは友達だろ」

「何だろうその…、突然友達だと言われるのは嬉しいけど、少し照れるな」

「言ってる方はその百倍照れてんだ、ばか」

食券を買って、僕と石井君の二人で食堂のおばさんに渡す。

「特製カレー二つですね。トッピングはいかがしますか？」

「えーと」

チーズ、ほうれん草、からあげ一個、生卵の4種類から選ぶみたいだ。

明らかに一つ異物が混ざっているが…

「僕はからあげでお願いします。石井君はどうする？」

「自分は生卵で！」

「からあげと生卵ですね。少々お待ち下さい下さい。」

「貴方に。大切なお話があります」

「陸斗？なんだい、そんな改まって」

「一度しか言いません。よく聞くように」

「え？あ、はい！」

「貴方とはお友達にはなれません。短い間ありがとうございました。」